2018/10/27

2018年10月27日(土曜)26日、海外市場の動き

2018年10月27日(土曜)26日、海外市場の動き

強い米GDPでも株安連鎖は止められず。株安+債券利回り低下に一時円高が加速し、米GDP後から主要通貨でドル売りへと変化。

為替市場は、株安と米債利回りの低下が相場変動の材料とされ、USDJPY相場はほぼ連動。やや驚きは週末や月末近くの影響なのか、リスクオフの中でドルは全面安の展開となったことである。

リスクに弱い新興国通貨もドル売りへと動きが続き、USDTRYは-1.07%、USDZARも-0.15%、USDMXN-0.64%、USDCNYも-0.07%、AUDUSD(+0.10%)+NZDUSD(+0.04%)と通常はリスクオフで売られる傾向があり強弱の差はあるも0.1~0.2%台とドル売りに連動した動きとなっている。

ダウは-296.24(-1.19%)と、強い米GDPにも決算の悪影響もあり-200ドル近くの下落からスタートし-500ドル超まで下落、一時-70ドル近くまで回復するが終盤にかけては再度下落へ。Nasdaq-2.06%、S&P500 -1.73%と全面安。米10年債利回りは前日3.1167→3.0755%と、強いGDPにも回復力は弱く逆に一時3.05%台まで下落、終盤にかけ小幅回復するも限定的。

EURUSDは1.1403と前日比+0.26%で終了。ECB専門家予測調査では、インフレ見通しは1.7%と前回と変わらず、成長は2018年2.2→2.0%、2019年1.9→1.8%に下方修正とネガティブ材料に。ニスコビシ欧州委員が「イタリアのEUルールからの逸脱は前代未聞で、イタリアの国民は自らの債務を支払うべき」と手厳しい。欧州市場では欧州株安+債券利回りの低下が加速し一時1.1336と直近の安値を更新し続落へ。全面的なドル売りの流れへと変化なのか、米国市場に入り米金利の低下や株安もあり急速に回復し、終盤にかけては1.1420台まで上昇し1.1403で終了。

GBPUSDは1.2826と前日比+0.07%とほぼ変わらず。ブレグジット関連の材料では関係者の話として「ブレグジット協議が足踏み、メイ政権内で合意見出せず」とあり、英金融機関も相変わらずネガティブ材料が多い。欧州市場では一時1.2777まで続落。米国市場に入りEURUSDも上昇の影響を受け、米金利の低下や株安もあり1.2841まで値を戻している。

USDJPYは111.87円と前日比-0.46%の円高で終了と株価連動型の円相場が続く。大枠111.87~20のレンジ相場が続き、強い米GDPにも112.20台の売りは消えず。米株が下落からスタートし、ダウが一時-500ドル超と下げ幅を加速させ、米金利が低下すると10月15日の安値111.63を割り込み、111.50を割り込みストップの売りを誘発し一時111.38まで急落。米株が下げ幅を縮め一時前日比-70ドル近くまで値を戻すと112.10台を回復するも、米金利の伸びは鈍く、米株も再び1%超の下落となり111.71まで下落し111.87で終了。

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23:00    USD 10月 ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値=98.6(予想99.0 前回99.0)→ 予想を下回る

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【北米】
カプラン・ダラス連銀総裁=住宅販売の弱含みを注意深く見ている。段階的かつ辛抱強く中立スタンスへと移行すべき。成長は幾分穏やかになるとみている。

【欧州】
ECB公表の専門家予測調査(SPF)=インフレ見通しを2018~20年共に前年比1.7%と据え置くも、GDP見通しは2018年2.2→2.0%、2019年1.9→1.8%に下方修正。

関係者=ブレグジット協議が足踏み、メイ政権内で合意見出せず。

バニャイ・イタリア上院議員=イタリアがユーロ圏を離脱するリスクはない。ドラギ総裁がイタリアの銀行の健全性について懸念を示したことは「不適切」

ニスコビシ欧州委員会委員=イタリアのEUルールからの逸脱は前代未聞。イタリアの国民は自らの債務を支払うべき。赤字を増やす予算案は良いものではない。

クルツ・オーストリア首相=イタリアはEUを尊重することを望む。イタリアが第二のギリシャになるべきでない。

エルドアン・トルコ大統領=経済の財政危機が課題。

ラマボーザ南ア大統領=国内の課題を克服できないことはない。土地改革が経済を転換するために重要。成長や雇用創造に焦点を当てる。

ムーディーズ=南アの中期予算はクレジットネガティブ。財政見通しの悪化を示している。

【アジア・その他】

李中国首相=人民元の競争的な切り下げは望まない。

国家外為管理局(SAFE)が25日発表したデータ(ブルームバーグ)=中国本土の銀行による企業や個人などの顧客との外貨売買は1103億元(約1.78兆円)の売り越し。中国の銀行による顧客への外貨売却額が9月に2016年12月以来の高水準となり、人民元が下落する中で資本流出の兆しがあらためて示された。

中国株式市場が抱える72兆円リスク(ブルームバーグ)=中国企業の株式を裏付けとする融資を最も多く提供しているのが銀行と証券会社だ。中国本土株の値下がりが続く中で、主要なリスクの一つとなっているのがこうした株式担保だ。18日時点で5.4兆ドル(約607兆円)規模の中国株式市場で約4兆4500億元(約72兆円)相当の株式が担保として差し出されていると四川省成都の調査会社PYスタンダードは分析している

財務省、金融庁、日銀は26日午後4時から30分程度、国際金融資本市場に関する定例の情報交換会合を開いた。

複数の日銀当局者(関係者)=長期金利の上限は0.2%超を容認。日銀はボラティリティーの上昇や急激な金利上昇は望まず複数の日本銀行当局者から、現行の金融緩和策で操作対象とする長期金利について、多くの市場関係者が想定している上下0.2%を超える変動幅を許容する意見が出ている


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