2018/10/30

2018年10月30日(火曜)29日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

2018年10月30日(火曜)29日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

週明けで月末近くの為替相場は、米個人所得・個人支出がやや弱くでてスタート。米株高に一時112.56まで上昇するも、米中貿易摩擦の激化のリスクを意識したのか株安に転換しても円買の動きは鈍くUSDJPYは112.30台を維持し+0.4%近く上昇。中国経済の後退リスクにAUDUSDは-0.40%下落。EURUSDとGBPUSDはメルケル独首相の任期後の引退宣言、ハモンド英財務相の秋期財政報告、イタリア格付けと財政赤字削減に向けた方策の模索に上下変動しながらも、前日比-0.2%台の下げと小幅な変動にとどまる。

米国は「米中首脳会談が不調なら」との条件付きながら「12月初めに中国からの輸入品リスト全てに新たな関税を課す計画」があるとの報道を材料にしたのか、自立反転なのは不明ながら、欧州株の上昇と米株の一時320ドル近くの上昇も空しく、米株は終わってみれば株は下落。

メルケル独首相は連邦議会選で惨敗し任期後の引退を表明、ハモンド英財務相はブレグジット条件で合意できれば緊縮財政を終了させる方針と、2019、20年の成長見通しを上方修正へとデジタルサービス税の導入へ。イタリアはS&Pが格付けを据え置く中、2019年の財政赤字削減に向けた方策を模索と相場変動の材料に。

欧州株の上昇と米株の一時320ドル近くの上昇も空しく、米株は終わってみればボトムから値を戻すもダウは-245.39(-0.99%)の下げで終了し、Nasdaqは-1.673%と下げ幅は大きい。一方、米10年債利回りは一時3.115%まで上昇から上昇幅を縮め3.0868%と前日とほぼ変わらず。原油価格は66.71ドルと軟化。

USDJPYは、株価連動型は変わらないものの感応度は鈍く、現状では株安にも円安水準を維持していることを注目。ダウが一時320ドル近くの上昇と米債利回りの上昇に112.40~50の売りを消化し一時112.56まで上昇するも、逆に米中通商摩擦の激化を意識したのか、米株の下落と米債利回りの低下と原油安に112.20をボトムで下げ止まる。結果は前日比では0.43%近くの上昇と円安水準を維持。

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USD 9月 個人所得=前月比0.2%(予想0.4% 前回0.3→0.4%)、個人支出=前月比0.4%(予想0.4% 前回0.3→0.5%)、PCE価格指数=前月比0.1%(予想0.1% 前回0.1%)、前年比2.0%(予想2.0% 前回2.2%)、コアPCE価格指数=前月比0.2%(予想0.1% 前回0.0%)、前年比2.0%(予想2.0% 前回2.0%)
金が浮く可能性もある。

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【北米】
関係者(ブルームバーグ)=米国はG20首脳会談で、米中首脳会議が不調なら12月初めに中国からの輸入品リスト全てに新たな関税を課す計画がある。→ 実施されると2570億ドルの製品が対象となり、60日間の意見公募を経て中国の春節の時期に当たる

米商務省=中国の福建省晋華集成電路(JHICC)に対する米国企業の輸出を制限したと発表した。同社の新型メモリーチップによって、米軍システム向けにチップを提供する米企業が脅かされる「重大なリスク」があると指摘

ロス米商務長官=海外企業が米国の国家安全保障上の利益に反する活動に関わる場合、われわれは国家利益を守るために強力な対応を取ると指摘

【欧州】
独ヘッセン州議会選挙=28日の独ヘッセン州議会選挙でメルケル首相のキリスト教民主同盟(CDU)と、国政での連立与党・社会民主党(SPD)が共に大敗→ 今年3月に心ならずも政権に加わったSPDは、ヘッセン州の得票率が第2次世界大戦後最悪となったことを受け、連立離脱の可能性をほのめかした。SPDは一部の国政世論調査で支持率が緑の党や極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」を下回っている。また、14日のバイエルン州議会選挙でも連立与党が大敗していた。

メルケル独首相(独メディア一斉に報道)=12月のCDU党首選に出場せず独連邦議会選にも出ない。独首相として引き続き任期を全うし主要退任へ、EUの役職も目指さない。→ 衝撃の決断は、独首脳として欧州や世界に影響を与えてきた時代の終わりが始まったことを意味する。2021年まで任期を全うできるかは、次期党首に左右される。12月の党首選では側近で現幹事長のクランプカレンバウアー氏が次期党首に選ばれれば、メルケル氏の首相続投は容易だが、かねての政敵フリードリヒ・メルツ氏であれば難しくなるかもしれない。

ハモンド英財務相(秋期財政報告書を議会に提出)=ブレグジット条件で合意できれば、緊縮財政を終了させる方針を示した、2019年GDP見通し1.3→1.6%、2020年1.3→1.4%に上方修正、デジタルサービス税の導入で2020年から年間4億ポンドの税収を見込む。GBPUSDは一時1.2853まで上昇から下落へ。

トリア・イタリア財務相=銀行セクターが危機に陥った場合、支援のために政府が介入する

イタリア格付=先週末にS&Pが格付けを据え置き、見通しはネガティブ。先にムーディーズは格付けを引き下げ、見通しは安定的で、共に懸念のジャンク級への引き下げはなかった。

イタリア政府筋=2019年の財政赤字削減に向けた方策を模索。→ 早期退職オプションと所得支援策に約170億ユーロが計上しているが、これら施策の実施時期など詳細は確定しておらず、改革に着手しなければ一部資金が浮く可能性もある。

【アジア・その他】
菅官房長官=29日午前の会見で、米国がイランとの原油取引について、各国にも停止を要請している件で日本企業への悪影響を避けるべく米国と協議しているが従来以上にあり得る事態を注意深く分析している

クガニヤゴ・南ア中銀総裁=ZARはかなり過小評価、2016年からの回復は予想より穏やか、政府の高債券は世界的な利上げ局面時で脆弱になる。実際的な政策でなく、国家がポピュリズに傾斜しすぎ


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