2018/09/09

最新のIMMポジションから見えること

最新のIMMポジションから見えること

米商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物で主要7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイス、カナダドル、豪ドル、NZドル)の9月4日集計日では、投機的ポジションのネット合計-249,208コントラクトと前週の-268,281から小幅ですが売り越し額が減少しています。

特徴としては、ユーロの買い越しが急増し、4週間ぶりにネットで買い越しへと変化したこと、ユーロとポンド、スイスが前週比で増加したことです。ただし、集計日後で先週末の強い米雇用統計で米金利が上昇し米中通商協議と米カナダNAFTA再交渉の不透明感で、ドル買い傾向が強まっていたこともあり、結果として通貨の売り越し額が拡大している可能性を意識する必要があります。


【円】前週-46,041→-51,932(-5,891)
7月31日以降は前週比でショートが減少していましたが、今回は6週間ぶりに売り越し額が増加しました。ただし、7月24日以降の集計日のUSDJPY相場の終値ベースでは110円台が1回、111円台が6回で、110.29~111.87のレンジで推移しており変化が感じられません。

【ユーロ】前週-7,219→7,963(15,182)
67週間続いたユーロ買が8月14日の週に終了、直近では3週連続で売り越し額が拡大していましたが、今回は逆に前週比で買い越し増となっています。ただし、米雇用統計後のユーロ売りに集計日ベースで比較すると前週1.1694→1.1581とユーロロングは割り引いて考える必要がありそうです。

【ポンド】前週-76,928→-69,613(7,315)
久々に前週比で買い越しが増加しています。6月19日以降の12週連続で売り越し状況は変わらず、前週比で買い越し増となったのは今回を含めて僅か2回だけにとどまっています。EU側から妥協案が示されハードブレグジットのリスク低下がポンド買に要因と思われますが、期待通り10月中に暗黙の合意ができか見極めが必要です。

【カナダドル】前週-24,789→-26,307(-1,518)
3月27日から24週連続で売り越し状況は変わっていません。ただし、売り越し額は過去4週2万台と比較的低水準で、米メキシコはNAFTA再交渉で2国間合意に達し、米カナダの合意期待が潜在的に残っていると思われますが、集計日のUSDCADを比較すると1.2931→1.3188とカナダ売りが強まっており、先週末時点でも合意に至らず豪ドル買いの勢いは感じられません。

【豪ドル】前週-44,633→-44,031(602)
4月3日から23週連続で売り越し状況は変わっていません。直近4週間は前週比で買い越し額が拡大し相場反転の期待感もありますが、中国経済と連動性の高い豪経済にとっては米中貿易戦争のリスクが足を引っ張り続け、集計日のAUDUSDを比較すると0.7337→0.7174と大幅なAUD売りとなっており、先週末の終値も0.7100台とさらにその動きが加速しています。

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