2017/02/24

2017年2月23日(木曜)欧州・米国市場序盤の動き



2017223日(木曜)欧州・米国市場序盤の動き

ムニューチン米財務長官の持論(WSJ紙)、「強いドルを支持、強いドルは長期的には良いこと、短期的にマイナスも」の蒸し返しなのか、「ドル高には問題も」にドルは下落幅を拡大。

10年債利回りは前日2.4129→2.39%へ低下、2年債も1.2162→1.1884%へ低下。米株は強さが見られず軟調に推移。米新規失業保険申請件数は悪化、FHFA住宅価格指数も若干弱く、ムニューチン財務長官発言もあり為替相場はドル全面安。

USDJPYは、欧州市場に入っても何とか113円台を維持していたが、前日の安値112.90台を割り込むと、短期ストップの売りに112.60台まで続落し、ようやく下げ止まる。ムニューチン財務長官発言もドル売りの要因となっている。

EURUSDも、アジア・欧州市場と1.05301.0570のレンジ相場が続いたが、米新規失業保険申請件数の悪化から、前日とアジア市場の高値1.0572を上回り1.0580台で推移するも、ハト派のノボトニー・オーストリア中銀総裁のハト派発言や、ムニューチン財務長官発言に上値も重い。


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ロックハート・アトランタ連銀総裁=①銀行規制の枠組みを緩和することは適切。②利上げの終着点は過去より低くなる可能性が高い。③米国では低金利環境が続く。④利上げはかなり早期、おそらく次回から3会合を意味する。

ムニューチン財務長官=①中国を為替操作国と認定すべきか否かをめぐる最初の判断について、米財務省による半期に一度の為替報告書を活用する。②ドル高にはいくらか問題も。③ドル相場、株式相場はトランプ政策への信頼を示している。

ムニューチン財務長官(WSJ紙インタビュー)=①8月までに税制改革を行い、ここ10年あまり経験したことのない高い経済成長を実現する。強いドルは米国経済に対する証で、長期的には良いことで、ドルが上昇すると予想している。ドル高には短期的に経済へのプラス面と、それほどプラスでない面がある。

ノボトニー・オーストリア中銀総裁=①ECBは年内に政策金利を変更する必要性はない。トランプ政権の政策は、「歳出を拡大すればインフレ加速や金利上昇」につながり「ドルも上昇」し、「米輸出業者には不利」になるが、これは米政権が掲げる目標と正反対だ。

プラートECB専務理事=総合インフレ率は急激に上昇した。近い将来、現在の物価押し上げ要因を検証する必要がある。英国EU離脱は貿易に大きな影響を及ぼし、状況はかなり急速に悪化し、盲目的に楽観視すべきでない。貿易摩擦が増えることは確実で投資にもマイナス影響。トランプ米大統領の物事を単純化した発言は背景にある複雑な要素を無視したもので、社会や金融システムにとって危険。

プラートECB専務理事=物事をあまりに単純化した発言をすれば、世界のシステムは深刻な悪循環に陥る可能性がある。欧州経済の回復は依然としてぜい弱で油断は禁物であり、鍵となる選挙を控えた政治不安によりリスクは増大。最近の不透明な状態は懸念につながり、経済見通しの下方リスクを象徴している

シティと調査会社ユーガブ月間調査(23日)=短期予想は201312月以来の高水準である2.6%で1月調査と変わらず。長期平均の2.4%を上回った。今後510年間のインフレ率予想は3.2%と、1月調査の3.0%から上昇し、20141月以来の高水準