2018/10/18

2018年10月18日(木曜)17日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

2018年10月18日(木曜)17日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

為替市場はドル全面高。米国はトルコ経済制裁解除への動きにトルコリラは全面高で、TRYJPYは20円台を回復。FOMC議事録は、政策がやや抑制的になる必要と、長期的なレベルを上回る水準へ一時的に引き上げるとの主張が混在。これを受けた直接的な反応は不明ながら、米株の買い戻し+米金利の続伸+原油価格の続落もあり、ドル買いの流れを継続中。

米株は弱いIBM決算もありダウは一時300ドル近く下落するも、下げ幅を回復し-91.74(-0.36%)で終了、NasdaqとS&P500 も0.03~0.04%と小幅安にとどまる。米10年債利回りは一時3.205%まで上昇と3.1633→3.1993%と大幅に上昇中。原油価格は一時70ドルを割り込み71.92→70.05%と、在庫の予想外の増加とサウジはカショギ氏の失踪を意識してなのか、原油供給不足の回避を確約とのOPEC事務局長の報道もあり大幅下落へ。

USDJPYは、アジア・欧州市場と大枠112.10~40のレンジで推移していたが、米国市場に入りダウが一時300ドル近く下落したこともあり、112.05まで下落。日米通商協議で、米国は具体的な通商協議の早期開始を望む声が強まる中、米株の反発+米金利の上昇に112.50を上回り112.60台と上昇中で、ボトムアウト感も強まる。

EURUSDは続落。アジア市場の1.15804を高値に、欧州市場では」1.1520台へ続落。欧州委員会は「イタリア政府が提出した予算案を否定することを決定」との報道が流れるなど、イタリア予算案はEU規律との疑念が広まり、格下げの可能性も広まる。米国市場に入っても下げ幅を拡大。欧州委からの書簡送付はモスコビシ委員とイタリア政府との協議後になると報道を訂正がながれるも、1.1500を割り込み1.1490台まで続落中。

GBPUSDも続落中。アジア市場の1.3192を高値に、欧州市場ではEU首脳会議の結果まちながらも、EU首脳会議待ちながらブレグジットについても、EUバルニエ首席交渉官「ブレグジットについての合意はまだない。我々にさらに時間が必要」との発言など、要人の発言が目立つ中で1.3100まで続落。米国市場に入り一時1.3149まで値を戻すも1.3110台で推移中。

USDTRYは、ポンペオ国務長官が対トルコ経済制裁について近く決定を下す。対トルコ制裁の一部はトルコが前週に釈放した米国人牧師のアンドリュー・ブランソン氏に直接関連すると思われる。USDTRYは5.6950→5.5309まで下落、USDJPYの上昇もありTRYJPYは19.65→20.23まで急伸し20.14近辺で推移中。

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21:30    USD 9月 住宅建築許可件数=124.1万件(予想127.5万件 前回122.9→124.9万件)、住宅着工件数=120.1万件(予想120.0万件 前回128.2→126.8万件)→ 予想を上回る

21:30    CAD 8月 製造業出荷=前月比-0.4%(予想-0.7% 前回0.9→1.2%)

23:30    USD EIA週間原油在庫=649.0万バレル(予想216.7万バレル 前回598.7万バレル)→ 予想外に在庫増に原油価格下落

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【北米】
ポンペオ国務長官(CNN)=対トルコ経済制裁について近く決定を下す。対トルコ制裁の一部はトルコが前週に釈放した米国人牧師のアンドリュー・ブランソン氏に直接関連するものだったと指摘。

ロス米商務長官=米中通商協議は休止状態にある。EUには新たな関税を課す意向はない。→ 11月のアルゼンチンG20首脳会議での合意期待が大幅に後退

トランプ大統領=歳出を削減へ、中間選挙後はインフラに焦点。中国には貿易協議の用意はない。サウジとの距離は置かない、テロとの協議にはサウジが必要。

クドロー国家経済会議(NEC)委員長=トランプ大統領はFRBの独立性に介入していない。意見を言う権利はある。パウエル議長が経済に対するFRBのモデルを混乱させている。

ライトハイザー通商代表部(USTR)代表=日本、英国、EUとの貿易協定協議を通じて、貿易・投資の拡大を図る。日本とは90日以内にできるだけ具体的な交渉を開始し、英国とはEU離脱後の来年3月以降に速やかに交渉を開始したい。

米国は日本、英国、EUと個別貿易区要諦を協議する意向(BBC)

FOMC議事録(9月26日)=政策金利の誘導目標を2.00〜2.25%に引き上げることが全会一致で決まった。経済が足元の予想通り進展した場合は年内あと1回、来年は3回前後の追加利上げが必要と大半の出席者はみている。需給バランスを取るために金利が長期的には2.75〜3.00%前後に落ち着くと、ほとんどの当局者が考えている。

FOMC議事録(9月26日)=利上げをどこまで進めるかを巡り当局者の間でより踏み込んだ議論が行われた。数人は政策が当面やや抑制的になる必要とし、他の幾人かはFF金利を予想する中長期的なレベルを上回る水準へ一時的に引き上げることが必要と主張。過半数は長期的に経済に対して中立とみられる水準を一時的に上回ることを支持。力強い景気で利上げの継続が正当化される。FRBの動きが米経済の安定的な成長を支えていることを示す証しに注目。中立金利」の正確な水準は不明。

【欧州】
カンフリBOE副総裁=英国の賃金の伸びは2.5─3%で安定しているが、3%を超えるのは困難になっているため、政策担当者はこのところの改善に過度に反応するべきではない

EU外交官筋(FT紙16日)=EUバルニエ主席交渉官は英国のEU離脱交渉を1年間延長も視野に入れている。その条件として、メイ首相がアイルランド国境問題でEUの対案を受け入れる必要が有る。

英紙デーリー・テレグラフ(15日)=ブレグジット交渉では、英国全体を「当面」EU関税同盟に残す内容の合意が実務レベルでまとまったが、閣僚らの支持を得られないとの懸念からメイ英首相が直前に待ったを掛けたことが分かった。

EUバルニエ首席交渉官=ブレグジットについての合意はまだない。我々にさらに時間が必要。

ルッテ・オランダ首相=ブレグジットを巡り多くの進展があった。アイルランド国境問題を今日中に完全に解決できると思わない。

メイ英首相=焦点は英国の北アイルランドとアイルランドの国境問題のバックストップ。

欧州委員会=イタリア政府が提出した予算案を否定することを決定との報道が流れる。

イタリア政府高官=2019年予算案が欧州委員会に否定され、格付け会社が格下げする可能性があると認識。

エッテンガー欧州委員会委員=イタリアの2019年予算案がEUの財政規律に沿っていないとの判断をすでに下したとする独誌シュピーゲルの報道を否定。

シュピーゲル誌=エッテンガー委員がインタビューで「イタリアの19年予算案はEU規律に沿ったものではないとの疑念が確認された」と報道。この見解を伝えるモスコビシ委員はイタリア政府宛の書簡が18日、もしくは19日に届けられると報じた。→ その後、記事を訂正。欧州委からの書簡送付はモスコビシ委員とイタリア政府との協議後になると報道を訂正。

【アジア・その他】
OPEC事務局長=サウジは原油供給不足の回避を確約。サウジアラビアがOPECに対し、原油市場が供給不足に陥らないようにすることを確約したと明らかにした。→ サウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏の失踪を巡り、OPECとサウジとの関係のほか、世界的な原油生産が何らかの影響を受けるかとの質問に対し、サウジのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相が15日にニューデリーでの会議で行った講演を引き合いに出し、サウジは供給不足に陥らないようコミットしていると指摘。

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