2018/09/29

最新のIMMポジションから見えること

最新のIMMポジションから見えること

円の一人負け! 

主要7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイス、カナダドル、豪ドル、NZドル)の9月25日集計日では、投機的ポジションは前週比でみると-289,888→-287,612と僅か2,276コントラクトの減少でほぼ変わらずと考えてもいいでしょう。

個々を見るとユーロは唯一ロングで変わらず、円のショートが大幅に拡大しているのが特徴で、特にポンドとカナダドルのロングを相殺し、株高と米金利の上昇傾向や、米中貿易戦争の第3弾の発動や日米通商協議・首脳会談を意識しながら、本格的な円安相場入りとなっています。

米商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物の公表日は毎週火曜日で、週末とは3日間のずれがあります。そのため、短期的な動きを捉えることはできませんが、市場全体の流れを判断するには利用価値は高いと思います。


【円】前週-63,755→-84,719(-20,964)
6月19日の週から15週連続しネット・ショートが続き、前週比で見ると直近4週間はショートが増加傾向にあり、先週は6月19日の週に次ぐ売り越し額で、この数字だけ見ても市場参加者の円先安観が強いことがわかります。

【ユーロ】前週1,666→3,696(2,030)
66週続いたネット・ロングから流れが変わり、以降の3週間はショートに、次に4週間はロングと変化。現状では主要通貨の中で唯一ロングを維持していますが、ポジションは移り気で軽く、どちらに転ぶかわからない状況と言えるでしょう。

【ポンド】前週-79,258→-67,078(12,180)
6月19日の週から15週連続でネット・ショートが続き、直近の7週間では6~7万コントラクト台のショートで、ブレグジット交渉が難航し残された時間も少なくなる状況下でも、前週比ではショートが減少するなど大きな変化は見られず。

【カナダドル】前週-30,111→-19,532(10,579)
3月27日の週から27週連続でネット・ショートが続くも、過去9週間は大枠2~3万コントラクトのショートで動きは少なく、米カナダのNAFTA再交渉が行き詰まる中でも大きな変化は見られず。原油価格高騰のおりカナダドルの信認が予想外に高いともいえるのでしょうか?

【豪ドル】前週-68,003→-72,061(-4,058)
4月3日の週から26週連続でネット・ショートが続き、6月19日以降は4~5万コントラクト近辺で安定推移から、過去2週間はショートが拡大傾向にあります。米中間貿易戦争の影響を強く受け、ついに7万コントラクトの大台に乗り2015年3月10日以来に拡大し、市場参加者の弱きムードは変わりそうにありません。


詳細はデータをご覧ください

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