2020/04/21

2020年4月21日(火)昨日20日、海外市場の動き

2020年4月21日(火)昨日20日、海外市場の動き

原油価格は歴史的下落で米株も下落。米10年債利回りは0.624%と小幅低下、VIXは43ドル台へ上昇。為替相場は安全資産を求めドル高傾向が続くも動きは予想外に鈍い。

WTIは期近の5月物は貯蔵能力の限界を危惧してか、買い手不在に歴史的な-40.32ドルまで下落(ただし、6月物は21.10台と-3.85ドル-15.30%にとどまる)。その影響もありNYダウは終盤にかけ下げ幅を拡大し-592.05(-2.44%)と下落。

為替相場は、予想を上回るCPIと新型コロナ逃避先として選好されるNZDを除き、主要通貨でドル高傾向が強く、特に原油急落(暴落?)にCADは弱さが目立ち、EURは共通債期待に下げ幅は限定的で、JPY相場は原油安にも蚊帳の外。

NZDUSDは、アジア市場の0.6009をボトムに、早朝のNZのCPIが予想より強く、アーダーン・NZ首相はロックダウンを1週間延長した後は規制を緩和すると発表したことを好感しNZドル高へ。米国市場に入り一時0.6092まで上昇するも、0.6080台超の上値は重く0.6030台で推移。コロナウイルスによる避難先として金持ちはNZへの移住が増えているとのこと。

EURUSDは、スペイン-12%超、イタリア-8%とEU各国で大幅な成長鈍化予想され、ロックダウンの解除も先送り気味。独連銀月報でドイツは厳しいリセッション局面にあると示唆するなどのネガティブ材料に反して、3日のEU首脳会議で1兆ユーロの欧州発行債を期待するポジティブ材料と混在。1.0842~1.0897のレンジで推移し1.0860台と小幅低下にとどまっている。

USDCADは、アジア市場の早朝につけた0.4010台をボトムに上下変動しながらも米国市場の終盤にかけ高値を更新し1.4130台で推移。WTIの5月物が-40.32ドルまで下落する中、産油国のCADの影響を危惧した売り圧力は強く、弱さが目立っている。

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米NY州看護師協会は20日、危険な労働ガイドラインや防護用品の不足により新型コロナウイルスの感染拡大を助長したとして、州と2病院を相手取り計3件の訴訟を起こした。

米配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズが上昇している。米政府の一般調達局(GSA)が、同社と8億1000万ドル(約871億円)の契約を結んだ

JPモルガン・チェースのアナリストは、GMとフォードの金融部門が中古車価格の劇的な下落により数十億ドルの損失を抱える恐れがある。マンハイム算出の中古車価格指数は、4月初めから15日までに11.8%急低下。このまま行けば4月は月間で過去最大の値下がりを記録する。第2四半期末の価格が当初予想を10%下回った場合、損失額はGMファイナンシャルで合計30億ドル(約3230億円)、フォード・クレジットで28億ドルに上る可能性があると、同氏は試算

クドロー国家経済会議(NEC)委員長は、トランプ大統領が5月1日までに米経済の再開を望むんでいるのは「努力目標」であって、再開は「安全な場合」にのみ望んでいると説明した。景気刺激策をめぐる交渉は順調。

米議会共和党のマッカーシー下院院内総務は、民主・共和両党が新型コロナウイルス感染拡大による打撃を受けている中小企業向けの追加支援を巡り合意に近いが、民主党が合意を引き延ばしていると非難した

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ブロードベントBOE副総裁は、新型コロナウイルス対応の封鎖措置を政府が解除しても、人々が日常の生活を取り戻すことに慎重な姿勢を続ければ景気の回復は遅くなる可能性があると警告

イタリア政府筋は、20年GDPを-8%程度、21年GDPは4.0~4.5%と予想している模様。

メルケル独首相は、ドイツはロックダウンの緩和を急ぎ過ぎるべきではない。

ジョンソン英首相は、ロックダウンの早期緩和に抵抗。英国経済はほぼ停止し大量の一時帰休が生まれ、社会福祉手当の申請が急増している。このため早急な解除を求める声がある

スペイン中銀は、今年の経済成長率は最悪のシナリオで12%超のマイナス(ロックダウンの長さや生き残る企業の割合で、予想レンジ-6.8~-12.4%)、失業率は21.7%まで上昇する可能性になると予測。2008年の世界リセッションやその後の欧州債務危機を乗り越えて同国が達成した成果が全て失われる恐れがある。

メルケル独首相は、欧州連合(EU)予算の拡大と欧州委員会による共同債発行を通して新型コロナウイルスの打撃を受けた欧州経済の回復を支援する用意があると示唆した。ドイツは連帯して行動したいと考えているだけでなく、実際に連帯して行動する。EU予算は感染が拡大する前の協議内容とは様相が大きく変わり、規模も拡大する可能性があるとし、景気回復に向けた措置の支援になる場合、EU条約の修正を受け入れる姿勢も示した。

スペイン政府は、EU加盟国に1.5兆ユーロ規模の復興基金設立を提案へ。23日のEU首脳のテレビ会議でサンチェス首相が概要を示す。基金を6月1日から稼働させる提案を首脳会議で行う方針

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ゲオルギエワIMF専務理事は、新型ウイルスの感染拡大で世界は1930年代の大恐慌以降で最悪の危機に直面している。今年は世界170カ国の経済がマイナス成長に陥る。途上国、および新興国について最も大きく懸念している。各国が感染拡大抑制から回復モードに切り替える際、保護主義の回避が重要になる

金持ちや米国人はシェルター利用やNZ移住へ。豊かな自然に恵まれた島国ニュージーランドは何年にもわたり、地球が滅亡しかねない状況が起きた場合に米国の富裕層が自分たちの生き残る計画を準備しておくべき場所として取り上げられてきた。同国の新型コロナ対応は現在、称賛されている。

エルドアン・トルコ大統領は、祝日23日から4日間、主要都市のロックダウンを検討中

WTI、原油先物価格が過去最大の下落を記録。NY原油市場で原油価格が初めてマイナスとなる異常事態が起こった。期近の5月物は一時1バレル-40ドル台と前日より58ドル以上の下落。5月物の取引終了を21日に控え、原油の現物を引き取りたくない投資家が投げ売りしている。ただ、期先の6月物は1バレル21ドル前後と前日より4ドル安程度にとどまっている。

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