2018/09/08

2018年9月8日(土曜)昨日7日、海外市場の動き

2018年9月8日(土曜)昨日7日、海外市場の動き


週末金曜日。強い米雇用統計に相場が変動し、トランプ大統領のさらなる対中追加関税措置の警告(脅し?)に米株、米債、為替市場が揺れる。それ以外にもブレグジットの動き、米加NAFTA再交渉の動き、弱いカナダの雇用統計。そして、日本との貿易問題の警告(脅し?)もさらに加わる。

米雇用統計では、非農業部門雇用者数は20.1万人と予想を上回り、平均時給の前年比2.9%は2009年6月以来の高水準とダブルパンチ。9月の利上げ期待度が上昇し年内2度の利上げ確率も高まり、ドル全面高、米株下落し、米金利は上昇へ。

トランプ大統領は、中国側の動き次第で、2000億ドルの対中制裁関税が近く発動される可能性がある。その後追加で私が望めば2670億ドルの追加関税を直ぐに発動する用意がある。→ 中国からの輸入ほぼすべてに関税を課すことになり、この報道を受けCHYは下落し米株は下落し、リスク回避に一時円高へ。(米10年債利回りは上昇)

USDJPYは上昇中の米国市場でこの報道を受け111.20台→110.70台へ急落し一時円買いが強まるが、米年内2度の利上げ期待と米株が下げ幅を縮小したこともあり111.10台を一時回復し111.04で終了。ただし、トランプ大統領(大統領専用機エアフォース・ワンで記者団に)「実は日本側から接触があり、先週やって来た」、「日本と貿易交渉を始めた」、「仮に物別れに終われば、日本側が一大事になることを認識している」とも、あり今後の円相場への影響が気になる!

英議会が公表した9月3日の議事録では、バルニエEU首席交渉官がアイルランド国境問題で英国と協議したいと述べていたことが明らかとなった。「他のバックストップを協議することにオープンである」、EUには、英国とアイルランドの国境での審査を「簡素化する用意」があるとした。この報道を受け、GBPUSDは欧州市場で1.2920台→一時1.3028まで急伸。 ただし、「合意に達しなければ、それ以上、協議も交渉もない。それで終わりで、それぞれ独自の非常措置をとることになる」ともあり、強い米雇用統計にドル全面高となり米金利の上昇に、逆に1.2908まで続落し1.2913で終了。

米カナダのNAFTA再交渉は乳製品、メディア企業の保護、紛争解決プログラムの3つの問題で7日にも合意に至らず話し合いは月末まで続く可能性も。そして、強い米雇用統計に反して、弱いカナダ雇用統計は失業率が6.0%に上昇し、雇用者は-5.16万人減少と予想外の悪化に、カナダドル急落。米雇用統計が強かったこともありUSDCADは1.3120→1.3180台まで急伸。その後カナダドル売りの流れが止まらず1.3190台へ上昇。ただし、10月のカナダ中銀利上げ予想は変わらず1.3166で終了。


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18:00    EUR 第2四半期 GDP・確報値=前期比0.4%(予想0.4% 前回0.4%)、前年比2.1%(予想2.2% 前回2.2%)→ 前年比が予想と前回を下回る

21:30    USD 8月 雇用統計: 失業率=3.9%(予想3.8% 前回3.9%)、非農業部門雇用者数=20.1万人(予想19.0万人 前回15.7→14.7万人)、労働参加率=62.7%(予想63.0% 前回62.9%)、平均時給(時間当たり賃金)=予想 前回27.05ドル、平均時給=前月比0.4%(予想0.2% 前回0.3%)、平均時給=前年比2.9%(予想2.7% 前回2.7%)、平均週間労働時間=34.5(予想34.5 前回34.5)

21:30    CAD 8月 雇用統計:失業率6.0%(予想5.9% 前回5.8%)、雇用者数=-5.16万人(予想0.5万人 前回5.41万人)、正規雇用者数=4.04万人(予想3.5 前回-2.8万人)、パートタイム雇用者数=-9.2万人(予想-3.0 前回8.2万人)、時間当たり賃金=前年比2.6%(予想 前回3.0%)、労働参加率=予想65.4% 前回65.4%

23:00    CAD Ivey購買部担当者景況感指数=61.9(予想 前回61.8)

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【北米】
カナダ関係者NAFTA再交渉に関して=カナダが米国との二国間協議での合意を楽観しているものの、話し合いは月末まで続く可能性がある。米国とカナダの二国間協議は6日も続けられたが、乳製品、メディア企業の保護、紛争解決プログラムの3つの問題で合意に至っていない。

ガドローNEC委員長=NAFTA再交渉のカナダとの2国間協議では乳製品が懸案で協議の妨げとなっている

カドローNEC委員長= 2000億ドル分の中国製品に対する追加関税を巡り、トランプ大統領は市民から寄せられた5914通の意見を精査した上で決定を下す。米国は多数の通商問題で中国と協議を続けているが今のところ中国は要求にこたえていない。

トランプ大統領=中国側の動き次第で、2000億ドルの対中制裁関税が近く発動される可能性がある。その後追加で私が望めば2670億ドルの追加関税を直ぐに発動する用意がある。

トランプ大統領(大統領専用機エアフォース・ワンで記者団)=実は日本側から接触があり、先週やって来た。日本と貿易交渉を始めたとし、仮に物別れに終われば、日本側が「一大事になることを認識している」

トランプ大統領=NYタイムズが掲載したトランプ政権高官による「政権内の抵抗勢力」を巡る匿名の論説文について、NYタイムズを調査するよう司法省に要請

メスター・クリーブランド連銀総裁=力強い雇用統計は漸進的な利上げの道筋を支援。インフレは年内までに2%で安定する。成長見通しは6月から強まっているように見える。

カプラン・ダラス連銀総裁=米利上げサイクル終了時期巡る判断は時期尚早。中立金利が上昇していることに疑いを持っている。米金利は2.5─2.75%付近まで上昇した後は、景気浮揚効果はなくなる。中立金利が上昇していることに疑いを持っている。現在は財政刺激策の絶頂下にいる。至る所で労働市場のひっ迫が見られる。財政的な追い風は後に財政赤字という逆風に変わる可能性も。米GDPは2020年か21年までに1.75─2%に減速すると予想。中国との問題に関しては時間がかかる可能性がある。

ローゼングレン・ボストン連銀総裁=2019年は緩やかな利上げが合理的。米国は金利が依然低く、利下げ余地が限られており、次の景気後退への備えが十分とはいえない

【欧州】
トリア・イタリア財務相=EU規則を尊重すると改めて表明。イタリア紙=トリア財務相は、イタリアの財政赤字をGDP比1.6%以下とすることを目指す

モスコビシ欧州委員=イタリアは構造的な赤字を削減しなければならない。財政赤字を抑制するのはイタリアの役目。

英議会が公表した9月3日の議事録では、バルニエEU首席交渉官がアイルランド国境問題で英国と協議したいと述べていたことが明らかとなった。「他のバックストップを協議することにオープンである」、EUには、英国とアイルランドの国境での審査を「簡素化する用意」があるとした。ただし、「合意に達しなければ、それ以上、協議も交渉もない。それで終わりで、それぞれ独自の非常措置をとることになる」

ハモンド英財務相=ブレグジットについて、非公式な期限となっている10月までにEUと離脱条件などで合意することは可能


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