2018/09/16

最新のIMMポジションから見えること




最新のIMMポジションから見えること

米商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物の公表日は毎週火曜日で、週末とは3日間のずれがあります。そのため、短期的な動きを捉えることはできませんが、市場全体の流れを判断するには十分ではないでしょうか?

主要7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイス、カナダドル、豪ドル、NZドル)の9月11日集計日では、投機的ポジションは前週からの変化は乏しいものの、ネットで大幅なショートを維持しており、「ユーロ」以外ではドルの強気センチメントに変わりありません。

ネット合計は-233,146コントラクトと前週の-249,208から小幅ですが売り越し額が減少しています。直近では3週連続で小幅ですがショートが減少していますが、今年に入ってからの平均-27,937コントラクトであることを考えると、最近の米金利の上昇もあり強いドル高思考に変化はないと考えます。


【円】前週-51,932→-53,886(-1,954)
3月27日の週に70週続いた円のネット・ショートポジションが終わってからの円相場は、ポジションを見ると強弱が混在していましたが、直近は2週連続ショートが拡大し、6月19日以来13週連続でネットのショートが続き円の先安感が続いています。

【ユーロ】前週7,963→11,170(3,207)
唯一ネット・ロングを維持。67週間続いたユーロ・ロングが8月14日の週に終了し、本格的なユーロ売りに入ったと思われましたが、それも3週間で終わり過去2週は逆にロングへと変化しており現時点では唯一ドルに対して強気な優等生。

【ポンド】前週-69,613→-61,179(8,434)
ブレグジット期日を来年3月に控えたリスクヘッジに6月19日から13週連続でネット・ショートが続いています。ただ、英国とEUの交渉の変化もあり、過去2週間は前日比で小幅ながらロングが増加しており今後のブレグジット交渉次第ですが、注意が必要な通貨と考えます。

【カナダドル】前週-26,307→-26,942(-635)
3月27日以来25週連続でショートが続き、直近でもNAFTA再交渉の合意が見られず2週連続で小幅ながらショートが拡大しています。ただ、原油価格も上昇し全体のショートの金額は少なく極端に弱気とも言いにくい状況で、NAFTA再交渉次第で変化の期待を持てそうです。

【豪ドル】前週-44,031→-44,312(-281)
4月3日以来、24週連続でショートが続き、前週も小幅ながらショートが拡大しています。米中貿易戦争の行方と米国との金利差が大きなカギを握っていることは間違いなく、このネガティブ材料が解消できるかがポイントになりそうです。


詳細はデータをご覧ください

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