2017/11/03

2017年11月3日(金曜)昨日2日、海外市場の動き

2017年11月3日(金曜)昨日2日、海外市場の動き

英国の利上げもポンド急落、米税制改革案とパウエル次期FRB議長決定にもドル高へ動かず。全てが織り込み済み? 次の課題は今日3日の米雇用統計。

欧州市場は、BOEの10年ぶりの利上げにも、英国債利回りは低下し(10年債Hi1.367→Low1.249%)GBP売りが加速し、GBPUSDは直後高値1.3270→1.3043まで急落。

米下院共和党は法人税率20%へ引き下げなど税制改革法案の詳細を発表、実現すれば1980年来最大級の税制改革。FRB次期議長に前日に報道された通りパウエルFRB理事が決定。パウエルFRB理事は「物価安定と最大雇用というFRBの目標を遂行すると約束」。結果は、米株の伸びは鈍く債券利回りは低下し、ドルの動きは予想外に緩慢。

GBPUSDは前日比-1.4%、GBPJPYも-1.49%下落。GBPUSDは1.3210台で迎えたBOEの金融政策委員会。政策委員の利上げ支持予想6対3に対して7対2と利上げ支持者が多く、インフレ見通しも強く、1.3270まで上昇するも、BOEの0.25%利上げは完全に織り済みで、「市場の織り込み以上に利上げする必要」との文言が削除され、「2020年までに2回の利上げが必要」と、期待より緩やかなペースでの利上げを強調したこともあり、英国債利回りは低下しポンド売りが加速、GBPUSD1.3043まで続落。GBPJPYも直後高値151.53→148.67まで急落。

USDJPYは脇役で前日比-0.08%と終わってみれば前日と大きな変化は見られず。アジア・欧州市場では113.70~114.20のレンジで推移、特に欧州市場に入ると海外勢の円売りが目立った。BOEの発表を受けたGBPJPYの急落の影響も強く113.54まで下落するも、海外勢の円先安感は強く、米下院共和党は米税制改革案の詳細を発表し114.17と急落前に水準までほぼ全戻し。次期FRB議長にパウエルFRB理事が正式に発表される中で、114.00円近辺での動きが続く。

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〇原油価格(WTI)は一時54.84ドルまで上昇し、54.74+0.44(+0.81%)
〇米株は上昇、ダウ+81.25(+0.35%)、S&P500+0.49(+0.02%)、Nasdaq-1.59(-0.02%)、
〇米債利回りは低下、前日2.372→2.345%、2年債も1.612→1.608%へ。

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BOE=政策金利を0.25→0.5%へ10年ぶりに引き上げ、今後は非常に穏やかな追加利上げが必要と表明。利上げは7対2で決定、カンリフ副総裁とラムスデン副総裁は据え置きを主張。

BOE声明=インフレ水準が持続的な形で目標に戻るためには、金融政策スタンスを緩やかに引き締めることが妥当と判断。今後は緩やかなペースで限定的に行うことで、メンバー全員が一致。

カーニーBOE総裁と声明=1.2019年の遅い時期と2020年に0.25%の追加利上げを2回行うという投資家らの見方と同じで、インフレを目標水準に戻すため、2回の追加利上げが実際に必要。2.インフレが3年間、中銀目標の2%を超え続けるとの見通しを示した。

カーニーBOE総裁と声明=3.見通しを注視すればインフレが目標に近づいていくがまだ完全に到達せず、経済は過剰需要の状態となる公算が大きい。4.ポンド急落でインフレが高進して消費支出に影響し、今年の経済成長ペースは鈍い。5.賃金上昇水準もインフレ動向を下回る。BOEは英EU離脱決定で景気見通しに「顕著な影響」が表れている。6.政策金利を変更する際にEU離脱交渉が最大の要因になる公算が大きい。

インフレ報告=成長とインフレ率予測はほぼ据え置き、2018年は2.4%、2019年は2.2%とした。同期間内に政策金利が1%に達することが前提。GDP成長見通し2018年に1.6%、2019・2020年は1.7%。

米下院共和党は税制改革法案の詳細を発表=法人税率20%引き下げ、所得税を簡素化し、実現すれば1980年来最大級の税制改革。→ トランプ大統領は11/23日の感謝祭までに可決するよう議会に求めているが、民主党からは大企業や富裕層優遇との批判が上がり、連邦財政赤字拡大も懸念。

米下院共和党は税制改革法案の詳細を発表=1.法人税率35→20%へ引き下げ、2.米企業の海外子会社の収益に10%の低い課税の新制度(米国への資金還流を促)、3.米国内で事業を展開する外資に対しては、米国内から資金を海外に移転する場合、最大20%の税率を課す。4.パススルー税率を39.6→25.0%に引き下げる。5.個人税制については、所得税の税率区分を現行の7→4区分に簡素化し、納税者の所得に応じ12、25、35、39.6%とする。6.新規購入住宅のローン利子控除の適用上限となる住宅購入価格を100→50万ドルとし、現行の半分に引き下げる。

トランプ大統領次期FRB次長にパウエルFRB理事を指名。2月から就任。

パウエルFRB理事=物価安定と最大雇用というFRBの目標を遂行すると約束した。一方で、金融セクターのリスクを監視し続ける方針も示した。