2018/07/20

2018年7月20日(金曜)昨日19日、海外市場の動き

2018年7月20日(金曜)昨日19日、海外市場の動き

トランプ大統領の発言で相場変動が再来!

CNBCインタビューで「禁じ手」のFRBへ注文?! 「利上げは好ましくない」との発言にドル売りへ急変。加え「強いドルは米国を不利な立場に置く」とドル高を批判。ただし、いつもながらホワイトハウスは火消しに躍起。

為替市場は、欧州・米国市場の序盤の午後9時半、強い米新規失業保険申請件数+フィラデルフィア連銀景況指数を受けたドル買いのピークをつけ、USDJPYは113円台を維持できず、EURUSDは1.16割れが底堅く利食いのドル売りが強まり伸び悩み傾向がみられた。

午前2時ごろ、トランプ大統領のサプライズ発言を受け、USDJPYは112.85→112.06まで急落(後に112.50台まで反発)、EURUSD1.1679へ急伸(後に1.1630台まで反落)。ホワイトハウスはいつもの通り火消しに動き、声明で「大統領はFRBの独立性を尊重、決定に干渉しない」としドル売りも収まる。

ただし、GBPUSDは一時1.3000の大台を割り込み前日比-0.4%近くの下落で反発は弱く流れはGBP売りで変わらず。ブレグジット交渉をめぐる政治的リスクに関する報道が続き、ブルームバーグの「英国が合意ないEU離脱でGBPUSDは最大8%の下落の可能性」を示唆。IMFは英国が合意ないEU離脱で「英経済がハードランディングの可能性が高まる」と指摘し、「EU経済は約2500億ドルの被害を受け、域内雇用者数の0.7%に相当する100万人を超える雇用が失われる可能性」を指摘するなどGBP売りの流れは変わらず。

一方、リスクに敏感な、AUD+NZD+CADは弱く、AUDUSDは一-0.58%近く、NZDUSD-0.75%近く、USDCAD+0.76%とドル高の流れに大きな変化は見られず。

USDJPYは、短期的には113円の大台を失敗し、トランプ大統領ドル高けん制発言も加わりテクニカルでも上値は重くなっている。ただし、111.50を割り込むまでは中期的なドル買いの流れは変わらず。

米株は下落、ダウ-134.79(-0.53%)、NasdaqとS&P500も0.4%近く下落へ。米債利回りは2.836%(-0.036)と低下、原油価格(WTI)は69.40(0.95%)近く上昇。

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USD 新規失業保険申請件数=20.7万件(予想22.1万件 前回21.4→21.5万件)→ 予想より改善へ

USD 7月 フィラデルフィア連銀景況指数=25.7(予想20.0 前回19.9)→ 予想と前回を上回る

USD 6月 景気先行指数=前月比0.5%(予想0.5% 前回0.2→0.0%)

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【北米】
ナバロ大統領補佐官=トランプ政権の対中通商政策について、新たな関税導入を含め、深刻な混乱を招いていない

トランプ大統領(米CNBCインタビュー)=「FRBの利上げは好ましくない」、「FRBの利上げは、ECBや日銀が緩和的な金融政策を維持していることで、我々に不利益を与える可能性があることを懸念」、→米国の大統領がFRBに注文をつけるのは異例の事態。 この報道を受けドル高の流れの中で、たまっていた短期的ドルロングの巻き戻しにドル売りへと急変。その後、ホワイトハウスは火消しに動き、声明で「大統領はFRBの独立性を尊重、決定に干渉しない」としドル売りも収まる。

トランプ大統領(米CNBCインタビュー)=強いドルは「米国を不利な立場に置く」とし、「中国人民元は底値を付けている」と示唆→ 利上げは好ましくないとの発言と合わせ、ドル売り+米債利回り低下の動きが一時強まる

ロス商務長官(19日)=米政府が実際に自動車と自動車部品に最大25%の輸入関税を導入するかどうか判断するのは現時点で尚早。→ 商務省は5月に米国に輸入される自動車と自動車部品が国家安全保障を脅かしているかどうか調査に着手。この日に同調査を巡る公聴会が開かれる。公聴会には日本、欧州連合(EU)、カナダ、メキシコの担当者に加え、自動車メーカーのほか業界団体の担当者ら約45人が出席する

【欧州】
ブルームバーグ=「英国は合意が成立しないでEU離脱を迫られる事態になれば、通貨ポンドは大きな打撃を受ける」とある。ハード・ブレグジットのリスクを気にしてなのか、GBPUSDは最大8%下落する可能性が指摘されている。

マルストロム欧州委員(通商担当)米国が自動車関税課せば「報復」=ホワイトハウスが仮にEUの自動車・自動車部品に年間約600億ドル(約6兆8000億円)の関税を課すと決定するようなことがあれば、それは通商交渉で優位に立つための「破滅的」で違法な動きだと批判
コンテ英首相=イタリアのユーロ加盟は後戻りできない。

英国が欧州連合(EU)から自由貿易協定を巡る合意がないまま離脱した場合、EUは域内総生産の約1.5%に相当する長期的な阻害を受ける可能性がある→ IMFの推計に基づくロイターの試算によると、英国の「合意なき離脱」が現実となった場合、EU経済は約2500億ドルの被害を受けるとみられる。また、域内雇用者数の0.7%に相当する100万人を超える雇用が失われる可能性がある。

IMF協定第4条に基づくユーロ圏経済の定期見直しで、ユーロ圏の経済成長はピークに達し、見通しに対するリスクは「特に深刻」になっていると指摘した。経済がハードランディング(硬着陸)する可能性が高まっているとしている。ユーロ圏では投資、消費、雇用創出がなお拡大傾向にあり、少なくともあと数年間は拡大余地が残っているとしながらも、内外のリスクは高まっていると指摘。「域内要因と世界的な要因の双方を反映し、最近の出来事によりリスクは下向きに傾いている」とし、「特に現在はリスクが深刻となっている」とした。そのうえで、全面的な世界貿易戦争のほか、英国が強硬姿勢で欧州連合(EU)離脱に臨む「ハード・ブレグジット」やユーロ圏各国における改革の失速などを巡るリスクを挙げ、「こうしたリスクが現実のものとなれば、経済はハードランディングに直面する可能性がある」と警告した。

【アジア・その他】
サウジアラビア政府=原油ストックは第2四半期にかなり減少。8月に原油輸出減少

中国外務省=中国は習近平国家主席が米中の貿易協議を足止めしているとした米当局者の批判について、事実無根だとして反論→ クドローNEC委員長は18日、中国習主席を批判し「習主席は通商協議を足止め、合意望まず時間稼ぎしている」と強硬発言していた。

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