2018/10/21

今週の為替相場を考える(10月22~26日)

今週の為替相場を考える(10月22~26日)

相場変動要因多数=イタリア予算をめぐる欧州委員会とイタリアとの対立、ブレグジット交渉をめぐるEUと英国との対立、カショギ氏をめぐるサウジと米国との対立、移民をめぐり米国とメキシコとの対立、変わらぬ米中貿易戦争と、米国の保護主義 等々!

これらのリスクがどのように変化するかで株価の変動と共に相場感を変えざるを得ず。ただし、米金利の上昇傾向は変わらず、米10年債は3.19%台と3.2%近辺を維持、米2年債は2.9%と10年ぶりの水準へ上昇。なのに、なぜか? 長期予想を見渡せばドル安支持が多い。

USDJPY 株価連動型で変わらず。米財務省の為替報告書は中国を為替操作国と認定せず、日本には大幅な対日赤字が続くことを懸念。円相場について「実質実効ベースでは相対的に安定しており、2013年前半以来の歴史的な安値圏でもみあっている」と指摘。現行水準では大きなプレッシャーを受けることもなさそう。通商協議では日本とは90日以内に具体的な交渉を開始、麻生財務相は通商協議で為替問題を入れずというも、現実問題として口先介入のリスクは消えず。結果、緩やかな円安は容認なのか? 
Daily、111.60~112.70のレンジかから112.00~112.70のレンジに底値を切り上げ嵩上げ中。
Weekly、112円割れで週間続けて跳ね返されており、株の予想外の下落がなければボトム感が強まっているが、111円台でクローズとなれば円高への動き再開も。

EURUSD 欧州委は各国から予算案を提出された後、1週間で「予算政策の義務項目についての特に深刻な順守違反」があるかどうか審査しなければならない。イタリアの提出日を15日とすれば、22日までに同国に具体的な懸念が伝えられる。
Daily、1.1433で目先はボトムアウトか? 1.1500の大台を維持できるかがカギ。
Weekly、3週続けて終値ベースでは1.15の大台を維持するも、1.1600の大台を維持できず1.1430~1.1600のレンジを継続中。1.1600台を回復できればボトムアウトの可能性が高まるのだか、現状では3対7でダウンサイドリスク変わらず。

GBPUSD 17~18日のEU首脳会議でもブレグジットを巡る交渉はバックストップを含め大きな進展が見られず。妥協案の移行期間の延長などを与野党は承認するのか?
Daily、1.3000をボトムに反発できるのか? コア1.30~1.3130のレンジをどちらに抜け出すか注目。
Weekly、なぜか過去5週間にわたり1.3100近辺が中心水準で上下変動しているだけ。中期的には1.2900~1.3300の400ポイントレンジで気長に考えざるを得ず。

AUDUSD リスクに弱い豪ドル。米中貿易戦争も目先は小康状態で、中国の成長鈍化と株安の影響も気になるがすでに織り込み済みなのか? 新たなリスク要因がなければ下げ余地も限定的では?
Daily、先週の0.7050割れをボトムに、前週の0.7100割れボトムにコア0.7100~0.7260のレンジで、予想外に底堅い。
Weekly、なんといったらいいのだろうか? 売り圧力は変わらずきれいなダウントレンド沿って下落中だが、0.7050~0.7350のレンジが続き、ついロングから入りたくなるが一筋縄で行かず。

USDCAD 弱いCPIと小売と原油価格の下げに、24日のカナダ中銀利上げ期待にもかかわらずカナダドルの強さは見られず。ただし、1.3100越えからロングにする気にもならず。
Daily、9月12日から上値が重かった1.3080を上抜け一時1.3132まで上昇し買いに勢いついているが、終値ベースでは1.31の大台ギリギリながら維持できず。1.3100台を維持できなければ再び下落へ。
Weekly、赤三兵(3週連続し大陽線引け)でカナダドルは弱い。ただし、オシレーター系では変転の期待もあり前回9月上中旬の高値1.3200台がトップとして維持できるか?