2018/10/13

2018年10月13日(土曜) 12日、海外市場の動き

2018年10月13日(土曜) 12日、海外市場の動き

米株+米債利回りは一時の下げ幅を回復し4日ぶりに上昇、VIXも4日ぶりに下落しドルは続伸。週末の米国市場はリスク回避の巻き戻しへ。

為替相場は米株と米債に連動した動きで、結局はドル高傾向を維持し予想外に変動幅少ない。特に目立ったのはGBPUSD-0.636%と下げが目立ち、GBJPYも-0.592%の下げとなっている。

米株は大幅に上下変動しながら4日ぶりに上昇して終了。ダウは+287.16(+1.15%)、Nasdaq+167.83(+2.29%)、S&P500 +38.76(+1.42%)。米10年債利回りは一時3.184%まで上昇するも、米株の下げに3.129%まで下落、終盤かけて再上昇し3.158%と小幅上昇して終了。

米輸入物価指数は前年比+3.5%と上方修正された前回3.8%から低下するも高水準を維持。ミシガン大学消費者信頼感指数は99.0と若干弱いながらも高水準を維持。インフレ期待5年が2.3%と前回2.5%から低下し3月来の低水準なのが気になる。

発言では、ムニューシン米財務長官が人民銀行総裁に、「通貨は米中貿易議論の一部で米中通商協議では為替問題が議題に含まれなければならない」と述べ、最近の人民元の下落に懸念を表明し、来週の米財務省は「中国を為替操縦国に認定せず」との前日に観測報道が流れていたが、どうしても気になり円高材料になりやすい。

ドラギECB総裁(IMF年次会合)=今後数年のユーロ圏インフレについて、徐々に上昇する基調にある。→ ややハト派的な観測にEUR売りの材料となるも大きな材料ではない。いずれにしても17日のEU首脳会議でイタリア予算とブレグジット問題がどうなるのか? これがEURUSDとGBPUSDにとっては重要で、今日の調整的な動きは大きな変化とは思いにくい。

ブルームバーグの集計データでは、10日の米株下落時、米国株に的を絞ったETFには差し引き約20億ドルの資金が流入とあり米株が極端に悲観的になることもなさそうでもある。

GBPUSDは、前日比-0.636%と1.3150をNY市場の引け間際に割り込み1.3147で終了。来週のブレグジット交渉の合意期待に10月9日から上昇傾向が続き、アジア・欧州市場では一時1.3258の高値まで上昇した。これをピークに底堅かった1.3220~30を割り込むとロングの巻き戻しが強まり、米国市場に入り強い米輸入物価が引き金とは思えないが、来週のEU首脳会議を前にして利食い先行なのか、1.3200を割り込み、前日の安値1.3180台を割り込むと1.3150台まで続落し、引け間際には1.3146まで下落するも、底堅さを維持しており10日の安値水準とほぼ同水準で終了。

USDJPYは、前日比+0.039%と小幅高で前日とほぼ同水準で終了。株価に連想した動きに違いはないが、結局11日以降は大枠で111.80~111.50のレンジ相場を継続中。米株の上下変動にも予想外に動きは鈍く、アジア・欧州市場の112.50を高値に米国市場に入り株高にも112.30台越えの売りは厚く、米株下落に一時111.88まで値を下げるも、終盤にかけての米株高に112.20台を回復し112.18で終了、前日のほぼ変わらず。ただし、主要通貨でドル買い戻しが強い中で、クロスではGBPJPYの-0.59%を筆頭に結果的に円高傾向となっている。

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21:30    USD 9月 輸入物価指数=前月比0.5%(予想0.2% 前回-0.6→-0.4%)、前年比3.5%(予想3.1% 前回3.7→3.8%)→ 前回が上方修正され予想も上回る

23:00    USD 10月 ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値=99.0(予想100.5 前回100.1)→ 前回と予想を下回る

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【北米】
ブルームバーグの集計データ=10日の米株下落時、米国株に的を絞ったETFには差し引き約20億ドルの資金が流入し、中でもS&P500種株価指数に連動する最大のETF「SPDR・S&P500ETFトラスト」には25億ドルが集まった。→ 株式市場の広範な下げに歯止めをかけるほどの強さはないにしろ、押し目買いの動きが依然としてあることを示している。

ムニューシン米財務長官=人民銀行総裁に、通貨は米中貿易議論の一部で米中通商協議では為替問題が議題に含まれなければならないと述べ、最近の人民元の下落に懸念を表明。

ムニューシン米財務長官=トランプ米大統領、展望前向きなら習中国主席と会談へ。

【欧州】
ムーディーズ=ポルトガル格付け1段階引き上げる可能性との観測が流れる。

EU高官=イタリアは来年の財政赤字目標値がGDP比2.4%で収まるかは不明で、それ以上になるかもしれない。政策が詳細まで明らかにされておらず、最終的に赤字が膨れることもあり得る。また成長が鈍化する可能性もある

ドラギECB総裁(IMF年次会合)=今後数年のユーロ圏インフレについて、徐々に上昇する基調にある。→ ややハト派的な観測にEUR売りの材料となる。見通しに対するリスクとして、保護貿易主義やハードブレグジット。2%を下回る水準へのインフレ率の持続的収束が進むとともに、資産買い入れをネットベースで段階的に縮小しても維持されるとのECBの見方が、今後の情報で引き続き支持される。

ラムスデンBOE副総裁=EU離脱巡る不確実性の解消望む。離脱交渉は一段の計画が必要な重要な局面に差し掛かっている。合意がないままに離脱する(クリフエッジ型)ブレグジットに備え、極めて困難な状況への対応を計画しておく必要がある。中銀の中核的なシナリオは、ブレグジットが円滑に行われ、英経済が毎年1.75%近辺のペースで拡大する想定で市場ではあと2─3年は利上げが続くとの見方がある。

ハモンド英財務相=アイルランドのバックストップ阻止は一時的でなければならない。

IMF欧州局長=イタリアが現状であのような規模の財政緩和をするのは正しくないと考えている。イタリアは欧州の財政枠組みに沿った2019年予算を編成することが重要だ。

【アジア・その他】
中国外務省=安倍首相が25~27日に訪中。

黒田日銀総裁(IMF年次総会)=米長期金利上昇が市場の調整を招いたとの見方を指摘。

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