2019/04/14

今週の為替相場を考える(4月15日~19日)

今週の為替相場を考える(4月15日~19日)

4月19日(金)はグッドフライデーで世界主要市場は休場となり、4月22日はイースターマンデーで、欧州主要国は休場となる。ポジション調整とリスク回避の動きに要注意! 最近の為替相場は、今後の経済や金利見通しの不透明感に経済指標を見守る動きが強まり、経済指標の結果を受けて単発的な動きになりやすい。

円相場と関連性の高い、株価と債券利回りは3月27日をボトムに反発から一時の伸び悩みから先週末に10年債は2.56%台、2年債も2.39%台と目先の上限を上抜け再反発、独10年債、英10年債利回りも共に再上昇している。一方の米株は、ダウは26100~26500のレンジで高止まりしてはいるが、NasdaqとS&P 共に昨年8月の高値を狙う動きで、独DAXや英FTSEも上昇を継続しており、市場センチメントは円売りに傾いている。

一方、円相場は米国の通貨政策や経済政策に動かされる可能性も意識。今週15日~16日は日米貿易協議の初会合があり、ワシントンで茂木経済再生相とライトハイザーUSTR代表が会談する。米国が幅広いFTAを求めていることに対して日本はTAG(物品貿易協定)に限定しており、どうなることやら。また、為替条項や、通商拡大法232条に基づく自動車関税はどうなるのであろうか? 5月の連休明けごろにはこの問題も大きな材料となりそうである。

GBPUSDの変動要因となっていたブレグジットは、EU金融首脳会議でブレグジットまで半年の猶予を得ることができたが、議会で離脱承認を得てブレグジットを実施するには最大野党の労働党から合意を得る以外ないと思われており、今後の両党の交渉を注目。今後は2度目の国民投票、解散総選挙、ブレグジットの再々延長などの選択肢を残しながらも、とりあえずハードブレグジットのリスクは回避。ただし、離脱案の承認の合意がGBP上昇の絶対必要条件。

米中通商協議は世界経済の成長抑制要因となっており、為替相場の焦点ともなっている。ムニューシン米財務長官は「米国が中国に、通貨切り下げをしないことをはっきりさせるために、為替操作の防止策を認めさせた」とあり。トランプ大統領は4月4日に「中国と今後4週間以内に貿易合意の可能性」を示唆しており、4月末までに何らかの合意を目指していることがわかる。

これらの結果により、中国との貿易関係が強い豪ドルの影響は避けられず、急反発するのか、それとも失望するのか? AUDUSDは0.7000~0.7200のレンジを抜け出すことができるか?

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USDJPY 予想レンジ(111.50~112.30、または、111.80~112.80)

Dailyベースでは、株高+米債利回りの上昇=円売りと、三菱UFJ銀行の独DVBバンク航空機ファイナンス事業の約7100億円での買収に伴うEURJPY買い(ウワサ)に、ついに112円の大台で終了し、12月19日以来の高値を示現。3月5日の日中の高値112.13が直前に迫る重要なポイントで112.20~30の壁を超え、政治的なプレッシャーにもかかわらず、テクニカルベースで上昇力を維持することができるかが今週のポイント。

3か月のオプション・リスクリバーサルは、4月に入りUSDプットオバー1.38→1.13まで低下しUSDJPYで円先高期待が大きく後退している。

IMMポジションからは、2018年6月19日から43週続くネットショートポジションは変わらず、前週比では8週連続しショートが拡大している。ショートポジションは1月15日以来の水準となっており、円先安を意識したポジションとなっている。


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EURUSD 予想レンジ(1.1250~1.1350)

Dailyベースでは、3月7日に続き4月2日の1.1170~80をボトムに目先のハードブレグジットの回避+直近の強い経済指標や本邦からEURJPYの買いもあり反発、1.1300の大台を達成し1.13239まで一時上昇。終値では1.1299と大台までは若干届かないが上昇傾向を維持し、1.13台を継続すれば新たなブル相場の始まりも期待できるが、イースター休暇を前にして本当にどこまで上攻めができるのだろうか? やや疑問。

3か月のオプション・リスクリバーサルは、4月に入りユーロプット0.4%台→0.0%まで低下、長期間続いたユーロ先安リスクが後退しニュートラルになり、これからの動きが楽しみ。

IMMポジションからは、2018年10月2日から28週続くネットショートポジションは変わらず、前週比では4週連続しショートが拡大し、ネットポジションは10万コントラクトの大台をついに達成、2016年12月6日以来の水準に拡大。長期的なポジションは維持すると思われるが、短期的なショートの巻き戻しが起きるか?


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GBPUSD 予想レンジ(1.3000~1.3200)

Dailyベースでは、1.2950、1.3000、1.3050と緩やかにボトムアップする反面、ワイルドな上下変動も収束しつつあり上値も切り下がっており、テクニカルではGBP先安期待が続いている。ただ、前週はブレグジット時期をめぐりEU緊急首脳会議で半年間の猶予を得たが、サプライズではなかったようで1.3020~1.3130の狭いレンジにとどまり、潜在的なGBP買いが強まっている期待感も。

3か月のオプション・リスクリバーサルは、4月に入りGBPプットが2.5→1.0%まで低下。ハードブレグジットのリスク後退なのだろうが、GBPの先安感は大幅に後退している。3か月のボラティリティは10.7%→6.82%までと2018年1月の水準近くへ急低下、1週間は16台→5.88%に急低下、相場の変化が期待される。

IMMポジションからは、2018年6月19日から43週続くネットショートポジションは変わらないが、前週比では小幅ながらロングとなっている。ポンドのネットショートは減少傾向にあり、-6,516コントラクトまで減少し、ポジションだけを見るとニュートラルでポンド先安懸念は感じられず。   


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AUDUSD 予想レンジ(0.7150~0.7250)

Dailyベースでは、大枠0.7100~0.7200と大きな変化は見られず。資源価格の上昇や米中通商協議の進展を期待し、一時0.7150を上抜け3月初旬以来の高値を更新したことで、上昇期待が強まるも完全に上抜けしきれず。ただし、上昇材料は変わらず。

3か月のオプション・リスクリバーサルは、4月に入りAUDプットが0.85→0.65に低下、AUD先安期待も弱まっている。

IMMポジションからは、2018年4月3日から54週連続でネットショートポジションは変わらず、直近では5週連続し前週比で増加していたショートは、逆にロングへと変化しAUD買の流へ。


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