2020/04/24

2020年4月24日(金)昨日の海外市場の動き(午前5時半ごろ)

2020年4月24日(金)昨日の海外市場の動き(午前5時半ごろ)

世界的にPMIは過去最低を記録し景況感は最悪。

今日も材料は豊富で、為替相場は原油価格の上昇にドル売りの流れとなるも、国連貿易開発会議(UNCTAD)が、途上国のデフォルトは避けられず、途上国が抱える1兆ドル規模の債務を免除が必要との報道もあり、リスク全体を考えればドル需要の強さは変わっていないのでは?

為替相場はJPYを除き主要通貨でドルは弱含みで推移。ダウは上昇幅を縮め前日比+39.44(+0.17%)で終了。WTIは一時18.15ドルまで上昇し17ドル台で何とか推移。米10年債利回りは0.6%台軟調に推移。

米国ではレムデシベルが初期臨床試験で失敗とのWHOの公表をFT紙が報道。ギリアド社は反論しWHOは誤報とウェブサイトを削除。ただし、中国での初期臨床試験は被験者が少なく打ち切られたためとあり、どうも不思議! 米株も上昇幅を縮める。

USDJPYは米国市場に入り、日銀が27日の金融政策決定会合で無制限の国債購入+CP・社債の購入上限倍増の見込みとの報道に107.40台→一時108.04まで急伸。しかし、円先高支持者は多く108円台の売り圧力は強く、レムデシベルが初期臨床試験で失敗との報道もあり、米株高が続く中で107.40まで下落と、結局は107.35~00と、いつもながら107~108円のレンジを継続中。

EURUSDは、ラガルドECB総裁がEU首脳にたいして「EUの対応は力強さを欠き、遅きに失したと伝え、域内GDPが最大15%縮小する可能性」を示すなど、弱気なムードが残る中で、前日に欧州委員会は首脳会議を前に2兆ユーロ(約234兆円)規模の経済復興計画を提案しており、欧州復興に関する期待感に1.0847まで上昇するも、復興対策の合意はなく終了、逆に1.0762まで下落。ただ、メルケル独首相は、2兆ユーロの復興対策への財政支援を提供する用意があると発表している。また、今日24日にはS&Pグローバル・レーティングは、イタリアの信用格付けのレビューを行う予定を前に、ECBが前日に4月7日以降にジャンク級に引き下げられた債券を資金供給の際に受け入れる担保として認めると発表しており、この対象を期待し安心感も残る。

GBPUSDは、欧州市場の1.2308をボトムに米国市場に入り一時1.2415まで上昇するも続かず、結局は1.23~1.2420のレンジ。英財政赤字のGDP比が15%まで上昇との観測や、ブリハBOE政策委員が「英国は過去1世紀、もしくは数世紀で経験したものよりも急速かつ深刻な景気後退を経験しているようだ」との発言、ロイター調査、英第2四半期GDP予想は中央値で-13.1%縮小する見通しで、四半期としては第2次大戦以降で最大との報道もあり、ネガティブ材料は多い。

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16:30    GER 4月 総合PMI・速報値=17.1(予想28.8 前回35.0)、製造業PMI・速報値=34.4(予想39.0 前回45.4)、サービス業PMI・速報値=15.9(予想28.1 前回31.7)

17:00    EUR 4月 総合PMI・速報値=13.5(予想25.9 前回29.7)、製造業PMI・速報値=33.6(予想38.0 前回44.5)、サービス業PMI・速報値=11.7(予想23.5 前回26.4)→ 経済活動はほぼ停止で過去最低

17:30    GBP 4月 総合PMI・速報値=12.9(予想31.0 前回36.0)、製造業PMI・速報値=32.9(予想42.0 前回47.8)、サービス業PMI・速報値=12.3(予想29.0 前回34.5)→ 過去最低

21:30    USD 週間新規失業保険申請件数=442.7万人(予想450.0万人 前回524.5万人)→ 予想を若干下回るも過去5主幹で2600万件と歴史的な水準

22:45    USD 4月 総合PMI・速報値=27.4(予想 前回40.9)、製造業PMI・速報値=36.9(予想36.0 前回48.5)、サービス業PMI・速報値=27.0(予想31.3 前回39.8)→ 過去最低で米経済は前例のない領域に入る

23:00    USD 3月 新築住宅販売件数=前月比-15.4%(予想-15.8% 前回-4.4→-4.6%)、62.7万件(予想64.3万件 前回76.5→74.1万件)→ 2013年7月以来の減少率で、経済的打撃や失業者増加を受け、新築住宅販売は一段と減少する可能性がある。

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日銀は、新型コロナウイルスの感染拡大による経済の急速な悪化を受け、27日の金融政策決定会合で追加の金融緩和策を打ち出す最終調整に入った。国債の購入額は現在年80兆円としているめどを撤廃し、必要な量を制限なく買えるようにする方向で議論する。企業が資金調達で発行するコマーシャルペーパー(CP)や社債については購入上限額を倍増する見込みだ。(日経新聞)→ この材料にUSDJPYは一時108円台へ急伸。

英FT紙はWHOが誤って公表した草案に基づき、米ギリアド・サイエンシズ社のレムデシベルが初期臨床試験で失敗に終わったとの報道し、米国株が上げ幅を縮小し、長期債利回りが一段と低下する場面があったが、ギリアド社は中国で実施された試験は被験者が少なく打ち切られたため、結果は確定的ではないと反論。WHOは、ギリアドの試験に関する草案文書が誤ってウェブサイト上に掲載され、ミスが発覚した後すぐに削除したと説明している。→ FT紙の報道にギリアド株は6%近く下落した。

英国は、新型ウイルス感染に伴う英政府の資金支援策とGDPの大幅縮小による歳入減を受け、単年度の英財政赤字は対GDP比で少なくとも15%まで上昇するとの試算が出ている
メルケル独首相は、2兆ユーロの復興対策への財政支援を提供する用意するが、コミットする前に、どのように使用されるか、詳細を確認したい。

ラガルドECB総裁は、EU首脳にたいして、EUの対応は力強さを欠き、遅きに失したと伝えた。域内GDPが最大15%縮小する可能性を示す。(複数の関係者)

欧州債券市場では23日、格付けがジャンク級の債券が値上がりした。ECBが前日、ユーロ圏での信用収縮防止に向けて新型コロナウイルスの感染が拡大した4月7日以降にジャンク級に引き下げられた債券を資金供給の際に受け入れる担保として認めると発表した。ECBがいずれ、格付けが低い債券を買い入れるとの期待が高まった。→ イタリアやその他の高債務国のソブリン格付けが、投資適格級で一番下のBBBから引き下げられるリスクがあることから、ECBの動きは予想されていた。

ブリハBOE政策委員は、英国は過去1世紀、もしくは数世紀で経験したものよりも急速かつ深刻な景気後退を経験しているようだ

メルケル独首相 欧州の刺激策、EU予算に盛り込まれるべきだ

4月の月例経済報告は、急速に悪化しており、極めて厳しい状況」とし、3月の「足元で大幅に下押しされており、厳しい状況にある」からさらに下方修正した。

国連貿易開発会議(UNCTAD)は、途上国のデフォルトは避けられない。新型コロナウイルスが世界中で猛威をふるう中、同機関が提案する取り決めによって途上国が抱える1兆ドル規模の債務を免除するよう国際社会に求めた。→ G20は15日に、途上国の対外債務の返済を年内猶予することで合意した。

原油ETFが21日のWTIは期近に大量の売りに急落招く。ファンドの提出文書に基づきブルームバーグが算出したところによると、ユナイテッドステーツ・オイルファンド(USO)とサムスンS&P・GSCI原油ERフューチャーズETFは21日に、中心限月のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物6月限を合計で約11万枚売った。前日の引け時点での建玉残高の19%に相当する。 WTI6月限は21日、一時68%安の1バレル=6.50ドルまで急落した。同時に期先物とのコンタンゴ(順ざや)は劇的に拡大し、6月限と7月限のスプレッドはほぼ2倍の10.99ドルとなった。

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