2020/12/13

 直近のIMMデータから見えること(12月8日発表分)


集計日が12月8日(火)のCFTCのIMM通貨先物のポジションから、円、ユーロ、ポンド、スイス、カナダドル、豪ドル、NZドルの7通貨のネットポジションの合計は、前週の171,164→200,433コントラクトと、ロングが3週連続で拡大し、ドル安を意識したポジション続いています。


特徴としては、ユーロが8月25日以降、ネットロングが減少していましたが直近は3週連続で上昇し今回はロングが大幅に拡大しています。ポンドは9月29日にロングからショートへと変化し10週間を経て、ブレグジット交渉で終盤ギリギリの今回は再びロングへ転換しています。


その結果、ネットロングのポジションは、円、ユーロ、ポンド、スイス、NZドルの計5通貨となり、カナダドルと豪ドルはショートから抜け出せず、カナダドルは今年の3月10日から40週連続で、豪ドルは11月3日から6週連続でショートが続いており、弱さを脱しきれないでいます。


円は、ネットポジションの合計が+48,166コントラクトで、前週比では+663コントラクトと微増にとどまっています。ただ、過去7週間に限定するとトータルで+33,983とロングが大幅に拡大し、円先高期待が選好して現在に至っていることがわかります。また、今年の3月10日にネットポジションはショートからロングへと変化し、その流れが40週間続いています


今回の円のネットポジションは、前週に続き今回のステージでロングが最大となっていますが、過去を振り返っても差は大きいのですが2016年10月4日の68,695コントラクトに次ぐ大きな数字で、円の先高期待をもちながらも、直近の2週間は慎重になっていることがわかります。


ユーロは、前週比で+16,535コントラクトとロングが大幅に拡大し、その前の2週間も微増ですが増加しており、再びユーロ先高期待を強めています。ネットポジションは+156,429と相変わらず他を圧倒するロングポジションですが、8月25日のピーク+211,752からは減少しており、ロングが増加するのりしろがあるともいえるでしょう。


ポンドですが、ブレグジット期限のギリギリで英EUは通商協議に行き詰まり感を強めながらも、ネットポジションは+5,710コントラクトのロングで11週間ぶりに転換しています。これは交渉の合意を期待したものと思われますが、どちらに動いてもいいようにニュートラルにしているだけに思われてなりません。


豪ドルは、ネットポジションは-10,107コントラクトで前週比では+693と微増にとどまっています。ネットショートポジションは今年11月3日からで6週連続となっていますが、この水準は今年2~5月ごろの4~5万コントラクトのショートと比べれば少なく、豪ドルの先安観を強く意識しているとは思えません。


データは別表をご覧ください。


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