2018/09/20

2018年9月20日(木曜)19日の海外市場の動き(午前5時半ごろ)

2018年9月20日(木曜)19日の海外市場の動き(午前5時半ごろ)


米金利は続伸し10年債3.077%へ、米株はDJIAが+0.61%、S&P500+0.13%と上昇を維持、Nasdaqはハイテク株が弱く逆に-0.08%と小幅低下、原油価格は供給不足と在庫減に71ドル台へ続伸。為替相場は米中制裁関税による影響力の低下や中国株高にショートポジションの巻き戻しが続きAUDUSD(+0.65%)+NZDUSDの上昇が目立ち、USDCADはNAFTA再交渉を巡る報道に上下変動するも終盤には1.2900ギリギリまで続落(-0.42%)。EURUSD(+0.08%)+GBPUSDは上下変動しながらも前日比での変化は鈍く、USDJPYは112.50を超えられず小幅安(-0.05%)。新興国通貨はUSDTRY(20日の中期経済プログラムを意識)とUSDZARの売り目立ち、TRYJPY+ZARJPYは2%近くの上昇へ。

目立ったのは、AUDUSDとNZDUSDとUSDCADの下落で、長期的な反発のサインは見えず長続きするかは不明ながら、直近ではショートポジションの巻き戻しによる買い戻しが主流に思われる。いずれにしても材料では異なる面もあるが、共にコモンウェルズ通貨で同方向に動く可能性もあり、中国経済の影響や新興国通貨と共にリスク選好時に買われる傾向が高くなっている。

USDCADはハセット米CEA委員長のNAFTA再交渉をめぐり「米国はカナダなしでメキシコと協定を結ぶ用意がある」との報道に一時1.3015まで上昇するも、1.30台の上値が重くNAFT交渉の継続に続落。終盤にかけて8月28日の安値1.2887に迫る一時1.2900まで下落。テクニカルではこの水準を割り込むと続落の可能性も高まる。9月末がタイムリミットと思われあまり余裕がないのが現実で突然のニュースに相場が変化するリスクは消えず。

GBPUSDは強い英CPIにポンド買が強まるも1.3210台の上値は重く、EU非公式首脳会談が開催中で英国発+EU発のブレグジットをめぐる発言が多数に1.3098~1.3170で上下変動。結局は前日比と大きな変化は見られず。


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21:30    USD 8月 住宅着工件数=128.2万件(予想123.8万件 前回116.8→117.4万件)、前月比9.2%(予想5.7 前回-0.9→-0.3%)、住宅建築許可件数=122.9万件(予想131万件 前回131.1→130.3万件)、前月比-5.7%(予想0.5 前回1.9 →0.9%着工件数は予想を上回るも、許可件数は予想を下回る

21:30    USD 第2四半期 経常収支=-1015億ドル(予想-1034 前回-1241→1217億ドル)

23:30    USD 週間原油在庫=前週比-205.7万バレル(予想-274.1万バレル 前回-529.6万バレル)→ 予想外に減少幅は少ない

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    【北米】
ハセット米大統領経済諮問委員会委員長(CEA)=米国はカナダなしでメキシコと協定を結ぶ用意がある。カナダとの通商協商は9月末が最終期限→ CAD売りが強まり、USDCADは1.2934→1.2960台へ上昇し、その後も1.2980台へ上昇。

フリーランド・カナダ外相=19日の協議は午後に再開し継続へ

ブルームバーグ記事=米カナダのNAFTA再交渉は州内に合意できない可能性も→ USDCADは一時1.3020まで上昇後に続落

    【欧州】
ドラギECB総裁=マクロ経済的な安定に追加の財政手段が必要

ロンドン住宅価格=7月は2009年以来の大幅下落。

ツゥスクEU大統領(EU首脳会談前)=ブレグジット協議は結論を出さなければならない局面にはいった。11月中旬に新たなEU首脳会議の開催を提案。

メイ英首相(独ウェルト紙)=ブレグジット交渉で前向きな姿勢を要求。北アイルランド問題でEU側の提案で前姿勢の変化を求める。

メイ英首相(英タイムズ紙)=ブレグジット協議でアイルランド国境問題に関するEUの修正案を拒否する方針→ GBPUSD1.3099まで一時急落。EUの解決策へのコミットメントは歓迎するが、英領北アイルランドを英国本土から切り離すような提案は受け入れられない。

ストライド英財務閣外相=ブレグジットをめぐり、議会が英首相の案を否定した場合は、国民投票の再実施もあり得る。

ラーブ英離脱担当相=今がブレグジット合意に近づくときだ。進展がなければ両者が負けになる。英国はEUと合意できると信じている。EU側に妥協してもらう必要がありムードの変化がみられる。

メイ英首相=北アイルランドの分離は受け入れられない。労働党に国民投票の実施運動を止めるように要請。2回目の国民投票は受け入れない。
BRE    ユンケル欧州委員長=EUと英国は離脱協議の合意からかけ離れている→ GBPUSD1.3168→1.3126まで下落。

クルツ・オーストリア首相=11月にブレグジットのために特別なEUサミットを提案

ディマイオ・イタリア副首相=政権内での予算目標をめぐる衝突を否定。
TRY    トルコリラ上昇=20日発表予定の中期経済プログラムを意識した買いか?

    【アジア・その他】
黒田日銀総裁記者会見=政策措置の効果を評価するのはやや性急だ。2019年度の2%達成見通しは先送り。現在の強力な金融緩和を粘り強く続けていくことが不可欠。安倍晋三首相が「今後3年のうちに金融緩和の出口に道筋をつける」とした発言に対して、「日銀として2%目標の実現に全力を尽くす」、「物価2%を達成しても異次元緩和を付けることはない」。

黒田日銀総裁記者会見=景気は穏やかに拡大。自然災害の経済への影響は一時的。通商問題などのリスク要因がメインシナリオを変える状況ではない。

李中国首相(夏季ダボス経済フォーラム)=人民元は適切な水準で維持する。輸出を促進するために通貨を切り下げることはない。競争的な通貨の切り下げは行わない。中国経済は安定的な成長を維持しファンダメンタルズは健全。→ 人民元相場を支える姿勢にAUDUSD買いが強まる

李中国首相(夏季ダボス経済フォーラム)=中国にとって安定的な成長を維持する難しさが増しているが、大規模な刺激策を講じることは控える。

南北首脳会談=北朝鮮側は非核化を巡り、米国による信頼構築のための措置を条件に寧辺(ニョンビョン)の核施設を廃棄する用意があると表明。ミサイルエンジン試験場の廃止を改めて宣言した。金正恩氏は記者会見で、近くソウルを訪問する意向


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