2018/09/16

今週の為替相場を考える(9月17~21日)

今週の為替相場を考える(9月17~21日)

特異な円売り相場は今週どのように変化するのか? 米金利と、米中通商協議(15日のWSJ紙はトランプ氏が中国製品に2000億ドルの新たな関税を発表する予定と報道)、21日予定の日米通商協議の流れ次第ながら、今のところ円買い材料に反応示せず円売りリスクは強い。

直近の為替相場は9月7日から円売りへと変化し先週末のUSDJPYは112円台と終値ベースで7月19日の水準まで逆戻りで、円はクロスでも週末14日を除き全面安へ。

9月7日は、強い米雇用統計とトランプ大統領の対中強硬姿勢による米債利回りが上昇(10年債9月6日2.8731→9月14日2.9959%、2年債2.6330→2.7777%)し株価は安定。そして、米国が日本に貿易問題を警告した日で、ブレグジット交渉でEUが英国に懸案のアイルランド国境問題で擦り寄ってきた日でもある。

この日を境に、円売りが加速し112円台と終値ベースでは7月19日の水準まで上昇し、クロスでも全面安。ポンドは逆にブレグジット交渉でポジティブ材料が多く買い戻され週を通じて上昇、GBPJPYは147円台を一時達成と8月1日の水準まで上昇している。

13日に「米中間で新たな通商協議の再開」との報道に新興国通貨の買い戻しが目立ち、トルコ中銀が予想に政策金利を24%まで引き上げる思い切った通貨防衛策に新興国通貨が安定。AUDUSDとNZDUSDは米金利の影響を強く受けながらもこれらを材料に買い戻しが強まり、14日(金)「トランプ大統領は2000億ドルの中国製品に追加関税措置を進めるように側近に指示(ブルームバーグ)」の報道に上値が重くなるまで上昇傾向を継続できず。

EURUSDは、イタリアが財政規律の順守を示す発言に、イタリア債券利回りは低下しイタリア株が上昇とEUR買いの材料となり、ブレグジット交渉の楽観的な見通しも加わり重しとなっていた1.1650を上抜け一時1.1700の大台を回復するも、他の主要国通貨と同じく米金利の上昇が止まらず、14日(金)「トランプ大統領の対中強硬姿勢の再開」にEURGBPの売りが再開し1.1620台まで値を下げている。

円と同じくリスク回避時に動くCHFは逆に変化しておりUSDJPYの上昇=USDCHFの下落で、CHFJPYは一時116円の大台まで上昇し終値ベースでは2月9日の水準近くまで上昇しており、円相場だけが特殊と言わざるを得ない。

長くなってしまったが、これらを考えるとUSDJPY相場がどこまで上昇するのかを試してみたくなり、GBPUSD相場は19日~20日はEU非公式首脳会議の結果次第で、英国のチェッカーズ案を容認するか? ただし、米国発の貿易戦争による不安材料は残るが上昇圧力を期待したくなる。

また、AUDUSDとNZDUSD、もちろん、USDCNHは当然ながら、ムニューシン財務長官が取りまとめている米中の新たな通商協議が開催でき成功するのか? 逆にトランプ大統領が2000億ドルの中国製品に追加関税を実施するのか? これ次第で積極的に動けず。

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USDJPY予想レンジ(111.50~112.50、米中貿易問題次第で110.50~112.15)

USDJPYは、先週末引け際に無理やり112円台の引け値を狙った気もする。仮に、トランプ氏が中国製品に2000億ドルの新たな関税を実際に発表した場合の市場の反応は円買いに動くリスクもまだ強くのこっている。とくに直近数日ではムニューシン財務長官かららか楽観的は発言もあり、テクニカルでも円ショートのポジションがたまってきているので注意したい。

111.50を割り込むまでは目先の円安ムード変わらず。また、110.50を割り込むまでは中期的な円売りも変わらず。逆に112円台での取引時間が長くなればなるに従い7月の高値113.176を意識した動きになりやすいが、その前に8月1日の高値112.15も強い抵抗がありそう。

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