2018/10/16

2018年10月16日(火曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2018年10月16日(火曜)アジア・欧州市場序盤の動き

為替と株式相場の懸念材料となっていた一つの、「米国の日本に対する為替条項」の有無に関して、麻生財務相は「貿易交渉に現実問題として為替を入れるのは基本的にない」ときっぱり否定。基本が有効ではないトランプ大統領の姿勢だけにどこまで信じられるかは別として、市場に一先ず安心感が広まり、株高=円安の動きとなった。

ただ、もう一つの懸念材料で昨日はドル売りに過剰反応を示した、ジャーナリストのカショギ氏の失踪事件は「サウジ当局は同氏に取り調べを行ったところ誤って死亡させたとする報告書を準備しているという」報道も流れていた。サウジは「自国へ懲罰的な措置が取られれば、より強い措置で報復する」との声明を発表しており、原油価格を武器に戦う可能性を示唆した発言に今後の経緯が気になる。

そして、ブレグジット交渉は17~18日で本番を迎える。ブルッセルのEU首脳では、17日にトゥスク大統領主催夕食会(27か国首脳が出席)で、英国の離脱協定を承認するか話し合うと思われる。18日のメイ首相参加するEU首脳会議で、離脱後の英国とEUとの関係を定義する政治宣言について詰めの調整を行う。これからはちょっとした発言でGBPUSDが上下変動するリスクは高いが、個人的には何らかの合意を期待したい。それと、17:30時発表の米雇用統計もポンド相場にとっては強い変動要因なので要注意。

経済市場では、中国CPI前年比は2.5%(予想2.5% 前回2.3%)と上昇。NZCPIは前年比1.9%(予想1.7% 前回1.5%)と予想外に上昇しNZD急伸。発表前から上昇が続き、予想を上回りNZDUSDは0.6540台→0.6590台へ、NZDJPYは73.10台→73.70台へ急伸。そこからは上昇幅を縮めつつあるが、前日比では引き続き上昇力を維持。

豪中銀議事録では、「次の金利変更は下向きよりも上向きの可能性が高いが、インフレ率と賃金が引き続き抑制されていることから、目先は金利を変更する強い根拠はない」とややタカ派でもる。ただし、こちらもNZDUSDと同じく上昇力を維持することはできず、今週いずれ今週中に発表される米国の為替操縦国を意識しているのかは不明ながら、逆に前日終値0.7130近辺を割り込み0.7110台へ下落中。ところで昨日は米中間で為替操縦国に指定しないとの観測も流れていた。

さて、USDJPYは、株価と連動で変わらず。株安=一時111.73まで下落→株価上昇112.15台まで上昇。米国の日本に対する為替条項を材料として円高も、きっちり否定した麻生財務相(+菅官房長官+世耕経済相)もあり落ち着きを取り戻しているがトランプ大統領の本性は分からず。 一先ず円売りと変化するも、112.20~30の壁を抜けきれず買いの勢いも続かず。

日経平均株価は終盤にかけて反発、+277.94(+1.25%)。逆に中国株は弱く、上海総合-28.76(-1.12%)の下落。

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