2017/02/15

2017年2月15日(火曜)欧州・米国市場序盤の動き

2017年2月15日(火曜)欧州・米国市場序盤の動き(午前5時45分ごろ)

注目のイエレンFRB議長の議会証言は「一段の利上げの必要性を示唆し、バランスシートの縮小にも言及」。ドル全面高+米金利は上昇+米株も上昇へ。

①アジアの東芝決算ショック(債務超過)とフリン辞任ショック(ロシア大使接触疑惑)で日本株安と円相場中心に変動。
②欧州は弱い英CPI(前月比-0.5%・予想通り、前年比予想1.9→1.8%、コア予想1.7→1.6%)に、ポンド売りが加速(実数値は強いのですが?)。
③米国は3月利上げ期待+より大幅な利上げ期待+バランスシートの縮小にも言及したイエレン議長の議会証言と、インパクトは弱かったがラッカー・リッチモンド連銀総裁の発言が、相場が変動。

米国市場の為替相場は、米PPIやラッカー・リッチモンド連銀総裁の発言は、イエレンFRB議長の議会証言を直前にして直接的な相場変動は見られなかった。

注目のイエレン議長が一段の利上げの必要性を示唆したことで、年内3度の利上げ期待や、今まで後退していた3月の利上げ期待もやや膨らみ、米金は上昇。米2年債利回りは1.2→1.246%まで急伸し、ドル買いの第一弾が始まる(除くGBPUSD)、バランスシートの縮小にも言及したことで、ドル買いの第二段が始まり、欧州クロージングタイムでようやくドル買いも弱まる。

USDJPYは、アジア市場で東芝決算ショックやフリン辞任ショックによる株安=円高の流れが尾を引き、113.50台の上値を重くしていた。イエレンFRB議長の議会証言を前にして、クロスで円売りが強まり113.60台へ上昇。議会証言では「米国は3月利上げ期待+より大幅な利上げ期待」に114.20台へ急伸。114円台では利食い売りも厚く、113.80台まで値を戻すも、イエレン議長が質疑応答でバランスシートの縮小にも言及したことや、堅調な米株もあり、ドル買いの第二段が始まる。USDJPYは114.50近くへ続伸しようやく上げ止まり、1月30日来の円安水準で取引を終えようとしている。

GBPUSDは、アジア市場ではフリン辞任ショックもありドル売りの流れの中で、一時1.2550台を狙い1.2540台まで上昇していた。EURGBPの買いに1.2520台へ下落し、英CPIは、英CPI(前月比-0.5%・予想通り、前年比予想1.9→1.8%、コア予想1.7→1.6%)に、GBPJPYを含めクロスでもポンド売りが加速。1.2500の大台を割り込み、23日の安値水準の1.2440台まで続落しようやく下げ止まり、一時1.24990台まで反発し1.2480~90のレンジへ。イエレンFRB議長の議会証言に1.2440台~80台のレンジで上下変動するも、他の主要国通貨とは動きは異なり、英PPIは強くCIPも実数値ではインフレ期待も強く1.2460近辺を中心にした動きで、クロスではGBPの買い戻しが目立った。


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GBP 1月 消費者物価指数=前月比-0.5%(予想−0.5% 前回0.5%)、前年比1.8%(予想1.9% 前回1.6%)、コア前年比1.6%(予想1.7% 前回1.6%)、小売物価指数(RPI)=前月比-0.6%(予想−0.4% 前回0.6%)、小売物価指数=前年比2.6%(予想2.8% 前回2.5%)、小売物価指数(RPIX)=前年比2.9%(予想3.1% 前回2.7%)→ 前月比は予想通りながらマイナスへ。前年比は1.8%で2014年6月来の伸び率+小売物価指数は予想と前回を上回るが予想を下回りポンド売りへ

GBP 1月 生産者物価指数=仕入前月比1.7%(予想1.0% 前回1.8%→2.7%)、前年比20.5%(予想18.5% 前回15.8→17.0%)、出荷前月比0.6%(予想0.3% 前回0.1→0.2%)、出荷前年比3.5%(予想3.2% 前回2.7→2.8%)、出荷コア前月比0.5%(予想0.3% 前回0.0%)、出荷コア前年比2.4%(予想2.2% 前回2.1%)

EUR 第4四半期 GDP・改定値=前期比0.4%(予想0.5% 前回0.5%)、前年比1.7%(予想1.8% 前回1.8%)→予想を下回りEUR売りとなるも下げ止まる

GRE ギリシャ第4四半期GDP・速報値=前年比0.3%(予想0.9% 前回1.8%)→ 予想と前回を大幅に下回る

EUR 12月 鉱工業生産=前月比-1.6%(予想−1.5% 前回1.5%)、前年比2.0%(予想1.7% 前回3.2%)→ 予想よりマイナス幅が拡大し、前年比は2012年9月以来の落ち込み幅。

GER 2月 ZEW景況感調査: 期待指数=10.4(予想15.0 前回16.6)、現況指数=予想76.4(予想77.0 前回77.3)→予想を下回る

EUR 2月 ZEW景況感調査: 期待指数=17.1(予想 前回23.2)→ 予想と前回を下回る

USD 1月 生産差物価指数=前月比0.6%(予想0.3% 前回0.3%)、前年比1.6%(予想1.5% 前回1.6%)、コア前月比0.4%(予想0.2% 前回0.2%)、コア前年比1.2%(予想1.1% 前回1.6%)


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イエレンFRB議長(上院銀行委員会で半期に一度の議会証言)
①経済が引き続き緩やかなペースで拡大し、雇用市場はいく分さらに力強さを増し、インフレ率が緩やかに2%に向けて加速すると予想。②経済が軌道を維持すれば政策金利の調整が適切。③引き締めを長く持ち過ぎることは、急激な金利上昇と市場の混乱、リセッションの恐れを招き賢明ではない。④財政政策の変化は見通しに影響をあたえかねない。⑤財政政策の変更が、持続可能な財政軌道と整合的となるよう望む。⑥長期インフレ期待を示す多くの指標は過去数カ月でほぼ変わらず推移。⑦質疑応答で、今後数カ月間にバランスシートの戦略について協議、最終的に現在よりも著しく小規模になると予想。

ラッカー・リッチモンド連銀総裁=①年内のバランスシートの縮小を望む。②資産売却を検討する必要がある。③3月利上げには強力な論拠があり、年内3度以上の利上げが必要になる可能性。④低水準にある関税と貿易障壁が引き上げられると米成長は大きく阻害される。

ロックハート・アトランタ連銀総裁=①トランプ政権の政策が経済に及ぼす影響を検証しており利上げを急ぐ必要はない。②3月利上げ説は説得力ある根拠が見当らない。③通商政策は消費に影響する可能性。

カプラン・ダラス連銀総裁=①早期に利上げに動くことが賢明。②次の一歩を進めてから状況を検証することの利点はある。

米短期金利先物=年内最低3度の利上げ予想確率は33%→43%へ、3月利上げ予想確率13%→18%へと上昇。

日米首脳会談の共同声明に関し=米国はFTA締結目指す文言入れるよう要求していた。