2018/10/16

2018年10月16日(火曜)15日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

2018年10月16日(火曜)15日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

注目の米株は軟調で米国の対日為替条項の話もありUSDJPYは111.70台で円高傾向変わらず。弱い米小売売上高もありドルは軟調推移。

カナダ中銀企業景況感調査が予想外に強くUSDCADは一時急落。NZDNZDは0.7%上昇するも、他の主要通貨は織り込み済みなのか結果待ちなのか相場の変動要因は多数あるも以外にも動きは鈍い。

◎ムニューシン財務長官は【対日為替条項】を求める。
◎米財務省の【為替報告書】
◎【バイエル州議会選挙で連立与党大敗】しメルケル首相の難民政策を批判。
◎トランプ大統領の譲歩もなく【米中貿易摩擦の長期化】。
◎欧州委員会は財政赤字削減を求めイタリア内閣承認が16日に延期された【イタリア予算案の懸念】
◎17~18日のEU首脳会議を直前に控え、アイルランド国境問題で【ブレグジット交渉難航】。
◎トルコジャーナリスト失踪問題で【サウジと西側諸国との緊張高まる】。

米株は終盤にかけ下落、ダウ-89.44(-0.35%)、NasdaqとS&P500も低下へ。米10年債利回りは3.155%、2年債も2.865%と小幅低下し推移中。原油価格は71.68と小幅上昇、VIXは21.30で推移しほぼ変わらず。

USDJPYは、アジア市場の1112.23を高値に軟調か株価と、ムニューシン米財務長官が13日のG20会議の終了後、通貨安導入を防ぐための「為替条項」を日本との新通商協議で求めていくと発言したこともあり、円買い圧力が続き、欧州市場で一時111.63まで下落。弱い米小売売上高もあり一時111.93まで反発するも、米株も強さが見られず終盤にかけては下落し、112円台を回復できず大枠111.65~95のレンジで推移。米財務省の為替報告書待ち。

GBPUSDは、17~18日のEU首脳会議を前にして、ブレグジット交渉が主テーマ。トゥスクEU大統領から「EUはブレグジット協議で合意なき離脱シナリオに備えるべき」との発言。メイ英首相から「北アイルランド問題を含めブレグジット交渉で実際進展がみられるが、重要な2~3の問題が残る」との発言など、ポンド売りの材料ながら実施の動きは、週明けオープン直後の1.3080台をボトムにアジア・欧州市場では一時1.3180台まで続伸。米国市場に入り一時1.3128まで値を下げるも売りは限定的で大枠1.3130~70のレンジで収れんし1.3150台で推移。

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21:30    USD 9月 小売売上高=前月比0.1%(予想0.6% 前回0.1%)、除く自動車・前月比=-0.1%(予想0.4% 前回0.3→0.2%)→ 予想を下回り、コアは昨年8月以来のマイナスで前回も下方修正で、ドル売りの材料となる

21:30    USD 10月 NY連銀製造業景気指数=21.1(予想19.0 前回19.0)→予想を上回る

23:00    USD 8月 企業在庫=前月比0.5%(予想0.5% 前回0.6→0.7%)

23:30    CAD カナダ中銀企業景況感調査(2018年秋ビジネスアウトルック調査7~9月期)=15.0(予想 前回6.0)→ 前回を大幅に上回り、近い将来のビジネス見通しが引き続き堅調であることを示唆、強い需要と高い能力の圧力は、企業の投資と雇用の意図を支える。→ この結果を受け、USDCADは1.3025→1.2955まで急落。

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【北米】
トランプ大統領(14日CBSの番組「60ミニッツ」でのインタビュー)=さらなる対中関税を課す可能性がある。中国による米政治介入は2016年の米大統領選に対するロシアの干渉よりも「一段と大きな問題」。中国がわれわれと公平な取引を交渉することを私は望むし、米市場と同様に中国が市場を開放することも望む。政策の組み合わせの中に追加関税も含まれる可能性があると発言した。

CBSの番組「60ミニッツ」でのインタビュー抜粋=トランプ大統領は就任後2年ほどの間に政権を去った人数に触れ、その数はさらに増える可能性があるとの考えを示し、マティス国防長官が政権を離れることを計画している可能性があるとの見方を示唆した上で、「民主党員のようだ」と評した。

米財務省2018年会計年度の財政赤字=前年度比17.0%に拡大し6年ぶりの高水準。

【欧州】
ドイツ南部バイエルン州の州議会選挙(14日開票)=メルケル独首相のキリスト教民主同盟(CDU)と統一会派を組む同州の地域政党、キリスト教社会同盟(CSU)が大敗。得票率が歴史的な低水準となり、有権者の既存政治勢力離れが如実となった。メルケル首相率いる連立政権にとって新たな打撃だ。 → 今回の選挙では、CSUに失望した有権者の受け皿となった緑の党と極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が躍進した。環境政党で難民の受け入れに寛容な緑の党が前回より9.9ポイント高い18.5%で第2党になる見込みだ。極右のAfDは11.0%で第3党に迫る位置につけている。こうした傾向はバイエルン州だけにとどまらない

英ラーブEU離脱担当相とEUバルニエ主席交渉官が週末に会談=アイルランド国境で隔たりを埋められず不調に終わる。

ハント英外相=英国のEU離脱で、合意は可能だが、まだ問題が残っている。

北アイルランドの民主統一党(DUP)の幹部=英国の合意なきEU離脱(ブレグジット)はおそらく避けられない。

EUは17~18日に首脳会議を開催。トゥスク大統領によると、初日の夕方に英国のメイ首相が離脱方針について他の27カ国に説明し、その後、27カ国の首脳でバルニエEU首席交渉官の助言に基づき今後の交渉の進め方を討議する。

トゥスクEU大統領=ブレグジットは予想以上に複雑。EUはブレグジット協議で合意なき離脱シナリオに備えるべき。

メイ英首相=ブレグジット協議は最終局面に入った。アイルランド国境問題を巡る見解の不一致で交渉が軌道から外れることがあってはならないとし、向こう数週間で合意を得ることはなお可能。北アイルランド問題を含めブレグジット交渉で実際進展がみられるが、重要な2~3の問題が残る。

欧州委員会が財政赤字削減を求める中、今日15日提出期限のイタリア財政赤字のGDP比率2.4%を修正せずに提出する。欧州委員会からの反発は必至。

イタリア、2019年予算案の内閣承認は15日から16日に延期。

アルバイラク・トルコ財務相=年末までにはインフレは下降トレンドになるだろう

サウジアラビアの反政府記者ジャマル・カショギ氏がトルコで行方不明になった問題(CNN)=サウジ当局は同氏に取り調べを行ったところ誤って死亡させたとする報告書を準備しているという

【アジア・その他】
茂木経済財政担当相(14日)=ムニューシン米財務長官が日本との通商協議において、為替条項の導入を要求すると発言したことに対し、日米間で為替が問題になっていないが、必要な議論は為替が専門である財務相同士で議論していくとの見通しを示した。→ ムニューシン米財務長官は13日、インドネシアのバリで開催されたG20会議の終了後、記者団に対し、通貨安導入を防ぐための「為替条項」を日本との新通商協議で求めていくとの見解を示していた

黒田日銀総裁(13日)、金融緩和からの出口戦略の開始を知らせる準備が整った際は、金利目標の変更という形で明らかになるだろうと語った。黒田総裁が、将来の出口政策について明確に述べるのは異例。一方、今のところ現行の低金利政策を継続するとも強調した。

麻生財務相=為替の話は財務大臣間で緊密に話し合っていくと決まっている。


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