2020/04/12

最近のIMMポジションから(4月12日)

集計日が4月7日の7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイス、カナダドル、豪ドル、NZドル)の投機的なポジションの合計は、ネットで前週の32,770→36,847と4,077コントラクト増(合計ドル換算で約-96億ドル)で3週続けて小幅な変化にとどっています。

3月3日の発表分では通貨のショートは、ドル換算するとドル買いで約222億ドルあったことを比較する、3週間連続でネット・ポジションは低水準にあり、ポジションの変化も少ない状態となっていました。

新型コロナウイルスの感染拡大による経済的ダメージを弱めるために、主要国中銀と政府は大規模な金融緩和と経済対策を講じたことで、3月3日にドルロングが約222億ドル→3月17日にドルショート約70億ドル(上記の7通貨の合計)と大変動したことは記憶に新しいのですが、この大きな変動期は一度過ぎてしまい、次の変化を迎えるまでの収束期のような変化となっています。

また、今週の特徴は、ネット・ポジションでは円、ユーロ、ポンド、スイスのロングは変わらず、カナダドル、豪ドル、NZドルのショートにも変化はありません。また、トータル・ポジションでは増減の変化は鈍く、ユーロ、円、NZドル、スイスフランのロングが小幅に増加している反面、ポンド、カナダドル、豪ドルではショートで2極化され小幅な変化にとどまっています。

円は、3月3日にネットショート42,324コントラクトから3月10日にロングに変化してから5週目となりましたが、22,410コントラクトと増加幅は少なく、円相場の先行きが不透明で積極的にポジションを傾けられない状態と思われます。次の新たな変化待ちの状態で、為替市場でもUSDJPY相場はある程度のレンジ入り相場が続く可能性も考えられます。

ユーロは、3月17日にネットショートから3月24日にネットロングへ変化して3週目で小幅ながらロングが徐々に積みあがっています。3月3日にはネットショート114,021(ドル換算では約155億ドルのドルロング→今週は108億ドルショート)と大変化となっています。また、EURUSD相場とネット・ポジションの変化を見ると、EURUSD相場がポジションの変化を十分フォローしていないように思えます。

豪ドルは、2018年4月3日から106週続くネットショートポジションに変化は見られず、過去2週間でも小幅ながらショートが拡大しています。一方、ポジションの変化とAUDUSD相場の変化は今週に調整されていますが逆相関にあり、これからの大きな変化を期待したくなります。

この数字はリアルタイムのデータとは異なり、集計日の7日から既に多くの時間がたっていますが、市場全体のセンチメント(ポジション)を考える上では、十分役立つデータと思います。

詳しいデータは別表をご覧ください

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