2018/09/11

2018年9月11日(火曜)昨日11日、海外市場の動き

2018年9月11日(火曜)昨日11日、海外市場の動き

主役はポンドでバルニエ発言に急伸し全面高。準主役はスイスフランでポジションの巻き戻しに下落、結果論はGBPCHF+1.46%。GBPJPYも連動し+0.93%の上昇に、USDJPYも緩やかながら底値を切り上げる。

どこを見ても同じコメントで材料としはわかりやすいが、GBPUSDは欧州市場に入り、米貿易赤字額が予想を下回り、5~7月のGDPが0.6%と強く1.2955まで上昇。米国市場に入り、バルニエEU首席交渉官が、「第1段階の交渉が6~8週間で合意に達する可能性がある」との報道に、ブレグジット同意期待が高まり、GBPUSDは1.2940台→1.3050台へと5週間ぶりの高値へ急伸、GBPJPYも143.80台→145.03と9月5日の144.97に並ぶ水準へ上昇。

ただし、英保守党大会9月30日~10月3日はブレグジット案で与党議員の反対も強くメイ英首相にとって重大な問題に直面するリスクや、合意なきブレグジットとなった場合の計画について閣僚会議を13日に開く予定もありこの動きも注目したい。

EUは主にアイルランド国境問題で交渉が難航していることから、10月18~19日に予定されている定例会議には間に合わない可能性が高く、来週18日にブリュッセルで開かれる閣僚会議で臨時首脳会議の開催について協議される可能性があるとの報道もある。

EURUSDは、先週末から続くトリア・イタリア経済・財務相の財政規律を順守発言と、「2019年の予算を公表した際に債券利回りが低下するだろう」との発言を受け、イタリア株が上昇債券の買いが強まり利回りは6週間ぶりの水準に低下。EURUSDは1.1580台へ上昇後、GBPUSDの急伸の影響を受け1.1616まで上昇、1.1590~00近辺の高値水準を維持。

USDCADは、米カナダのNAFTA再交渉待ちに上下変動するも決定的な動きに至らず。アジア・欧州市場と1.3160~00のレンジから、米国市場にGBPUSDでのドル売りの影響もあり一時1.3151まで下落。米カナダNAFTA再交渉の協議を12日に再開との報道もあり1.3160台で推移中。

USDJPYは、アジア市場で発表された日本のGDP2次速報値は前年比3.0%(予想2.6%・前回1.9%)と強い結果や、貿易収支の赤字額が予想を下回るも動きは見られず。一日を通じてもGBPUSDの上昇がリードするGBPJPYの買いに111.19、米国市場では一時111.25まで上昇するも、先週末の強い米雇用統計後の高値111.25に並ぶも超えられず。ただし、引き続き111円台で推移。USDCHFが急伸する中では米中貿易問題による円高リスクも消えず、リスク回避の巻き戻しも限定的で円は蚊帳の外。

米株強弱混在、ダウ-59.47(-0.23%)、NasdaqとS&P500は小幅上昇。米10年債利回りは2.934%と若干低下気味。原油価格(WTI)は67.51と小幅下落。


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【北米】
サンダース・ホワイトハウス報道官=キム北朝鮮委員長からトランプ大統領宛に2回目の米朝首脳会談を要請する書簡があった。

ライトハイザーUSTR代表とマルムストローム欧州委員(通商担当)が会談=ライトハイザー氏は建設的な会談ができた。

共和党=中間選挙を控え下院共和党は今週、新たな減税策を公表。
ボスティック・アトランタ連銀総裁=関税の影響でインフレが上昇し始める可能性がある。貿易問題が鮮明になるまでは企業は投資を停止し将来の規律に不透明感を生じる可能性も。中立金利に達したらしばらく様子を見るべき。

NY連銀の8月消費者調査=1年先のインフレ期待が2015年6月以来、初めて3%に達し、3年先のインフレも2.88→3.0%に上昇。

米カナダNAFTA再交渉の協議を12日に再開=フリーランド外相とライトハイザーUSTR代表が協議再開へ。

【欧州】
バルニエEU首席交渉官(スロベニアでのフォーラムで)=ブレグジット交渉で双方が現実的になれば、「第1段階の交渉が6~8週間で合意に達する可能性がある」、「11月初めまでに合意する必要があり、これは可能」→ ブレグジット同意期待が高まり、この報道を受けGBPUSDは1.2940台→1.3050台へと5週間ぶりの高値へ急伸、GBPJPYも143.80台→145.03と9月5日の144.97に並ぶ水準へ上昇。

外交筋=EUは11月中旬にブレグジットの臨時首脳会議を開く可能性が高い。主にアイルランド国境問題で交渉が難航していることから、10月18~19日に予定されている定例会議には間に合わない可能性が高く、来週18日にブリュッセルで開かれる閣僚会議で臨時首脳会議の開催について協議される可能性がある

英首相報道官=合意なきブレグジットとなった場合の計画について閣僚会議を13日に開く予定

英保守党大会9月30日~10月3日に開催。10月の実質的期限となるブレグジット交渉を前にして保守党の意見が一本化できるかが焦点。

ベーカー元EU離脱担当副大臣=メイ英首相が7月に首相の別荘(チェッカーズ)でまとめたブレグジット案に対し、80人以上の与党議員が反対で、メイ首相がごり押しするなら与党が破壊的な分裂局面になる。英保守党大会9月30日~10月3日はメイ英首相にとって重大な問題に直面する。チェッカーズ案よりも、今年3月にEUのトゥスク大統領によってすでに検討された条件に基づくFTAを求めるべき。

エルドアン・トルコ大統領=9月23~27日に国連会議に出席のため訪米。

アルバイラク・トルコ財務相=トルコ経済の均衡が始まっている。先行指数は第3四半期の減速を示唆。

英国立経済研究所(NIESR)=第3四半期GDP0.6%と予想、2016年第4四半期以来の高い伸び率。