2018/09/02

今週の為替相場を考える(9月3~7日)

今週の為替相場を考える(9月3~7日)

今週の為替相場を考える上で、注意点が多数残っています。

一つ目は、週明け3日(月曜)は米国市場がレーバー・デーで休場となり3連休を前にして軽くなったポジションに新たな動きが強まる可能性と、7日(金曜)の米雇用統計の短期的な相場変動のリスクです。

二つ目は、米国は対中制裁2000億ドルの第3弾をパブリックコメントの最終日となる6日に発動するのか? 中国の出方を見ながら先送りするのか? 貿易戦争への道へ突き進むのではと心配になります。

三つ目は、小康状態の米国はEU貿易交渉で、米EU通商協議でトランプ大統領はEUの自動車関税を撤廃するとの提案を拒否、ユンケル氏も米国が欧州の自動車の税率を引き上げて報復するとあり今後の動きを要注意。

四つ目は、ブレグジット交渉で「前例のないパートナーシップを提案の用意」にもアイルランド国境問題で溝が埋められず。10月18日のEU首脳会議までに合意へと期待感は先送りへ。(ただし、個人的には楽観視し期待通りの合意へと動く可能性を期待しています!)

五つ目は、米国とカナダのNAFTA再交渉の31日決裂と9月5日に再開の結果待ち。同日にはカナダ中銀の金融政策の発表もあり「9月5日、カナダデー」であることは間違いなさそうです。

それ以外でも、イラン問題、イタリア問題、アルゼンチン問題、トルコ問題など、多くの為替変動要因が残っており、それぞれでも注意が必要となっています。

先週は、日本株や米株はピーク値を下げるも高値圏です推移、逆に中国株や新興国市場の株価も強さは見られず。米10年債利回りは2.9%ピークに伸び悩み、米2年債は2.68台を付けられ低下気味と、今週もリスク回避の動きになる可能性を意識せざるを得ません。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


USDJPYの予想レンジ(110.50~111.80と先週のレンジ内の予想、リスク回避が強まれば110.00~111.30と円高方向へシフト)

先週の動きで注目はCHFの上昇で、EURGBPの影響もあるのでしょうがUSDCHFは0.99台後半から0.96台半ばまでと2週連続して大幅に下落し、市場を取り巻くリスク回避の流れがその影響ではと考えており、USDCHFが下落基調をさらに続けるようなら、USDJPYのその影響を受けるのではと気にしています。

先週は一時111.50を上回り111.80台まで上昇し、直近の円ロングが一掃されながらも、相変わらず110.70台をボトム底値も固く期待を裏切る動きとなっていますが、米国と他国の通商問題の動きに連動した相場展開が予想されます。

テクニカルでは、長期のドル買いの流れは変わらず、短期のドル売りも収まりつつありますが、110.50~60を割り込むと売りが再開し110.00の大台を試す可能性もあり、110.80~00をボトムに維持できるか注目しています。

USDJPYオプション 1M 25delta Risk Reversal 21:30現在を前週と比較すると、1.0→0.95とドルプットが若干縮小気味で、8月17日の1.3から続落傾向にあり、円高期待が緩やかに後退していることがわかります。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


EURUSDの予想レンジ(1.1530~1.1700)

EURUSD1.700の大台を達成し1.1730台への上昇もサプライズながら、その後の1.1580台の下げもサプライズ。結局は5月末から8月上旬にかけて続いていた1.15~1.18のレンジに逆戻り。

イタリア問題、ブレグジット問題、米EU通商協議などを材料して短期的に上下変動しながらも、テクニカルベースでは中期が買いへと変化し、長期の売りは変わっていません。1.1800の大台を週足で(週足です!)完全に上抜けるまでは長期的な売り傾向は変わらず、逆に上回ることになれば1.2500までの上昇の期待が持てそうです。

EURUSDオプション 1M 25delta Risk Reversal 21:30時現在を前週と比較すると、0.65→0.80とEURプット・ドルコールが拡大し、8月10日の1.2から低下していた流れの変化に、EURUSDの上昇から低下を意識した動きとなっています。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


GBPUSDの予想レンジ(1.2900~1.3050)

1.30の大台達成は一体何だったのであろうか? ただし、高値から100ポイントの下げにとどまり高値圏でとどまっていることを考えれば底堅い動きとも言えそうです。

ブレグジット交渉でEU側が条件に妥協を見せていることは間違いなく、英国が現在のノルウェー型のEU離脱ともなれば市場が危惧しているハードブレグジットのリスクはなくなることを期待したくなります。

テクニカルでは、短期売り、中期買い、長期売りを示していますが、長期のオシレーター系は売られ過ぎの調整入りを示し、中期は逆に買われ過ぎの調整入りを示し複雑。結局は押し目買の状況で上値を狙う動きとなっています。

GBPUSDオプション 1M 25delta Risk Reversal 21:30時現在を前週と比較すると、0.79→0.49と8月10日の1.09から、GBPプット・ドルコールが低下傾向で、長いところも総じて低下傾向にあり、GBPUSDの上昇を意識した動きとなっています。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※