2020/12/13

今週の為替相場を考える(12/14~18日)

 今週の為替相場を考える(12/14~18日)


USDJPYが、大枠103.70~104.70のレンジを抜け出せず、クロスでJPY安が進み、AUDUSD、NZDUSD、USDCADの資源関連通貨のみならず、EURUSD、USDCHFでもドル売りが強まり、英国の合意なきEU離脱のリスクを意識して強さが見られないGBPを除き、ドル安がどこまで進むのかが今週のテーマとなっている。


トレンドが大きく変化する材料の一つはなんといっても米国の金融政策の転換で、FOMCを契機にして株、債券、為替相場が変化することは過去を見ても間違いないことである。この今年最後のFOMCが16日に控えている(BOEのMPCも17日)。米国は近々のワクチン接種開始期待による事態の改善期待は強いものの、最近のコロナ感染の急拡大を考えれば、クリスマス・年末年始の相場安定は重要で、金融政策の据え置きとなっても、ハト派発言を翻すことは考えにくいのでは? その結果、今までのドル売りの流れが継続する可能性が高いと考える。


今年は、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停滞で、成長は大幅に落ち込んだものの、夏場過ぎからやや回復傾向にあったが、直近の11月から回復力が弱まっており、政府の財政出動や中銀が目指す緩和的な金融政策は全く変わっていない。


EURUSDの過去3週間の週終値の相関関係を見ると、ダウと米10年債利回りや、WTIやGOLDとも連動性が高く、USDCHFとUSDCADとは強い逆相関関係にあり、言い換えれば相場を代表している動きで、株高・金利高・WTI高・GOLD高=EUR高となっている。


USDJPYはGBPJPYとGBPUSDと1.0の相関係数にありパラレルに動き、日本株や独、英10年債とも非常に高い係数にある。イメージとして円クロスはEURJPYの動きと比例していると考えやすいが、最近のUSDJPYはGBPの影響を強く受けていることになる。そういう意味では、13日(日)の英EU通商協議の結果の影響を強く受けることになりそう。


直近のIMMポジションを見ると、大幅な調整が済んだのかユーロのロングが急増しており、英EU離脱協議が決裂する可能性が高い中で(または、何らかの合意を期待しているかは不明?)、取引量の少ないAUDUSDやNZDUSD高とは異なりドル売りをリードしている。


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USDJPY

11月中旬以降、大枠で103.60~104.75の115ポイントのレンジ相場が続き、12月の変動期待を考えれば、そろそろしびれを切らしていると思えるのだが。時間足では90、200の104.20近辺が上値のポイントで抑えられている。中期的には日足90日MA105.16が大きなポイントで、この水準を上抜けするまでは円高相場の期待は変わらず。長期の月足では200カ月MA103.89にあり、2016年10月以降では、瞬間的にこの水準を割り込んだのは、2018年3月、2020年3月、そして、先月11月の3回だけで短期間で反発しており、引き続き重要なポイントとなっていることは間違いなさそう。ちなみに先週末終値は103.94円(200カ月MA=103.89)に近い水準となっている。プライスアクションから103円台割れでは大口の買いが待ち構えていると思われるが・・・・・・。


EURUSD

ブレグジット問題があるので、決め打ちできないが、それを織り込んでEUR高となっていることも間違いなさそう。市場参加者のセンチメントは目先のEUR高に対して、その後、大きな下げの調整が入ることを示唆するコメントが多い。しかし、9月の高値1.2011を上抜け1.22を狙う相場の中で、多きい調整が仮にあるとしても先に1.2500の大台を試す動きを期待したくなる。ただし、ただし、問題はECBがどこまでEUR高を容認してくれるのか? 上昇局面では口先介入の可能性も否定できず。


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