2020/04/26

今週の為替相場を考える(4月27~5月1日)

今週の為替相場を考える(4月27~5月1日)

日本ではネガティブな超大型ゴールデンウィークがいよいよ始まります。最も在宅勤務や自宅待機が多数存在することを考えれば、あまり意味のない可能性も残りますが、連休前と連休後の為替相場はどのように変化するのでしょうか? 何も起こらない可能性は低いと思われ、ドル高かドル安でどちらにポジションを傾けるのか? また、その際にはどの通貨ペアが最も変動幅が大きくなるのでしょうか?

今週はFOMCとECBの結果を注目していますが、原油価格の動きも重要です。新型コロナウイルスの感染による景気後退もあり原油価格が信じられない暴落にもかかわらず、それでも株価は予想外に健闘しています。株式投資家にとってはとりあえず一安心。為替相場は単純に考えれば、新型コロナウイルスの感染拡大と収束の見込みが高いポジティブ組は買われ、逆のネガティブ組は売られる傾向と色分けすることになりそうです。

FRBのドル資金の提供がなければ世界経済はどうなっていたのかぞーっとします。そのFRBのドル資金も徐々に供給を減少させていることで為替相場も極端なドル買いも収まりつつあることでしょう。先週は、3月13日にFRBは米国債購入を再開し3月19日~4月1日まで750億ドルを実施しましたが、先週は1日150億ドルと、前週の300億ドルから減速、今週は更に100億ドルペースまで縮小させるとのこと。

市場は米国のシェールオイル企業の破綻が始まっており、ロシアなどの産油国の財政は大丈夫なのでしょうか? 新興国では新型コロナウイルスの影響による経済減速とドル高による債務拡大に、債務減免を求める動きも強くデフォルトリスクも高まっています。中国は援助を強め支配力を強める好機として虎視眈々と狙って行動に移しているように思えてなりません。

米国は既に3兆ドルの財政出動をし、FRBは今週のFOMCでは政策金利を据え置くことは間違いなさそうですが、すでに大量の国債と住宅ローン担保証券を購入済みで、米議会予算局は2020年会計年度の連邦財政赤字が過去最大の3.7兆ドルになると予測しています。

USDJPY
日経平均株価は19000~20000円のレンジを抜け出せず、ダウも大枠23000~24200のレンジに収束気味。米10年債利回りは0.8%をピークに0.6%を中心とした動きにとどまり、2年債利回りは0.2%割れをボトムにしながらも底辺で推移しています。

USDJPYは、過去2週間のレンジが大枠で107~108.50で、先週だけに限定すると大枠で107~108円の1円幅で推移しています。リスク回避の円買いと、ドル需要のドル買いとでバランスが取れていたのでしょうか? 本来ならゴールデンウィーク前のドル需要が強まることを期待したいのですが、緊急事態宣言下で世界的な景気後退期にどこまで今までのセオリーが有効なのかは不明。本邦企業の積極的な動きも見られずトレンドレスと言ってもいいでしょう。ただ、市場参加者の期待は、小幅ながら円ロングを維持していることで、円高期待が残っているように思えます。今週は、引き続き107~108.50のレンジ相場を考えざるを得ません。

EURUSD
ECBが先に7500億ユーロの金融量的緩和を実施しコロナ債の発行期待から1.1150まで上昇した流れも剥げ落ち、1.1000、1.0900と上値が徐々に切り下げっています。24日のEU首脳会議では5000億ユーロの支援策は承認するも、1兆ユーロの緊急基金の設立は南北間の意見の相違が埋められず合意不調に一時1.0720台まで下落。とりあえず欧州委員会に5月6日に詳細案の提示待ちとなっています。

EU首脳会議を前にして、22日にECBは緊急理事会を開き、イタリアを意識していると言われていますが担保基準を一段と緩和しています。また23日にはラガルドECB総裁はEU首脳にたいして「EUの対応は力強さを欠き、遅きに失したと伝えた。域内GDPが最大15%縮小する可能性」を示唆していました。

今週は1.0900台をピークにどこまで下げられるか? まずこれを試してみたくなります。また、30日のECB理事会の結果とラガルドECB総裁発言が相場の流れを作ることになりそうです。

USDCAD
個人的には、原油安にCAD安の傾向は続きますが、先週のような限月交代や原油ETFの新規発行停止などのサプライズは考えにくく、USDCADは、1.40~1.4300のレンジ取引をしばらく続けた後は、CAD高に動くことを期待しています。

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