2018/10/06

2018年10月6日(土曜)5日、海外市場の動き

2018年10月6日(土曜)5日、海外市場の動き

米雇用統計と米貿易収支の週末金曜日。終わってみればドル高の流れを維持し、米株は下落しリスク回避に円とスイスが選好され+米金利の上昇にも新興国通貨は健闘するも、豪ドル+NZドルは5日連続の下げで2月の水準に逆戻り。ブレグジット交渉で「一筋の光明」なのかポンド高でGBPUSDは1.31台と9月26日以来の高値圏で、カナダドルは強いカナダの雇用統計と貿易収支にも関わらず弱く一時1.2950台まで上昇しUSMCAの暫定合意による上昇幅を大幅に縮めている。結果論ながら、GBPNZDロングが前日比で1.4%上昇と最大のパフォーマンスだった。

その米雇用統計は、雇用統計=失業率3.7%(予想3.8% 前回3.9%)、非農業部門雇用者数=13.4万人(予想18.5万人 8月20.1→27.0万人、7月14.7→16.5万人)、平均時給=前月比0.3%(予想0.3% 前回0.4→0.3%)、前年比2.8%(予想2.8% 前回2.9%)、労働参加率=予想62.7 前回62.7、週平均労働時間34.5(予想34.5 前回34.5)。

失業率は低下し1969年12月来となる49年ぶりの低水準へ、非農業部門雇用者数は予想外に弱いが、募集しても求人が埋まらない状況で前月と前々月は大幅に上方修正へ、平均時給は前月比の前回が下方修正されるも予想と変わらず、前年比は9年ぶりの大幅増となった前回をやや下回るが予想と変わらずで、ハリケーンの影響の可能性があるが雇用の伸びが持続可能なペースに落ち着いてきている可能性も。

米貿易収支は、-532.37億ドル(予想-535億ドル 前回-501→500.37億ドル)と前月比6.4%拡大へ。金額ベースでは6か月ぶりの高水準で3か月連続し赤字額が拡大。中国の赤字額は調整前で386億ドル(前月368億ドル)に拡大し過去最大。トランプ政権が「米国第一主義」の政策を掲げているにもかかわらず貿易赤字は拡大し続けており、米中貿易戦争につながっている。実質の貿易赤字を示すインフレ調整後の貿易赤字は862.81億ドル(前月824.44億ドル)と、2006年1月以来の高水準となった。


ダウ--180.43(-0.678%)、Nasdaq-91.06(-1.16%)、S&P500も-16.04(-0.55%)下落へ。米10年債利回りは3.23%へと上昇、2年債も2.889%と一時2.905%まで続伸。

USDJPYは、アジア・欧州市場を通じて113.80~10のレンジで推移。米雇用統計の発表直後は、113.76~114.08と上下変動しながらも、米金利が上昇する中で、米株安の影響なのか113.56まで続落し、ロンドンクロージングタイムでようやく下げ止まり、一時113.83まで反発から113.70で終了へ。ロイターの「緩やかな上昇ペースによる長期金利の一定程度の上昇を容認する」との報道も気になる。

USDCADは、アジア・欧州市場を通じて1.2915~40の狭いレンジで推移。カナダの雇用統計では発表直後1.2887~1.2955を大幅に上下変動し、結局はこのレンジを共に抜け出せず1.2939でクローズと強さは見えず。雇用者数が予想の2倍超の伸びとサプライズするも、パートタイムの増加にとどまり、平均時給=前年比2.2%(予想2.6% 前回2.6%)と弱く直後の反応は買から売りへと変化、米雇用統計の影響も強く受けている。

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【北米】
パーデュー米農務長官=日本との通商交渉では環太平洋連携協定(TPP)などの水準を上回る市場開放を求める→ 茂木経済相は9月末の日米首脳会談の共同声明の齟齬はないと発言

ペンス米副大統領=自由貿易協定(FTA)と位置付けているのでは→ 「FTAとの言葉は使っておらず、『ディール』と『アグリーメント』は明らかに異なる」と説明した

クドロー米国家経済会議(NEC)委員長=トランプ大統領は来月末のG20サミットで中国の習近平国家主席と会談する。貿易問題に関して協議するとしている。「話さないよりは話したほうが良い。ただ、会談は真剣なものでなければならない」

ボスティック・アトランタ連銀総裁=FRBは利上げを継続し金融政策を正常化させるべき

ウィリアムズNY連銀総裁=中立金利水準に到達するまで、まだ長い道のりがある。力強い雇用がこの先も続くと予想。インフレ圧力は見られていない、懸念せず。中立金利の水準がどこなのかは不明。中立金利は政策を考えるうえでの一つの目安。

カプラン・ダラス連銀総裁=来年の6月までに3回の利上げを見込む。これから経済と見通しが非常に違った年になる可能性

【欧州】
ブラデスコ・スロベニア中銀副総裁=世界経済の悪化が「さほど深刻」ではないため、ECBが資産買い入れプログラム終了の指針を変更する可能性は低い

EU関係者(ロイター)=英EU交渉担当者は離脱交渉の合意が非常に近いと認識。

EUの欧州委員会はイタリアの財政目標を懸念=ドムブロフスキス王崇委員会副委員長とモスコビシ欧州委員が署名し、イタリアのトリア経済財務相宛に送ったもので、イタリア当局が予算案で共通の財政規律を確実に順守するよう呼び掛けるとともに、措置の詳しい内容を心待ちにしている。

ディマイオ・イタリア副首相=内閣改造は予定していない。トリア財務相は忠実に職務を遂行している。欧州委員会がイタリアの予算案に否定手的な理由が理解できない。

ベルトー欧州委員会報道官=15日期限のイタリア予算案は提出後にEUとして対応を明らかにする。

【アジア・その他】
ロイター= 米国の金利上昇を受けて、足元では日本の長期金利にも上昇圧力がかかっている。この状況下で日銀は、市場機能の改善を促す観点からも、緩やかな上昇ペースによる長期金利の一定程度の上昇を容認するとみられる。長期金利の誘導目標であるゼロ%程度の範囲を逸脱しない限り、超長期ゾーンの金利には一段の上昇余地がありそうだ。

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