2020/09/13

今週の為替相場を考える(9/14~18日)

 今週の為替相場を考える(9/14~18日)

為替相場を見るとき、値動きはもちろんだがどうしても最初に株価と金利の動きをチェックすることが習慣となっている。かつては、「株高=円安」、「株安=円高」の方程式が有効だったが、国策的な株価上昇局面では、いまやその連動性は当てにならない。

それでも予想外の大幅な株安にでもなれば円高へと舵をきるのだろうが、世界中の中銀がゼロ近くかマイナス金利を継続し、政府が世間に資金をじゃぶじゃぶに供給しそれが株価に向かい上昇の連鎖を招いている状況では、ちょっとやそっとでこの流れを変えることは、難しいのでは?

想定していないが、もしイテク株中心の下落が続き、世界的な暴落シナリオにでもなれば、コロナ対策で膨大な借金を膨らませている政府、これ以上金利を下げられない中銀、これを考えれば、いったいどのような政策をとることができるのか、背筋が寒くなる。もちろんこのシナリオは考えないことにしよう。

過去においても、相場のボトムやトップ、または転換点を振り返ると、FRBの政策金利の変化時に該当する可能性が非常に高い。株式、債券、為替市場に強く影響を与え、その流れが比較的長い間にわたり影響することが多い。もちろ、他の主要中銀のそうだが、主役とはいいがたい。

先週はECB理事会があり、とりあえずは金融政策の維持を決めたが、低インフレの懸念は残りEUR高を意識していることは間違いなく、市場では年内の追加緩和を期待する声も残る。

今週は、FOMC、BOJ、BOEと主要3か国の金融政策が発表となり、BOJは首相移前後でもあり期待しておらず特に言うこともないが、問題はFOMCで、政策金利0.0~0.25%の据え置きは固いと思うが、フォワードガイダンスの強化、資産購入枠の拡大の有無。パウエル議長の会見と経済予測値の発表が相場変動要因で、直後には相場が動くことは間違いない。

BOEは、政策金利0.10%の据え置きを9対ゼロで決定と、資産買い入れプログラム7450億ポンドの据え置きを予想している。ラムスデンBOE副総裁は必要に応じて債券購入プログラムの規模とペースを拡大する余地があるの発言もあり、注意したい。

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USDJPY

14日には自民党総裁選の投開票があり菅氏が新総理になることを市場はすでに十分織り込んでおり、アベノミクスの継承期待による円売りも限定的では。16日の日銀金融政策決定会合でも何らかの変化を期待していない。結果、FOMCの金融政策の変化と、日米株価と米金利の変化を見ながらリスクオン・オフに一時的に相場が動くだけのように思われてならない。

IMMポジションは若干の円ロングから大きな変化は見られないが、前週比でみると円のロングは若干減少しており、日本の新政権移行後の円安を意識している可能性もあるが、コア、105~107のレンジで変わらず。むしろ、欧州のコロナ感染拡大・低インフレ・追加緩和期待、米国の大規模な自然災害・大統領選の混迷、英国のブレグジットリスクを考えれば、円の立ち位置はそれほど悪くないのでは?

EURUSD

ECB理事会ではEUR高けん制もなかったが、一部からは低インフレのリスクを懸念する声も強く、FRBが決定したような低インフレの対策を望む声も強く、EUR高の流れの変化リスクも。1.2から1.18台までEURが値を上げてIMMポジションは膨大なユーロ・ロングポジションを維持している。基本アイディアは1.17~1.20で将来的にユーロ先高を期待しているが、1.1700をボトムで維持できなければ、さらなるユーロうり調整のリスクも警戒している。

GBPUSD

期限まで残り僅か3か月を切り、最終判断の期日を目の前に控え英国がEUと離脱協定を締結することができるのか?報道からは奇跡が起きなければ難しいように思えてならない。 GBPUSDは既に9月1日の1.3483のトップから先週は1.28を割り込む水準まで値を下げている。 ポイントは200日MA=1.2736にあり、この水準をボトムに反発できるか? GBPJPYの200日MA=137.31にあり、先週はこのポイント近くの135.58をボトムに下げ止まっていた。この水準で下げ止まることができるかは離脱協定をめぐる報道如何。

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