2018/10/20

2018年10月20日(土曜)19日、海外市場の動き

2018年10月20日(土曜)19日、海外市場の動き

カナダドル沈没+ポンドとユーロの買いと円売りが復活。

弱いカナダCPI+小売に、カナダドル沈没、24日の利上げ期待は何処へ? 弱すぎる米中古住宅にも、米株はダウが何とか上昇を維持、米債利回りは再び上昇し2年債は2.9%台をついに達成し、カーニーBOE総裁は「米国の第4四半期の経済成長率は年率4%に達する可能性」と米経済を称賛、潜在的なドル買い材料へ。

ただし、英国はブレグジット交渉でアイルランド国境問題を取り下げる可能性にポンドは一時急伸、欧州委員会とイタリアはイタリア予算案で譲歩の可能性にユーロの買い戻しが続いている。

米株は上昇を維持できず。ダウは+64.89(+0.26%)と前日比で何とか上昇を維持するも、Nasdaq-36.11(-0.48%)、S&P500-1.0(-0.04)と弱い。米10年債利回りは3.192%と小幅上昇、2年債も2.9%台へと上昇。原油価格は高値から値を上げるも69.30台と69ドル台を維持。

相場変動要因=イタリア予算をめぐる欧州委員会とイタリアとの対立、ブレグジット交渉をめぐるEUと英国との対立、カショギ氏をめぐるサウジと米国との対立、移民をめぐり米国とメキシコとの対立、変わらぬ米中貿易戦争と、米国の保護主義。

EURUSDは、欧州委員会がイタリアに2019年予算案に関して説明を求める書簡を送りその返事待ちの状況の中、ムーディーズはイタリアを格下げした。今後の結果がどうなるかは不明ながらも、モスコビシ欧州委員会委員がイタリアの来年度予算を巡る対立を緩和したいと柔軟姿勢を示し、イタリア紙では財政赤字目標を2.4→2.1%に引き下げる可能性を示唆。EURUSDは欧州市場序盤の1.1433をボトムに下げ止まり、弱い米経済指標もあり米国市場に入り一時1.1535まで反発し1.1510台で終了している。

USDJPYは、アジア市場早朝の112.14をボトムに上昇が始まり、日経平均株価が下落幅を縮める中で112.54まで上昇。欧米市場に入っても特の大きな動きは見られないが、米株の一時上昇に112.65までの上昇してからは、112.37~60のレンジで推移。米債利回りの上昇傾向もあり積極的な円買いもみられず、クロスでは円売り圧力が強まっていた。


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CAD    21:30    CAD 9月 消費者物価指数=前月比-0.4%(予想0.1% 前回-0.1%)、前年比2.2%(予想2.7% 前回2.8%)、コア・共通前年比1.9%(予想1.8% 前回2.0%)、コア・中央値=前年比2.0%(予想 前回2.1%)、コア・トリム前年比2.1%(予想 前回2.2%)→ 予想外の結果にカナダドル急落

CAD    21:30    CAD 8月 小売売上高=前月比-0.1%(予想0.3% 前回0.3→0.2%)、除く自動車・前月比-0.4%(予想0.1% 前回0.9→0.8%)→ CPIと合わせ予想外の結果にカナダドル急落

USD    23:00    USD 9月 NAR中古住宅販売件数=515万件(予想529万件、前回534→533万件)、前月比-3.4%(予想-0.9% 前回0.0→-0.2%)→ 予想を下回り、マイナス幅は1月以来で6か月連続して前月比でマイナスへ。

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【北米】
カプラン・ダラス連銀総裁=利上げはあと2~3回の利上げで中立水準に達し、2019年6月までに実施される可能性がある。

ボスティック・アトランタ連銀総裁=地政学リスク全般として、ブレグジット交渉とサウジの動向を注視。堅調な米経済へのリスクはほとんど見られず、どこまでこの状態が続くか、先行きに大きな不安は存在しない。

【欧州】
カーニーBOE総裁=FRBは米経済の力強さを踏まえ利上げを実施。米国の第4四半期の経済成長率は年率4%に達する可能性がある。基調的なインフレ圧力の押し上げにつながる賃金の伸びが回復する可能性もある。

ブレグジット交渉を巡り、メイ首相は主要問題の一つであるアイルランド国境問題の要求と取り下げる用意がある(ブルームバーグ)。→ EUや経済界は歓迎する見通しだが、政権内では反発が起きる恐れもある

メイ英首相報道官=ブレグジット後の移行期間の延長案は一案に過ぎず、過大評価すべきでない。

メイ首相はアイルランド国境問題解決目指し移行期間延長に柔軟姿勢、合意なきEU離脱に備える11月の臨時首脳会議は開催見送り→ 離脱交渉を打開し、妥結に道を開く合意案に向けて少しずつ前進しつつあり、交渉進展の期待が高まっている。ブリュッセルでのEU首脳会議は突破口を開くには至らなかったが、ここ数週間広がっていた不透明感の中にわずかな希望の光が見え始めた(ブルームバーグ)

ロート独外務省国務大臣(欧州問題担当)=EUとドイツ政府はブレグジット後の移行期間延長を阻止するつもりはないが、延長だけで問題が解決するわけではない。

EUのバルニエ主席交渉官=障害となっているのは依然アイルランド問題でブレグジット合意は可能だが困難。

サルビーニ・イタリア副首相(イタリア紙)=予算案が欧州委員会から受領拒否を受けた、20日(土曜)の臨時閣議に欠席。予算案の変更には応ぜず。

欧州委員会=イタリアに2019年予算案に関して説明を求める書簡を送った。
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モスコビシ欧州委員会委員=イタリアの来年度予算を巡る対立を緩和したい。 イタリア政府の優先的な経済課題を理解している。イタリアの経済政策には干渉しない。イタリアが欧州委の異議にどう対応するか見極めることが重要。成長加速と債務削減という目標をイタリアと共有している。イタリア予算を巡る決定はまだ行われていない。→ イタリア債券の買い戻しが見られた。

イタリアの地元紙=イタリア政府は2019年の財政赤字の目標を現在の2.4%から2.1%に上方修正する可能性があり、与党の五つ星運動と同盟のアドバイザーが支持。

コンテ・イタリア首相=欧州委に対し懸念は過剰だと伝えるとし、2019年の予算案を変更する必要性はない。

ムーディーズ=イタリアの格付けを「Baa2」→「Baa3」に引き下げ、見通しは「安定的」→ EURUSDの相場の動きは見られず。

【アジア・その他】
中国金融当局者=株価の続落を受けたのか、口先介入でそろい踏み。中国副首相=米国と中国は貿易にかんして接触。中国人民銀行と銀行保険監督管理委員会、証券監督管理委員会の各トップが19日に声明を発表。

黒田日銀総裁=景気は穏やかに拡大しており、先行きも穏やかな拡大の可能性。長期金利変動容認は、政策の維持性強化につながる。7月の政策対応は2%の早期実現につながる。

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