2018/07/10

2018年7月10日(火曜)昨日9日、海外市場の動き

2018年7月10日(火曜)昨日9日、海外市場の動き

為替市場は、世界的な株高の中で、通貨間で動きは異なる。

EU離脱担当相と外相の閣僚が辞任しメイ首相の不信任投票のリスクにポンド売りが加速。米中貿易戦争へのリスクにも世界的な株高に、リスク選好パターンにドル売りと円売りの流れが続き円は全面安で、逆に豪ドルは上昇。11日に利上げ期待が強いカナダドルは、利上げを織り込み逆に下落。エルドアン氏がトルコ大統領に就任し、中銀総裁の任期を5年とする法令も廃止したことで、USDTRYは大幅上昇。

GBPUSDは前日比-0.21%下落。先週末に閣僚会議で今後の方針が取りまとめられたことを好感、ブレグジットに関する白書の発表を前に、デービス・ブレグジット担当相の辞任にも欧州市場では1.3363まで上昇傾向が続いた。しかし、ジョンソン外相も辞任しメイ英政権へのリスクが拡大し、1.3190まで急落し、1.3270まで値を戻し1.3250台で取引が続いている。

EURUSDは前日比+0.07%と小幅上昇。先週金曜日から1.1700の大台を上回り上昇傾向が続き、アジア・欧州市場と続伸。チューリッヒの金融関連セミナーでドラギECB総裁のハト派とノボトニー・オーストリア中銀総裁のタカ派意見を消化し一時1.1790台と、1.1800の重要なポイントを直前まで上昇。GBPUSDの急落の影響とブレグジットリスクがEURに及ぼす影響も危惧され1.1733まで続落し、1.1750台で推移。

USDJPYは前日比+0.36%と上昇。アジア・欧州市場はいつもながらの動意の乏しい110.35~55の狭いレンジで推移。米株も強く世界的な株高の中でリスク選好パターンに円売りが強まり、GBPUSDの急落の影響もあり、前週末の高値110.79を上回り一時110.90まで上昇。111円の大台を試す動きもなかったが、110.80近辺で推移と底堅い動きが続いている。

【金融市場】
◎ダウ+320.28(+1.31%)、NasdaqとS&P500も0.88%と米株は上昇へ。米債利回りは2.861%(+0.038)上昇、2年債も2.561%(+0.008)近くへ上昇。

【中銀関係者】
ドラギECB総裁(チューリヒで開催された金融関連のセミナー)は、ECBは辛抱強く継続的に慎重で、2019年夏までは金利を据え置くと予想。

【貿易戦争】
◎米国の対中制裁関税発動、中国の対米報復関税の発動表明にも金融市場は予想外に冷静→ 懸念された株式市場は上昇し、リスク選好の動きで、ドル売り+円売りの流れへ。

【ブレグジット】
◎メイ英首相のソフトブレグジット方針に反対しブレグジット強硬派のデービスEU離脱担当相とさらにジョンソン外相の閣僚が辞任→ メイ英首相の不信任投票のリスクにGBP売りが強まる。
◎辞任したジョンソン氏は、政府ブレグジット後EUと緊密な通商関係を維持する方針を非難、英国はEUの植民地のような状態になると発言。
◎メイ英首相=ブレグジットを巡る最終案の是非を問う国民投票を実施する意向はない。ブレグジットの移行期間が延長されることはない。離脱後に欧州裁判所が英国で権限を持つことはない。
◎ノボトニー・オーストリア中銀総裁は、ブレグジットはユーロ圏にとってもリスクと不確実性の根源。

【経済指標】
◎USD 5月 消費者信用残高=245.6億ドル(予想120億ドル 前回102.73億ドル)

【その他】
◎エルドアン氏がトルコ大統領就任、首相廃止し強権体制確立。トルコは中銀総裁の任期を5年とする法令も廃止→ USDTRYは前日比3.6%近く上昇し、TRY売りが加速。