2020/04/19

今週の為替相場を考える(4月20~24日)

今週の為替相場を考える(4月20~24日)

新型コロナウイルスの感染は収束するのか、それとも拡大するのか? 下落が止まらない原油価格は、今後どうなるのでしょうか?

感染拡大が阻止され経済活動の復活期待が相場の鍵を握ることになりそうですが、日米ともに株価は下落幅の半値近くに戻すなど上昇が目立っています。直近でもトランプ大統領が経済の再開に向けた指針を示し、「レムデシビル」が臨床試験で新型コロナウイルスの患者が劇的に回復とあり、ウイルス感染阻止を期待したくなります。

一方、債券利回りは中銀・政府の超緩和策や大規模経済対策にも、安全を求めたドルへの移動や、新興国市場から安全資産への逃避もあり歴史的な低水準で、2年債や安値を更新中。原油価格はOPECプラスの大規模減産合意にも、需要の低迷が減産幅を上回る見通しに歴史的安値にあり、逆にリスク回避と安全資産を求め金価格は歴史的高値水準にあり更新していることも事実です。結果、強弱混在の動きで相場の先行きを不透明にしていることは間違いありません。

肝心の為替相場ですが、欧州の一部や米国ではあらたな感染者数の減少にロックダウンの部分的解除を検討するなど、出口を模索する動きも見られます。トランプ大統領は3段階で封鎖措置を解除するとあるも、それぞれの事情に合わせて方針を調整すると州知事任せ。(批判の声が高い)

新興国からの資金逃避の一部はUSDに向かっていると言われており、27日にゲオルギエワIMF専務理事は「特に830億ドル相当の資本流出が見られた新興国市場や発展途上国に対する懸念を表明。新興国などが新型コロナ危機から回復するためには2.5兆ドルを超える資金が必要になる」とあります。

また、FRBが発表した来週の米国債購入ペースが1日150億ドルと、先週の300億ドルから減速します。3月19日~4月1日までに実施した750億ドルをピークに、購入額は縮小傾向が続いているとあり、ドル需要の変化がない限り結果としてドル買いの流れが続く可能性が残ります。

USDJPY
過去3週間の平均の値幅は1.53円で、106.92~109.38のレンジで、4月に入り計と一日13日間の平均は0.83円のレンジにとどまり、4月9日以降の7日間に限定すると平均0.8円で大枠107~109のレンジに収束しています。同期間の合計では日経平均株価が544.02円上昇、NYダウは808.92ドル上昇と、株価の上昇にもJPY売りは限定的で、リスク回避のドル買にも健闘していることがわかります。もちろん、原油安や日本国内での感染拡大のリスクは残りますが、今後しばらくはベア+ブルに傾いても長続きせずに大きなレンジ相場に入っているように思えてなりません。

EURUSD
欧州では18日にECBが7500億ユーロの緊急量的緩和を発表して上昇したEURUSD相場も、コロナ債などで南北の対立の溝が埋まらず結論がでず下落後は1.100の大台を超えられず。23日のEU首脳会議で仮に合意できればサプライズで急速なEUR上昇となることが予想できる反面、逆ならばEUR売りの材料にされやすいのでは。

GBPUSD
ジョンソンリスクは消え去るも、16日に英国は外出制限措置を延期しており、テンレイロBOE政策委員の「ロックダウンにより、英経済は極めて大きな打撃を被る可能性が高い」との発言、14日には英予算局(OBR)は第2四半期の英経済は-35%に陥り失業率は10%超となる試算を発表。ベイリーBOE総裁も「第2四半期のGDP35%減との予想は非現実ではない」と話を添えるなど英国経済の先行きがどうしても気になる。24日にはS&Pが英国(イタリアも)のソブリン債の格付けを発表するが、仮に引き下げにでもなればGBP売りの材料にされやすいのでは?

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