2018/07/01

今週の為替相場を考える(7月2~6日)

今週の為替相場を考える(7月2~6日)

6月も終わり2018年は後半に突入。トランプ大統領は米国をWTOから撤退させるようにホワイトハウス当局者に繰り返しているとの報道も。今週は米貿易問題と、FOMC議事録・米雇用統計がメインイベントで、米債利回りの低下は気になるが、期末要因もはけドル高の振出に逆戻りのリスクも。

日本株、米株共に下げ止まり感はあるもレンジ内での動きを抜け出せず。中国株や新興国株は金曜日に値を戻す動きとなるも下落基調は変わらず。米2年利回りは大枠2.5~2.55のレンジで推移、10年債は6月13日のFOMCで3.00%台をつけるも、その後は続落し先週は一時2.82%まで下落と、貿易問題を意識したのか逆に利回りは低下気味でドル高傾向にやや戸惑い。

米国の主に中国をターゲットとした貿易黒字相手国に対する強硬な通商交渉は変わらず。7月1日からEUとカナダが報復関税を発動、7月6日には米中間で報復・制裁関税が発動。事前に妥協策を協議していると思われるも、妥協するようなトランプ大統領とは思えず。ただし、手のひらを返すような行動に何がリスクとして為替相場に跳ね返ってくるのか予想できにくい。

先週は強硬な米通商政策に中国・EU・カナダ等、制裁・報復・制裁の連鎖が意識されながらも、米中は緊張回避へ向けた協議が続いている。米国は強硬な国際緊急経済権限法(IEEPA)から、穏健な対米外国投資委員会(CFIUS)に変更させて重要技術分野で中国を抑制することを表明、一時株高要因となっていた。中国は外資企業の中国での投資規制を緩め、人民銀行は緩和姿勢を示していることを発表。若干ながら妥協の動きもみられる。

また、週末にドル売りへの反発材料となった、「EUサミットでは移民問題で合意」は、朗報でメルケル独連立政権の目の前のリスクは回避された。しかし、イタリア等の反発に一時合意は頓挫しかけ10時間にわたる協議で、任意の自主的な判断に任せる事で妥協しており今後の不安材料は残ったまま。

ブレグジット交渉で揺れる英国は、EUサミット後のブレグジットに関しての詳細は確認できないが、バルニエ英EU離脱・欧州委員会主席交渉官「英国とEUではブレグジットに推定大きな意見の相違がある」とあり、現状はソフトブレグジット、ハードブレグジット、2度目の国民投票といずれのリスクも存在。


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USDJPY (予想レンジ 下落←110.00~111.50→上昇)

米中・米EU・米加の貿易戦争リスクは変わらず、リスク回避の円買いよりも市場はドル高の流れを意識。USDJPYは109.30台をボトムにし、底値を切り上げほぼ一貫して円安へと突き進み5月後半から幾度となく試し失敗している111.00円の大台を目指して推移中。週足では109~110.00、108.00~111.50のレンジを引き続き維持しているが、今週はその上値を再び試す動きを期待したい。

IMMポジションからは、前週-35,562→-34,221(1,341)と、過去70週続いた円安(ネットショート)から方向感が定まらない動きが12週間続いた後の変化が読み取りにくい。今回は前週比で若干ショートが減少してはいるも円ショートが続き、新たな円安の始まりなのか? 絶好の円高への好機なのか意見が分かれるところながら、傾向としては円売りへ。

USDJPYオプション 25delta Risk Reversal(金曜 21:30時)前週比
1W-0.35→-0.35、1M-0.49→0.44、3M-0.68→-0.68と、USDJPY相場の上昇にも過去のポイントをブレークしてはおらず、大きな変化は見られず。

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EURUSD(予想レンジ1.1550~1.1750)

EURUSDは1.1700台から1.1520台まで続落し5月下旬以降何度となく底割れリスクが意識された1.1500のポイントを維持し、EUサミット後の金曜日に期末要因もあったのか、一日でユーロ圏CPIは予想通りながら2.0%に上昇し1.1680台まで値を戻して終了。週足では1.1500~1.1850のレンジを過去6週間継続中。今週は6月中旬から達成できなった1.1720台を超えられるのか? 逆に失敗すると1.1500台を試す動きに変化のリスクも。

IMMポジションからは、前週36,118→33,904(-2,214)と、過去58週間とロングを維持しながらも、4月17日をピークに以降10週連続し減少し、ロングからショートへの変化が予感される。この境目はEURUSDの水準を考えれば集計後にEUサミットの結果を受け反発しているが、1.1500の大台を維持できるかに関わっているように思えてならない。

オプション 25delta Risk Reversal(金曜 21:30時)前週比
1W-1.10→-0.85、1M--1.15→-1.05、3M-1.35→-1.25、長いところも全てに渡りドとEURプット・ドルコール縮小、市場のEUR先安感が弱まっている。

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GBPUSD(予想レンジ1.3080~1.3280)

GBPUSDは1.33を割り込んでからは一度も復活叶わず。逆に底割れ状態で1.3060台まで続落し1.3000のビックポイントを目指しながらも、EURUSDと同じくEUサミット後の金曜日に一日で1.32台を復活して終了。週足では一時昨年11月の水準まで値を下げるも、1.300~1.3100では押し目での買い圧力は顕在しているが、実需の買い動向が期明け後にどのようにするのか?

IMMポジションからは、前週-19,206→-21,581(-2,375)と、28週間ポンドのロングから、前週にマイナスへと変化しその流れを継続。BOEの金融政策委員会で8月の利上げ期待の余地を残すも、EUサミットを前にしてメイ政権内の不調和音は変わらず。安値を更新しながら1.300の大台を直前にして集計後にはEUサミットを境に値を戻すも、ポンド安のリスクは変わらず。

オプション 25delta Risk Reversal(金曜 21:30時)前週比
1W-0.85→-0.75、1M-0.75→-0.75、3M-0.90→-0.95、長いとも小幅ながらポンドプット・ドルコールが拡大しポンド安の動きへ。

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