2018/09/23

今週の為替相場を考える(9月24~28日)

今週の為替相場を考える(9月24~28日)

先週一週間の印象は、米金利の上昇と(にも関わらず)、株価の上昇。そして、為替相場は新興国通貨の反発と、円安とドル安の動きであることは間違いないが、ドル売りと円売り相場の一翼を担っていたポンド相場の急落の影響が気になっている。

米中制裁関税・報復関税のかけ合いにも税率は控え気味が好感した動きも、週末に中国は今週予定の米中貿易協議を取りやめ中間選挙前に再開する可能性が薄らいでおり、楽観論だけが選好するリスクも気になる。

EU非公式首脳会談で、事前の楽観的なコメント期待に反してハードブレグジットのリスクの高まりポンドは急落。GBPUSDは先週1週間の上げ幅を一日で帳消しにしてしまった。結果として、他の主要通貨でもドル安を更新できずドル売りの達成感も意識せざるを得ない動きとなっている。

GBPUSDは、予想外に健在な英国経済と強さが目立つCPI、ソフトブレグジット期待に長期的なポンド買も見られたが、EU非公式首脳会議後の失望感で1.3300の上値はひとまず遠くなっている。今週からスタートする英労働党大会と保守党大会は波乱要因で重要。それ以外でも、10月18日のEU理事会を経て11月中旬のEU首脳会議の期待に続伸することができるのか? ポンド相場の先行きで意見が分かれるところでもある。

USDJPYは、3連休と9月四半期決済の最終週を前にしたポジション調整や、円ショートポジションの巻き戻しも意識。直接的にはGBPJPYの下落がリードする円の買い戻しが続くのか? 112.80台を高値に上値は重くなっているが、前日比では上昇傾向を続けている。今週は日米通商協議(24日)と日米首脳会談(26日)の重大イベントを控えて結果待ちでそれまでは積極的に動きにくい。円安水準の目安としては、7月17日の終値112.87(高値112.92)、7月18日の終値112.84(高値113.14)、7月19日の終値112.46(高値113.17)を意識せざるを得ない。余談ながら円クロスではGBPJPYの急落が影響したのか、ローソク足の日足では対主要通貨に対して円安を達成したかのような転換サインが見られるのが気になる。


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USDJPY (予想レンジ111.80~113.20)

日米貿易問題がどのように変化するか? 発言で上下変動するリスクも意識。長期的は107~103.50の持ち合い状況を継続。中期的はドル買いを維持し113.18の再トライへ。短期的は押し目買の流れは変わらず。


EURUSD (予想レンジ 1.1625~1.1850)

イタリア財政問題も落ち着きブレグジット交渉によるGBPUSDの影響を強く受けるリスクも意識。長期的は1.1300~1.1850のレンジの継続から反発の動きへ。中期的は1.1500~11800のレンジで売り圧力が続き、短期的は上昇傾向が続き1.1650~1.1800のレンジから上値をためす動きへ。


AUDUSD (予想レンジ 0.7220~0.7300→続伸へ)

米中通商問題の影響と新興国通貨の影響を受けながら、先週は共に最悪を脱したとの判断で上昇するも、GBPUSDの反落の影響に上値も限定的で、今週もポンド相場の影響次第。長期的・中期的な売りサインは変わらず、ただし、0.7185超を維持することができれば変化も。短期は0.7250~0.7300のレンジから上値が重くなっている。


USDCAD (予想レンジ 1.2850~1.3000で、NAFT交渉の動き次第)

NAFTA再交渉の結論がでず、タイムリミットが近づいていることが懸念材料。長期的には1.22~1.3400のレンジ。中期的は1.2800~1.3380のレンジで底固め中。短期的には1.28800~1.2980のレンジで上値を試す動きへ。

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