2018/07/06

2018年7月6日(金曜)昨日5日、海外市場の動き

2018年7月6日(金曜)昨日5日、海外市場の動き

FOMC議事録は、米経済が近く景気後退に陥る可能性と通商問題の懸念を討議し、2019年中に利上げを打ち切る可能性を指摘。

FOMC議事録にもかかわらず米株は強さを維持し、ダウ+181.92(+0.75%)、NasdaqとS&P500も0.8~1.1%近く上昇へ。米10年債利回りは2.829%(-0.0025)と上昇幅を縮め小幅下落。原油価格(WTI)は73.05(-1.46%)と在庫増もあり下落へ。

注目点は、FOMC議事録の「大半の参加者は「政策金利が来年中に中立的な水準に達する」との見方を示したこと。先行きの利上げは「2019年か20年まで続ける」と具体的な期間に言及し、「早ければ19年中に利上げを打ち切る可能性を」にじませ始めたこと。

さらに、米経済が近く景気後退に陥る可能性があるかどうかが討議。米政権が相次ぎ打ち出す輸入制限には「企業心理に悪影響をもたらす」と強い懸念を示したこと。ただし、米株と米債への影響は予想外に軽微で今後の株価の動きを注目したい。

米経済指標は混在。今日の米雇用統計の前哨戦のADP雇用統計は前回を上方修正するも予想を下回り、週間新規失業保険件数も予想を下回り、総合PMIは予想を上回り、ISM非製造業景気指数は予想を上回る。

今後の注目点は、今日の米雇用統計でFOMC議事録がややネガティブ面を忍ばせていることもあり、予想外に悪化すればその反応が高まる可能性を意識。また、米国は対中制裁関税の第1弾をNY時間の午前零時1分に発動することを決定しており、中国の制裁発動の有無を含め、株価の反応と合わせ為替相場への影響を気にしている。

EURUSDは前日比+0.31%上昇。欧米市場ではアジア市場で前日の高値を超え上昇した流れを継続。ECBが来年9月か10月の利上げの可能性を指摘していることは周知の事実でそれほど重要とは思えないがEURショートカバーの材料となっている。また、トリア・イタリア財務相「ユーロ離脱は誰も望んでいない」との発言、弱い米ADP雇用統計に1.1720台まで上昇。これをピークに、米株も堅調に推移し、米ISM非製造業景気指数は予想外に強く、FOMC議事録の発表を前にして1.1680台まで下落。議事録直後には1.1673を安値に1.1690台へ反発。メルケル独首相は、米国からの輸入車に関税を課すことを支持。ただし、水トランプ大統領は「EUが米輸入車の関税を放棄すれば制裁関税を放棄」との話もあり、水面下では交渉を継続との観測も。

GBPUSDは前日比-0.04%と小幅下落。アジア市場は動けず、欧州市場は、カーニーBOE総裁は8月の利上げに前向きな発言や、弱い米ADP雇用統計に一時1.3275まで上昇。メイ英首相は「ブレグジット後の税関手続きの新提案は、独は実行不可能と見ている」、との報道に1.3210台まで急落。強い米ISM非製造業景気指数に1.3205まで下落し。FOMC議事録後には1.3204の安値を示現するも、大枠1.3210~25の狭いレンジで推移。今日、6日はメイ首相が臨時閣僚会合を開きブレグジット後の通商関係でEUにどのように要請するかを協議も予定しとり、注目。

USDJPYは前日比+0.17%と小幅上昇。欧米市場では110.53~73のレンジで特に言うことは無し。

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21:15    USD 6月 ADP雇用統計=17.7万人(予想19.0万人 前回17.8→18.9万人)→予想を下回り直後はドル売りが強まるが続かず

21:30    USD 週間新規失業保険申請件数=前週比23.1万人(予想22.5万人 前回22.7→22.8万人)→ 予想より増加し悪化

22:45    USD 6月 総合PMI・確報値=56.2(予想56.0 前回56.0)、サービス業PMI・確報値=56.5(予想56.5 前回56.5)→ 総合は予想を上回る

23:00    USD 6月 ISM非製造業景気指数=59.1(予想58.3 前回58.6)→ 予想を上回る

0:00    USD 週間原油在庫=124.5万バレル(予想-353.8 前回-989.1万バレル)

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【北米】
FOMC議事録(6月13日分)=3カ月ぶりに0.25%の利上げを決めた。米景気の基調は「雇用の力強さが増して経済活動も底堅く拡大」。先行きも「段階的な利上げが理にかなっている」と引き締めシナリオを維持する考え。ただし、既に利上げ開始から2年半が経過し、大半の参加者は「政策金利が来年中に中立的な水準に達する」との見方を示した。

FOMC議事録(6月13日分)=先行きの利上げは「2019年か20年まで続ける」と具体的な期間に言及し、早ければ19年中に利上げを打ち切る可能性をにじませ始めた。米経済が近く景気後退に陥る可能性があるかどうかが討議。米政権が相次ぎ打ち出す輸入制限には「企業心理に悪影響をもたらす」と強い懸念

米海軍のビル・アーバン報道官=イランが原油輸送の大動脈であるホルムズ海峡の封鎖を警告していることを受け、米海軍は航海の自由と通商の自由な流れを確実に確保する用意ができている

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【欧州】
メイ英首相=新たなブレグジットの提案は、輸入商品に自由に自らの関税を設定することができる。新たな関税の提案は、英国はEUの法律を慎重に照らし合わせる。

メルケル独首相=移民・難民政策を巡る連立政権内の問題は連立の安定性のリスクにならず。移民・難民政策を巡る連立政権内の問題は連立の安定性のリスクに

【アジア・その他】
中国政府=米国は追加関税により世界に向けて「発砲している」。米国が対中関税を発動去れば即座に対抗する。

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