2018/07/29

今週の為替相場を考える(7月30~8月3日)

今週の為替相場を考える(7月30~8月3日)

今週の相場を考える前に先週の動きを簡単に振り返ってみましょう。

23日にメイ英首相が自らブレグジット交渉の指揮を発表しGBP買いが強まるも、26日にはバルニエEU主席交渉官がメイ英首相の関税に関する提案を拒否し失速気味。米EU通商問題が懸念される中、25日にはトランプ・ユンケル会談で自動車関連の関税を棚上げにして、表向きは有効ムードで終了にEUR相場は事なきを得ています(先送り感は強いが!)。

26日のECB理事会では予想通り政策金利の据え置き、ドラギ総裁発言が「ECBは現時点でガイダンスの修正は必要ない。大規模な金融刺激策は引き続き必要」等の慎重意見を引き金にEURUSD・主要通貨のドル買いの流れと動きましたが、27日の強い米GDPにも事前の重量オーバーの期待感の反動と大型ハイテク株を主にした米株安にドル売りと動き、主要通貨は反発しています。

一週間を通じた変動幅は、USDJPY-45ポイント(-0.40%)、EURUSD-65ポイント(-0.56%)、GBPUSD-19ポイント(-0.15%)、AUDUSD-16ポイント(-0.22%)、USDCAD-82ポイント(-0.63%)と変動幅は小幅でしたが、円クロスではEURJPY-126.5ポイント(-0.97%)、GBPJPY-92.1ポイント(-0.63%)、AUDJPY-50.8ポイント(-0.61%)、日銀の政策変化を意識した円高傾向が目立っていました。

さて今週の為替相場ですが、基本方針はドル高の流れを意識しながら「今週の主な材料」にも記載していますが、「日銀の金融政策決定会合」で政策に変化があるのでしょうか? これを確認するまでは円相場の見通しは語ることはできず、あくまでの予想のための予想となりそうです。また、「FOMC」、「BOE金融政策決定会合(MPC)」、「米雇用統計」と最重要なイベントが続き、月末・月初のタイミングもあり相場変動が高くなるこが予想されます。


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今週の予想レンジ


USDJPY (予想レンジ110.00~112.50) 31日の日銀次第でいかようにも変化! 相場感は「buy the rumor & sell the fact」と思いながらも、相場変動の予感に決め打ちはできず!

今週は「日銀の金融政策決定会合」で政策に変化があるのでしょうか? 久々に円の動向が注目されており我々にとっては円相場を動かすことができる数少ないチャンスとなっています。

スタンスの変化を期待するような事前報道もあり円高リスクを気にした展開で、USDJPYオプションでもドルプット・円コールオーバーが拡大気味で、IMM通貨先物の円ポジションでは円ショートが拡大していることを考えれば、両サイド可能性を意識せざるを得ません。

テクニカルでは、1時間足で売り圧力が続き、4時間足でも110.60~111.50のレンジで売り圧力が続き、日足では110.00、110.50をボトムに買いの流れが継続中で、週足は108.00~113.00のレンジを示唆しています。

先のことになりますが、ライトファイザーUSTR代表が議会で「米国は日本との間で慢性的な貿易赤字を抱えており、輸出に際して不公平な貿易障壁があると考えている」と発言し、8月中の開催へと変更された2国間協議を意識せざるを得ません。


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EURUSD (予想レンジ 1.1580~1.1800) ECB理事会後のEUR売りや米EU貿易摩擦の後退にも1.1750台を超えられず失望感も、ただし底値もしっかりでレンジ相場入りから反発期待も。

IMM通貨先物ではユーロ・ロングは急減しニュートラルな状態一歩手前で下げ止まり気味。EURUSDのオプションではEURプット・ドルコールが低下しており1週間では一時EURプットからコールへの転換も見られ、1~12か月もEURプットが弱まりつつある。短期的にEUR売り圧力が軽減されEURUSDの上昇期待を感じるも、1.1500~1.1800のコアレンジの上値を抜け切れるかを注目しています。

 
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GBPUSD (予想レンジ 1.3000~1.3230) メイ首相主導のソフトブレグジット期待も、バルニエEU主席交渉官のメイ首相の関税提案を拒否にGBP買いは撃沈と、引き続きブレグジット交渉の行方が相場を決定する不透明感はぬぐい切れず。

IMM通貨先物ではポンド・ショートに変わりないが拡大もせず安定推移へ。GBPUSDのオプションではGBPプット・ドルコールは1W~1Mは前週の急拡大から縮小気味ながら、3M超は逆に上昇しポンド先安リスクを強く意識している。テクニカルにも短期か中長期とポンド売りの流れに変化は見られず。市場参加者はどうしても、合意のないブレグジット「ハードブレグジット」へのリスク警戒感を払しょくできずにいるように思えてなりません。

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