2018/09/01

2018年9月1日(土曜)昨日8月31日、海外市場の動き

2018年9月1日(土曜)昨日8月31日、海外市場の動き

トランプ節と通商交渉で相場が不安定! 結果的にドル全面高、円はクロスで全面高、新興国通貨は落ち着きを取り戻す。

トランプ大統領節多発。「WTOから脱退の可能性」、「中国の為替操作を批判し為替操作国と認定するか検討」。そして、EUの自動車関税の撤廃提案を拒否 → ユンケル欧州委員長は米国が欧州の自動車の税率を引き上げればEUも同じことをすると発言しており、今後の動きが気になる。 

米カナダ2国間のNAFTA再交渉は合意できず決裂(ただし、9月5日に再開)。英EU離脱交渉はアイルランド問題でまだ溝は埋まらず(ただし、10月18日のEU首脳会議までに合意を目指す)。フィッチはイタリア格付けを引き下げ、イタリア政府高官は「EUの財政規律を順守できない可能性」を指摘。

新興国通貨はドル売りへと動き安定へ。IMFの強力な支持表明にUSDARSは前日の高値41.469→一時35.969まで下落し36.799(-3.06%)と下落し、USDTRY6.5377(-1.6%)、TRYJPY16.834(+1.21%)、USDZAR14.67355(-0.27%)、ZARJPY7.55(+0.15%)と総じて安定へ。

米株は米通商問題のリスクが残り一時の下落から回復するも上昇力は鈍く、ダウ-22.10(-0.09%)、Nasdaq+21.17(+0.26%)、S&P500 +0.39(+0.01%)、米10年債利回りは2.86%(+0.004)と一時2.865%まで上昇。原油価格は69.91(-0.34%)と一時70.36まで上昇する70ドル台を維持できず。

USDJPYは脇役で、主要国通貨でドル全面高ながら全体的にリスク回避の流れが続く。アジア・欧州市場序盤の110.69を安値に、米カナダNAFTA再交渉の決裂(のちに9月5日に再開との発表あり)、ブレグジット交渉で合意できず、米EU自動車協議の不安などのリスクを抱えながらも、米株がマイナスから値を戻し徐々に回復し米金利の上昇に、円ロングの巻き戻しが強まる。AUDJPY-0.95%を筆頭にクロスでは円高傾向を残しながらも、111.10台まで上昇し111.047で終了へ。

AUDUSDは主要通貨で下落幅NO.1の前日比-1.01%。米国は、中国への2000億ドルの追加関税措置の動きや、中国の為替操縦国との認定の駆け引きも気になる。来週の豪中銀の金融政策で据え置きを織り込みながら28日の0.7362の高値からの3日連続で下落は止まらず。特に8月24日の安値0.7238を割り込むと売りが加速し、米国市場では一時0.71758まで下落し0.71894で終了。

EURUSDとGBPUSDも共にアジア・欧州市場序盤を棚家に米国市場に入り、ロンドン勢が取引を終えるまでは売りの流れは止まらず。EURUSDはイタリアの財政問題と格付け問題(のちにフィッチは格下げを実施)、米EUの自動車関税問題の対立にEUR売りが続き。ブレグジット交渉の過大な期待と失望感(希望は変わらず)にEUR売りGBP売りが続いている。

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18:00    EUR 8月 消費者物価指数(HICP)速報値=前年比2.0%(予想2.1% 前回2.1%)、コア前年比1.0%(予想1.1% 前回1.1%)→ 予想と前回を下回る

18:00    EUR 7月 失業率=8.2%(予想8.2% 前回8.3%)

21:30    CAD 7月 鉱工業生産価格=前月比-0.2%(予想-0.4% 前回0.5→0.7%)、原材料価格=前月比0.7%(予想0.0% 前回0.5→0.6%)→ 予想を上回る

22:45    USD 8月 シカゴ購買部協会景気指数=63.6(予想63.0 前回65.5)→ 前回より低下するも予想を上回る

23:00    USD 8月 ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値=96.2(予想95.5 前回95.3)→ 予想と前回を上回るも、8月は7か月ぶりの低水準へ。

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トランプ大統領(ブルームバーグ・ニュース)=WTOが襟を正さなければ米国は脱退するだろう

トランプ大統領(ブルームバーグ・ニュース)=中国は通貨切り上げで補おうとしていると為替操作を批判。

トランプ大統領(ブルームバーグ・ニュース)=欧州はEUが提示した自動車関税の撤廃は十分でない、欧州の貿易慣行は中国よりも小ぶりだが同じように悪いと批判

トランプ大統領=中国を為替操作国と認定するか否かを検討

IMF=アルゼンチンに協力な支持を表明、債務返済プログラムの強化に注力→ 発表済みの17.5億ドルの対アルゼンチン融資について、今後1年以内に実施できるよう準備を整える方針

米カナダ2国間のNAFTA再交渉は合意できず決裂、ただし、9月5日に再開。 カナダが農産物で譲歩せず、新協定での紛争解決メカニズムの独立維持を求めて許らず、31日に合意に至らず、トランプ大統領は、「カナダが貿易で米国を利用してきた」と批判、カナダ紙報道では「オフレコで新協定は完全に米国側の条件」と主張して譲らず=ライトハイザーUSTR代表はNAFTA協議9月5日に再開、トランプ大統領はNAFTA改革提案を11月下旬までに引き続き署名する意向を議会に通知の見込み。

トランプ大統領=議会に対し、米国とメキシコとの合意について、90日以内の署名を目指す

トランプ大統領=EUの自動車関税を撤廃するとの提案を拒否→ ユンケル欧州委員長は米国が欧州の自動車の税率を引き上げればEUも同じことをすると発言しており、今後の動きが気になる

トランプ大統領=カナダとの通商交渉で少なくとも私のスタンスを理解している→ カナダ紙=ブルームバーグに対しオフレコで、カナダとの貿易協定は「完全に米国側の条件」に沿って決まると述べたと報じており、この報道を確認するコメントとなった。

レーン・フィンランド中銀総裁=米国による貿易戦争のエスカレートは残念。ECBはユーロを操作していない。貿易戦争の影響で人民元は弱い。

ユンケル欧州委員長=米国が欧州の自動車の税率を引き上げればEUも同じことをする

ノボトニー・オーストリア中銀総裁=イタリア経済の停滞を理由に利上げを遅らせるべきではない

イタリア国内各紙=イタリア連立政権の一角を担う反エスタブリッシュメント政党「五つ星運動」は来年の財政赤字について、前政権の目標の3倍で、トリア経済・財務相の方針の2倍近くとなる水準を要求している

ラーブ英EU離脱担当相=アイルランド国境問題について「現実的な解を詰めている」と説明。「多少ずれ込むかもしれないが、基本的には10月に合意する方向だ」

英EU離脱交渉アイルランド問題でまだ溝は埋まらず。 英国のラーブEU離脱担当相とEUのバルニエ首席交渉官が31日に会談=バルニエ交渉官は、ブリュッセルで10月18日のEU首脳会議までに合意に達する可能性がある

イタリア債利回り上昇=格付け見直しを取引終了後に控え(フィッチ=イタリア格付け見通しを「ネガティブ」に引き下げた)。イタリア政府高官が必要に迫られればEUの財政規律を順守できない可能性がある。

デギンドスECB副総裁(就任後初の会見)=ユーロ圏経済について、今年に入り不安定となる局面も見られたものの、引き続き拡大が見込まれるほか、基調インフレは夏の終わりにかけて持ち直す

中国外務省=貿易に関して中国に圧力をかけても効果はない

日米首脳会談9月25日で最終調整

豪中銀総裁=高い債務が将来の政策決定を困難にする可能性。金融安定の主要リスクは信用度

イラン外務省のカセミ報道官=2015年のイラン核合意について再交渉する必要はないと、国際的な核合意に関する再交渉を求めたフランスの要請を退けた

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