2020/12/11

2020年12月11日(金)昨日10日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

 2020年12月11日(金)昨日10日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)


ECBは期待通り追加緩和を実施、英EU通商協議は結論を先延ばし、米追加経済対策は合意に向け前進、米雇用の悪化にも米株の下げは限定的、中国の対米制裁を意識しているのか不明ながら米債利回りは軟化。為替相場はGBPを除きドル売り止まらず、AUDの上昇が目立つ。


為替相場は、GBPUSDを除きドル売りでUSDJPYはクロスでJPY売りが目立ち一時JPY売りへと動くもレンジを抜け出せず。英国の合意なきEU離脱のリスクに主要通貨に対してGBPは下落。一方、資源とリスク選好のAUD+NZD+CADは強く、ECB理事会の追加緩和策と成長鈍化予想をも織り込みEURは上昇。結果、EURGBPの上昇と、AUDJPY、NZDJPYの上昇率は大い。


USDJPYは、アジア・欧州市場で104.58まで上昇し高値圏で推移。米新規失業保険申請件数の予想外の悪化にドル売りが強まる中で、クロスではJPY売りが進むもドル売りへと変化し104.20台へ下落。米国市場の終盤では104.10台まで値を下げている。


EURUSDはEURGBPが続伸する中で5日ぶりに上昇へ。1.2080近辺からECB理事会では市場の予想通りPEPPの拡大と延長、TLTROの期間も延長などを決定したことを受け、EUR買いへと変化し1.2130台へ上昇。スタッフ予想で成長率の下方修正があり一時売りが強まるも、米株の軟化もあり零時のフィキシングには1.2159まで上昇。1.2110台をボトムに底堅い動きとなっている。


米株は予想外に大幅増加した米新規失業保険申請件数に下落からスタートするも小幅安にとどまり、Nasdaqはプラス圏で推移。米10年債利回りは0.91%(-0.032)と米国市場で下げ幅が強まっている。原油価格は46.91ドル(+1.38ドル)と上昇へ。


英EU通商交渉では、相変わらず合意に至らず、ジョンソン首相は合意できない可能性を示唆しているが、13日は重要で決着がつく可能性が高く、さらに交渉を延長する可能性も指摘されている。賭け市場では合意の可能性を引き下げてはいるが、JPモルガンやシティは合意の可能性は低下しているが、引き続き成立する可能性がより高いとの報道もある。引き続きGBP相場は上下変動するリスクが高くなっている。


米追加経済対策は、こちらも相変わらず合意に至らず交渉を継続中ながら、ムニューシン米財務長官と民主党のペロシ下院議長は「大きな進展がみっれている」とあり、9160億ドルで決着することを期待したいが? これだけこじれると結果が出ても一時的な反応にとどまりどこまで市場が好感するかは疑問?


ECB理事会は、政策金利のリファイナンスオペ金利0.0%、上限金利0.25%、下限金利-0.5%の据え置きを、PEPPを1.35兆ユーロから0.5兆ユーロ増額し1.85兆ユーロに決定、期間2022年3月まで9か月延長。償還を迎えた緊急購入債券の再投資を2023年末まで1年延長し、TLTROの期間も1年間延長し2022年6月までとした。期間3年のオペを追加的に3回実施し、このうち少なくとも1回を21年12月に実施するとした。今年春に導入した担保条件の緩和も22年6月まで延長する。


ECBスタッフ予想は、2021年のユーロ圏の経済成長率を前回5.0→3.9%へ下方修正。インフレ率については21年が1.0%と変わらず。


米議員や非営利団体の職員とその家族を含む米国人に制裁を科す、香港を巡る米トランプ政権の措置に対抗する。