2017/02/28

2017年2月28日(火曜)アジア・欧州市場の動き

2017年2月28日(火曜)アジア・欧州市場の動き

心理的には、トランプ大統領の米議会上下両院合同本会議演説(28日 日本時間1日の午前11時頃から)待ちの状態が続き、東京市場の時間帯での発表だけに動きやすく利点は多い。

その重要な議会演説だが、市場参加者のドルに対する期待度は盛り上がらない。BIGなインフラ投資、540億ドル増額と言われている軍事予算の大幅拡大。税制改革に関しては医療保険のコスト判明までは税制計画は不可能と思われ、3月のFOMC利上げ期待が現実化する可能性を弱めている。

いずれにしても、為替相場は動くことは間違いないが今日のアジア市場でUSDJPYは円高傾向が続き、世界を取り巻くリスク回避の動きなのか? 円はクロスでも全面高。日経平均株価は前日比では小幅上昇するも、日中の高値から、終盤にかけて上昇幅を縮め150円近く値を下げ、ネガティブなセンチメントだけが残る。

アジア市場の早朝は日本株に連動して一時112.80台と、前日のNY市場の高値水準を試すも失敗。日経平均株価も伸び悩みクロスでも円高が進み、112.50割れまで下落。昼には112.70台を回復するも、株安と連動して主要通貨でも円高が加速し112.30割れまで続落。昨日のNY市場でカプラン・ダラス連銀総裁のタカ派発言に急伸した水準で下げ止まり推移している。

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黒田日銀総裁(参院予算委員会)=①エネルギーの価格が今後は押し上げに転じる。②日銀の強力な緩和姿勢が加わり中長期的な期待インフレ率を押し上げる。③2%の物価目標を達成した場合金利が上昇する可能性はある。④長短金利操作(イールドカーブコントロール)を適切に運営しており、過度な金利の急上昇は避けられる。

内閣府(企業行動に関するアンケート調査)=今年1月半ば時点での上場企業(輸出を行っている企業のみ対象)の採算レートは1ドル100.5円となった。5年ぶりに円高方向に振れた→ 円高に耐性ができている

英北部スコットランドのスタージョン行政府首相=①EU離脱をめぐる英政府のかたくなな非妥協的姿勢がスコットランドを2度目の住民投票に向かわせている。②英国が方針を転換する時間がなくなってきていると警告。

独センティックス(月間投資家調査)=①ユーロ圏解体指数(1年以内にユーロ加盟国が離脱するリスク)は1月21.3→2月25.2%へ拡大し、2012~13年の債務危機以来の高水準。②各加盟国の離脱確率を示すサブ指数は、ギリシャが約20%。イタリアは約14%に低下した。一方でフランスは8.4%と、調査開始以来の高水準。

中国国家統計局の李暁超副局長=①今年の中国経済について、海外の不透明感と国内の過剰生産能力が課題。②緩やかなインフレを維持することが中国経済にとって好ましい。