2020/09/27

今週の為替相場を考える(9月28~10月2日)

 今週の為替相場を考える(9月28~10月2日)


相場変動要因は今週の主な材料で記しているので確認してほしい。数ある相場変動要因の中で、FRBメンバーらの言葉を借りれば、経済に対する最大の不透明要因は「米大統領選とコロナワクチンの行方」。


さて、切り口を変えて直近のIMMデータで考えてみよう。先週一週間を通じでGBPUSDを除きドル高が続く中で、IMM通貨先物のポジションは逆に通貨のロングが増加傾向にある。


特にEURUSDは9月1日に1.2011を達成してから先週末の25日には1.1613まで約400ポイント近く下落しているが、ユーロのネットポジションは9月1日の196,747コントラクト(約246億ユーロ)から最新データの22日時点では190,822(約239億ユーロ)とわずな減少にとどまっているに過ぎない。2009年1月から私が統計を取り始めて11年超になるが、先月8月25日の211,752コントラクトは過去最大で現在も引き続き高値圏で推移している。


これをどう読めばいいのだろうか? 市場参加者により異なる考えをもってのことだろうが、先月8月に90か月MA=1.1761上回ったことやFRBの長期緩の和継続期待にEURUSDはいずれ上昇するのでEURロングのポジションを維持しているのか、それとも、切るに切れずにじっと辛抱し、今後上がらないような損切をしようと考えているのだろうか。


EURUSDの相場は1.1700の重要なポイントを割り込み、7月27日の週を下回り引き続き下落リスクが残り、90日MA=1.1546は次の重要なポイントとなっている。逆張りを考えれば、1.16台前後でロングを取り、1.1530を割り込んだら撤退も選択肢では。


先週のAUDUSDは、資源価格の下落、対中貿易減少、自然災害などのネガティブ材料が豊富な中で、IMMポジションが久しぶりにショートを脱しロングに変更したことや、財政の有利面もあり今後上昇するのではと考えていた。


しかし、さすがに5か月連続で上昇している流れの反動なのか売りは止まらず。豪中銀の利下げ期待が高まり、17日には90日MA=0.7056を割り込みドル全面高の流れに先週末では0.7006まで下落していた。引き続きサイコロジカルに0.7000はポイントとなるが、0.6880前後が次の大きなポイントとなっている。


USDJPYは、5日連続で陽線引け。連休の円高期待は104.00で終わり円ロングは一掃された。元のレンジに戻ると考えれば105.00~106.50のレンジになるが、週足はダウントレンドで変わらず、米大統領選で決着がつかなければ、リスクという意味では円をショートにすることも難しい。米最高裁判事の件を考えれば、トランプ氏は仮に選挙で負けても、「無効だ」として最高裁に訴え泥沼になるリスクも無視できず。


さて、

9月に入り週末時点の相関関係(逆相関関係)を見てみよう。USDJPYと他の主要通貨や債券、株式、商品価格との連動性は乏しく、最も高いWTIとは−0.74と逆相関関係があるだけで相変わらず我が道を行く通貨となっている。


EURUSDは、USDCHF−0.99と強い逆相関があり、USDCAD、$INDEXも逆相関にある。一方、AUDUSDは1.0と非常に強い相関関係があり、NZDUSD、NYダウ、独・英10年債利回り、金価格とも相関関係が強い。つまり、EUR→CHF→AUDの動きは同一方向と考えていい。


注目の米10年債とダウの相関関係は0.9と高く、「米債利回りの上昇=米株の上昇」傾向が強い。また、米10年債とGBPUSD、NZDUSDとの相関関係は0.9前後、USDCADは-0.97で強い逆相関となっており、米金利が上がればGBP+NZD+CADの買いが強いことがわかる。


NYダウでは、EURJPY、AUDJPY、GBPJPY、EURUSD、GBPUSD、AUDUSDの相関関係、USDCADは逆相関関係が強い。これらから考えられることは、米株が上がれば、クロスで円売りが強まり、他の主要通貨ではドル売りが強くなることがわかる。



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