2018/07/05

2018年7月5日(木曜)昨日4日、海外市場の動き

2018年7月5日(木曜)昨日4日、海外市場の動き

為替市場は、米独立記念日で株・債券市場が休場でサプライズな発言も見られず、5日・6日と連休の市場参加者も見られる中、閑散な取引となった。また、目の前に迫った米中、米EU追加関税の動きや、5日のFOMC議事録、6日の米雇用統計の2大相場変動イベントにより動きにくい展開が続いている。

米国から原油輸入禁止圧力を受けているイランは徐々に強硬姿勢を示し、6日にウィーンで英、独、仏、中国、ロシアの外相がイラン核合意の存続で協議することも注目。米中追加関税の発動期限を6日に控え米中間の動きの変化も注視。

為替市場は、主要通貨、新興国通貨、リスク敏感・資源関連通貨の変動は鈍く、注目の人民元もUSDCNHは一時6.61328まで下落するも、終わってみれば6.64台まで値を戻し前日比-0.35%と元高で終わっている。

USDJPYは前日比約-0.10%と、110.41~55の狭いレンジで、リスク回避の動きを意識しているのか110.50超の上値は重いが、FOMC議事録と米雇用統計の相場変動リスクを考えると一方向に動きにくい。

EURUSDは欧州市場の序盤にはアジア市場の高値1.1682→1.1630まで比較的強い各国のPMIが発表される中で下落。欧州市場の終盤には、「一部のECBメンバーは2019年末の利上げでは遅すぎると認識」との報道が意識されたのか? 特にサプライズ的な発言でもないが1.1640→1.1675まで上昇したのが目立ち、他の主要通貨でもドル売りの動きを誘発するも、1.1650台で終了と前日比約-0.02%の小幅な変化にとどまっている。

GBPUSDは、EURUSDの上昇の影響を受け27日の水準と並ぶ1.3249まで一時上昇し1.3220台で終了と、前日比約+0.29%と変化率は低水準ながら他と比較すると高くなっている。
AUDUSDは前日比約-0.05%、USDCADは前日比約+0.02%と前日比では大きな変化は見られず。

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16:50    FRN 6月 総合PMI・確報値=55.0(予想55.6 前回55.6)、サービス業PMI・確報値=55.9(予想56.4 前回56.4)→ 予想を下回る

16:55    GER 6月 総合PMI・確報値=54.8(予想54.2 前回54.2)、サービス業PMI・確報値=54.5(予想53.9 前回53.9)→ 予想を上回る

17:00    EUR 6月 総合PMI・確報値=54.9(予想54.8 前回54.8)、サービス業PMI・確報値=55.2(予想55.0 前回55.0)→ 予想を上回る

17:30    GBP 6月 総合PMI・確報値=55.2(予想54.5 前回54.5)、サービス業PMI=55.1(予想53.9 前回54.0)→ 予想を上回る

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【北米】
 米商務省の電気通信情報局(NTIA)=米連邦通信委員会(FCC)に対して、国家安全保障上の理由から中国の通信最大手、中国移動(チャイナ・モバイル)による米国発の国際電話サービスへの参入申請を却下すべきだと勧告した。→ 中国のスパイ活動を懸念する米国側は、中国が米国内にいる中国市民を監視することも警戒している。従って、米国の対応は今回の申請拒否だけで終わりそうにない。

トランプ米大統領=11・12日の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で、米国は「世界の貯金箱」にはなれないと加盟諸国に伝える方針。軍事支出を大幅に拡大するよう一部NATO加盟国に圧力をかけている。

米商務省=中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)に対する制裁の一部を解除した。8月1日までの期間、ZTEが米国ですでに築いたネットワークや設備を維持するために必要な業務の再開を認めたが、新規事業は認めず。

【欧州】
米国のリチャード・グレネル駐ドイツ大使(独紙ハンデルスブラット)=欧州連合(EU)が米自動車関税を撤廃すれば、トランプ大統領はEU車への関税警告を止めると独自動車メーカー幹部に伝えた。→ 自動車の関税比率は、米国はEUから輸入車2.5%、EUは米国からの輸入車10%。
メルケル独首相=独連立政権、難民政策巡る問題でも安泰

欧州連合(EU)加盟国=鉄鋼輸入制限措置について、5日に討議した上で採決を行う可能性がある→ 欧州委は割当枠を超えた輸入に25%の関税を掛ける案を提案している。

メルケル独首相=米国向け欧州輸出車への関税賦課について今月中の合意を目指す欧州連合(EU)と米国の取り組みを支持。米国が欧州の自動車に高関税を賦課すれば鉄鋼やアルミニウムに対するものより「はるかに深刻」になる

バラッカー・アイルランド首相=ハードブレグジットの可能性は低いが、準備はしておくべき
ECB関係筋=一部のECBメンバーは2019年末の利上げでは遅すぎると認識

【アジア・その他】
原田日銀審議員=金融政策は確かな効果を上げているが、なぜか日銀が行っている政策への批判は絶えない。市場は金利の早期引き上げを求めている、実際に金利を引き上げれば、債券価格と株化の下落、円高で企業の経営が悪化し、信用コストが増大して金融機関は大きな打撃を受けるだろう

ロウハニ・イラン大統領=米国はイランの原油輸出をゼロに減らしたいそうだが、それがどういう結果をもたらすのか、米国は考えもしなかったことが分かる。→ 詳細は不明ながらホルムズ海峡の閉鎖のリスクも。

ソレイマニ・イラン革命防衛隊司令官=米国がイラン産原油の輸入を停止するよう各国に圧力をかければ、革命防衛隊には地域の原油輸出を阻止する措置を打ち出す用意がある→ 3日にイラン学生通信が、2日はロウハニ大統領が、米国がイラン産原油の輸入を停止するよう各国に圧力をかければ、地域の原油輸出が悪影響を受ける可能性を指摘していた。

WTO(G20貿易制限に関する報告書)=主要国による貿易障壁が世界の景気回復を損なう可能性があると警鐘を鳴らし、悪影響がすでに表れ始めているとの認識

安倍首相=10月に習近平国家主席との首脳会談を検討

イラン核合意の存続を協議=英、独、仏、中国、ロシアの外相が6日にウィーンでイラン高官と会合しトランプ米大統領が5月に離脱を決めた2015年のイラン核合意存続を巡り協議する。

中国財務省=対米報復関税は中国側から先に発動させることはない。

中国株続落=上海総合指数は2016年3月以来の安値


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