2020/12/06

今週の為替相場を考える(12/7~11日)

 今週の為替相場を考える(12/7~11日)


これが12月相場と言えばそれまでだが、調整もなくドル安進行に反省(USDJPYは除く)。取り巻く材料から、英EUブレグジット交渉、コロナワクチン接種の動き、米追加経済対策の動き、ECB理事会と、サプライズの可能性は低いと思われるが、12月の相場変動の時期でもあり変化を予想。


先週はコロナワクチン接種が直前に迫り、株価続伸+債券利回り上昇の中で、ドルサポート材料になるどころか、予想外にドル売りが加速し、USDJPYを除き、主要通貨は高値を更新しドル売りが進んでおり、ドルインデックスはEURの割合が多いこともあるが、2018年4月の水準まで低下し、今年3月のピークから約12%もドル安が進んでいる。


過去3週間の相関関係を見ると、USDJPYが米10年債と強い相関関係がある反面、日米株価とは連動性が全く見られない。一方、EURUSDは金利よりも株価やWTI、金価格との連動性が濃く、AUDUSDは資源価格と金利の連動性が濃く出ており、それぞれ特徴が出ている。つまり、USDJPYは米金利を見ればいいし、EURUSDは株と資源価格を注視する必要がある。


最も、今週はEU予算案の承認遅れは気になるがECB理事会がありPEPPの拡大・延長が予想され、相場はすでに織り込む済み。金利は変更するとは思えないが、ラガルド総裁のハト派発言だけは注意。


IMM通貨先物の円、ユーロ、ポンド、スイス、豪ドル、NZドル、CADドルの7通貨のポジションは約17.1万コントラクトで、2週連続で増加しているが、9月22日の直近のピーク24.16万コントラクトから減少しており、水準的にはポジション調整による急変の脅威があるとは思われない。


ユーロは、2018年5月1日にEURUSDの終値が1.2近辺で、ポジションは約12万コントラクトとなっていた。直近発表の1日時点では約14万コントラクトで1.20前後であったことを考えれば、ポジションはやや膨らんではいるが、8月25日の21万コントラクトからはそれなりに調整が入り、一巡していると考えてもいいのでは! 円は緩やかに円ロングが増加しており、市場センチメントは年末に向け円高期待が強くロングへ傾きつつある。


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USDJPY

104.20~30(90、200時間MA)、105.20(90日MA)が上値の大きなポイントで、米10年債利回り1.0%の攻防とクロス円の動きを注目。


将来的な円高期待は変わらないと思われるも、過去2週間は大枠103.70~104.70の100ポイントのレンジで、ブル派でもベア派でもポジションを維持していれば儲からない状況となっている。そのさらに2週間前までさかのぼれば大枠103.10~105.70の260ポイントのレンジで、ファイザーのコロナワクチンの有効性が発表された水準を、下回ることができずにいる。その間、4週間の終値ベースでの変化を見るとクロスではEURJPYが2.85%、GBPJPY2.97%、AUDJPY3.09%、NZDJPY4.69%と円は全面安となっている。


この円クロスでの変化が始まらない限り、USDJPYが単体で大幅な円高へと動くことは難しいと考えている。その円クロスでは、高値を更新し続けているわけではなく、EURJPYは8月の高値127円、GBPJPY117.50~00、AUDJPY78.50、そして、NZDUSDは先週の高値74.00が大きなポイントとなっている。



EURUSD

直近では1.1900をボトムに、1.16~1.20の大きなレンジを上抜けし、に米国のドルに代わりEUR高のトレンドを継続と考えている。波乱要因としては英EU通商協議の何らかの合意で、仮にそうなるとEURGBPは0.910の達成前に上げ渋っていることもあり、売り変化してEURUSDの上値が重くなるリスクも。そうなれば0.8980ぐらいの調整の可能性を考えたいが、先週も上昇を意識しながらも押し目買いを決め込み、押し目のない相場だっただけにどうしたものか考えている。