2020/04/25

2020年4月25日(土)昨日24日、海外市場の動き

2020年4月25日(土)昨日24日、海外市場の動き

原油価格も低水準で落ち着き、債券相場も落ち着き、株価は上昇傾向を維持。為替相場もボラは低下し、新型コロナウイルスを材料に大変動した相場はようやく落ち着きを取り戻すが、経済だけは早急な回復期待は見られず。

週末金曜日、ダウは一時のマイナスを脱し+260.01(+1.11%)と3日続けての上昇へ。原油価格(WTI)も15.64~17.97ドルのレンジで17.10ドル近辺と激震の20日をボトムに小幅ながら4日連続で上昇。米10年債利回りは0.6%と4月中旬以降は大きな変化は見られず安定。

経済指標は新型コロナウイルス感染による脆弱な経済活動に最悪状態ながら、為替相場は極端な変動は見られず。①英GfK消費者信頼感指数は前月と変わらず2009年2月いらいの低水準。②英小売売上高は統計開始以来の落ち込み。③独IFOは過去最大の落ち込み、④ミシガン大学消費者信頼感の確報値は、予想と速報値を上回るも前月からは大幅なダウンで過去最大の下げ幅。

EURUSDは、注目のEU首脳は23日に約5000億ユーロの支援策を承認、1兆ユーロ規模の緊急基金を設立するも、助成金なのか貸付金なのか意見が対立し結論を出せず、欧州委員会に5月6日までに詳細を詰めた案を提示するよう指示。前日は1.0720台まで値を下げていたが。今日は、3月25日から続く1.0700の大台をボトムとした動きを意識したのか、EU首脳会議は織り込みずみなのか失望感は見られず。ECB内部からは財政リスクを共有する枠組みの創設に向けEUが協調行動を取るよう要求も多く、4月30日に市場が期待するECB理事会で利下げや何らかの景気対策を期待してなのかEURUSDは、早朝の1.0727をボトムに終盤にかけては1.0830近くまで上昇を続けている。

GBPUSDは、1.2298~1.2377のレンジで上下変動するだけ。ジョンソン英首相は早ければ27日に職務に復帰とある。バルニエEU首席交渉官が今後の関係を巡る交渉に英国が十分に取り組んでいないと非難する中で、今年末のEU離脱の移行期間を仮に伸ばすとすれば、英国側が6月末までに要請する必要があり、残された時間は5月11日と6月1日の2度のチャンスのみ。もっとも、新型コロナウイルスの感染阻止と経済対策が最重要課題で、ブレグジット関連はやや影が薄れているとは言え、重要な材料となりえる。

USDJPYは、アジア・欧州市場の107.70台を高値に米国市場では107.30台をボトムに下げ止まり、終了間際に107.50台までの反発も見られたが、JPY高水準で終了。あいかわらずJPYの先行きで意見は分かれるもJPY高支持者が多数。

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15:00    GBP 3月 小売売上高=前月比-5.1%(予想-4.9% 前回-0.3%)、前年比-5.8%(予想-5.0% 前回0.0%)、除く自動車前月比-3.7%(予想-4.0% 前回-0.5%)、除く自動車前月比-4.1%(予想-4.7% 前回0.5→0.4%)→1996年の統計開始以来で最大の落ち込み

17:00    GER 4月 IFO業況(総合)指数=74.3(予想80.0 前回86.1→85.9)、現況指数=79.5(予想81.0 前回93.0→92.9)、期待指数=69.4(予想75.0 前回79.7→79.5)→ 過去最低で過去最大の低下へ

21:30    USD 3月 耐久財受注=前月比-14.4%(予想-12.0 前回1.2→1.1%)、除く輸送機器前月比-0.2%(予想-5.8% 前回-0.6→-0.7%)、

23:00    USD 4月 ミシガン大学消費者信頼感・確報値=71.8(予想67.9 前回71.0)、景気現況指数=74.3(予想 前回72.4) 消費者期待指数=70.1(予想 前回70.0) インフレ期待1年2.1(予想 前回2.1%)、5-10年2.5%(予想 前回2.5%)→ 予想と速報値を上回るも前月からは大幅なダウンで過去最大の下げ幅

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米連邦通信委員会(FCC)は、安全保障上のリスクがあるとして、中国電信(チャイナテレコム)など中国企業4社の事業免許取り消しを視野に弁解を行うよう命じた。

米財務省は、国家安全保障上で重要とみられる企業向けの170億ドル規模の支援策で、防衛関連などの上場企業に融資をする場合、株式の提供を求める方針

ムニューシン米財務長官は、国内の石油・天然ガス業界の支援に向け、政府によるエネルギー企業の株式買い入れを選択肢として検討。
FRBは、来週の国債購入計画を発表し、一日の購入額は週150→100億ドルペースに縮小へ。

独政府筋は、今年のGDPが6%を超えるマイナス成長になる一方、来年はプラス5%強に回復するという見通し

イタリア中銀は、ECBの代理でイタリア国債の購入をやや増やしたもようと、市場関係者2人が明らかにした

S&Pグローバルは、イタリアの格付け「BBB」を確認したと発表した。見通しは「ネガティブ」とした。

EU首脳は23日、約5000億ユーロの支援策を承認したが、意見の対立が生じている1兆ユーロ規模の緊急基金を設立するも、資金を返済の必要がない助成金として支給するのか、あるいは返済が必要な貸付金として支給するかを巡って各国の意見が分かれたため、詳細については決断を夏まで持ち越した。2021~27年のEU予算案の下での復興基金の設立を話し合った結果、欧州委員会に対し、5月6日までに詳細を詰めた案を提示するよう指示した。

デコス・スペイン中銀総裁は、新型コロナウイルス対策で財政リスクを共有する枠組みの創設に向けEUが協調行動を取るよう求めた。
ECB理事会では、一部からは預金金利を現行の-0.5%か→-0.7%に引き下げるとの予想も出ている。

ブルトン欧州委員は、今年のEUの経済成長率について、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて5-10%のマイナス成長になる方向に向かっている。

BOEは、緊急流動性供給オペを5月末まで実施すると発表、条件付きタームレポファシリティー(CTRF)の下で毎週実施している1カ月物と3カ月物の資金供給オペ。

バルニエEU首席交渉官は、英EU離脱後の将来的な関係を巡る交渉について、時間的な余裕がないにもかかわらず、英国側からの歩み寄りは見られず。英国が離脱後の移行期間の期限を2020年末から延長することを排除した。移行期間は1─2年延長することが可能だが、英国側が6月末までに要請する必要がある。6月末までに予定されている残りの交渉は5月11日および6月1日から始まる1週間の2回のみ。今後の関係を巡る交渉に英国が十分に取り組んでいないと非難。

ロシア中銀、政策金利を6.0→5.5%へと0.5%の利下げを実施。ウイルス感染拡大と原油価格の急落を受け今年は最大6%のマイナス成長に陥る恐れがあると警告。景気支援に向け一段の緩和を実施する姿勢を示した。

世界銀行の高官は、基本シナリオに基づく場合、2020年の途上国の経済生産は2%縮小の見通し。縮小は1960年以来初めて。過去60年は平均4.6%超の成長を記録。3カ月にわたるウイルス感染防止措置が奏功しても、投資家や世帯の不安は解消されず、国内もしくは世界のサプライチェーンも回復しない可能性がある」とし、「こうしたシナリオ下では、世界の経済生産により大規模な打撃が及び、途上国経済はより深刻なリセッションに直面する見通しだ」

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