2018/12/15

2018年12月15日(土曜)14日、海外市場の動き

2018年12月15日(土曜)14日、海外市場の動き

米株大幅安、米金利は低下、原油価格は下落。為替相場はアジア市場の弱い中国の経済指標にAUD+NZDが続落し、欧州の景況感悪化からEURが下落しドル買いをリード、EU首脳会議の期待が剥離し(予想通りではあるが)GBPも続落。米国市場に入り米国の景況感の悪化と週末前のポジション調整でドル買いは続かず。ナバロNTC委員長の「FRBは動くのが早すぎる」と19日のFOMCを前にけん制発言も飛び出す。USDJPYは米株大幅安と米金利の低下にドル高の中で比較的健闘するも、相変わらず動きは鈍い。

ダウは-496.87(-2.02%)、Nasdaq-2.26%、S&P500-1.91%と大幅安。米10年債利回りは一時2.87近くまで下落から2.89%と反発するも前日の2.913%から低下、2年債も2.73%と前日2.762%から低下。原油価格(WTI)も弱く一時50.84まで下落し51.10近辺で推移。

米小売売上高は前月比0.2%(予想0.2% 前回0.8→1.1%)、鉱工業生産は前月比0.6%(予想0.3% 前回0.1→-0.2%)、設備稼働率は前月比78.5%(予想78.6% 前回78.4→78.1%)、総合PMI・速報値=53.6(予想 前回54.7)、製造業PMI・速報値=53.9(予想55.1 前回55.3)、企業在庫=前月比0.6%(予想0.5% 前回0.3→0.5%)。

AUDUSDは、アジア市場で0.7228の高値から弱い中国の小売売上高と鉱工業生産を受けて下落した流れに米国市場では一時0.7151まで続落。弱い米景況感と中国の米自動車と部品へ追加関税3か月間停止報道を受けやや回復するも、0.7180台を戻り高値に米株安の流れに反発力も続かず0.7175台で終了。

GBPUSDは、メイ英首相が背水の陣で臨んだEU首脳会議は、結果的にメイ英首相の要請を退け、合意なき離脱への準備を加速する方針を明示。早朝の1.2660台をピークにアジア・欧州・米国市場の序盤まで続落し一時1.2530まで下落。米景況感も弱く、週末のポジション調整も強く1.2580台まで値を戻して終了。

USDJPYは、注目の日銀短観は、業況判断は強く先行きは弱く反応は限定的。日経平均株価の下落に円高傾向が続くもアジア・欧州市場は大枠113.40~70のレンジで推移。米国市場に入り米株が下落からスタート、続落傾向の株価と米金利の低下に一時113.21まで下落するも113円の壁を破るに至らず。主要国通貨が終盤にかけて反発すると113.40近くまで値を戻す。結局は大枠113.20~70のレンジで期待を裏切る通貨。

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18:00    EUR 12月 総合PMI・速報値=51.3(予想52.8 前回52.7)、製造業PMI・速報値=51.4(予想51.9 前回51.8)、サービス業PMI・速報値=51.4(予想53.4 前回53.4)→ 予想を大幅に下回る

19:00    EUR 第3四半期 労働コスト=2.5%(予想 前回2.2→2.3%)
22:30    USD 11月 小売売上高=前月比0.2%(予想0.2% 前回0.8→1.1%)、コア前月比0.2%(予想0.2% 前回0.7→1.0%)→ 予想と変わらず

23:15    USD 11月 鉱工業生産指数=前月比0.6%(予想0.3% 前回0.1→-0.2%)、設備稼働率=前月比78.5%(予想78.6% 前回78.4→78.1%)→ 予想を上回るが前回は下方修正へ

23:45    USD 12月 総合PMI・速報値=53.6(予想 前回54.7)、製造業PMI・速報値=53.9(予想55.1 前回55.3)、サービス業PMI・速報値=53.4(予想54.7 前回54.7)→  予想と前回を大幅に下回る

0:00    USD 10月 企業在庫=前月比0.6%(予想0.5% 前回0.3→0.5%)、企業売上高=前月比0.3%(予想 前回0.4%)→ 在庫は予想と前回を上回る

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【北米】
トランプ大統領が、個人弁護士のコーエン被告に女性スキャンダルの口止め料の支払い場所に同席していたとの報道が流れる。

トランプ大統領、中国はたった今、我々と貿易戦争で経済が弱含んでいると発表した、中国は米国への関税引き上げを延期した、米国はよくやっている、中国は大規模な包括的なディールを求めている。

ナバロNTC委員長は、FRBは動くのが早すぎる。

ポンペオ国務長官、中国に拘束中のカナダ人二人の釈放を要求。

【欧州】
EU首脳会議、将来的な危機を回避するためにユーロ圏の統合深化に向け歩を進めることで合意。ただユーロ圏共通予算や預金保険制度などの重要事項を巡る見解の相違は埋められず、決定は先送り。

EU首脳会議 (13日)=英EU離脱案に懐疑的な英議会の支持獲得に役立つ新たな保証を求めていたメイ英首相の要請を退け、合意なき離脱への準備を加速する方針を明示。①メイ首相は13日のEU首脳会議でバックストップの失効日の設定を提案し、代わりに英国とEUの間で将来の関係開始日を設定するプランを提案。②ユンケル欧州委員長は英国の合意なきEU離脱に備えた文章を19日に公表する予定。再交渉はないとの姿勢を再度強調。バックストップ(安全策)が実際に発動されることがないよう、合意案が承認され次第、新貿易協定の協議開始を約束。③バックストップの案税策は、アイルランドのハードボ-ダーを回避し、単一市場の保全を図るための安全策で、回避を確実に合意できるまでの一時的なもので、発動されても永続的な措置とならないよう、EUと英国は2021年までに新たな合意を目指す。。④トゥスクEU大統領は、EUは11月の離脱協定案を支持、英国と再交渉はしないだろう。

メイ英首相は、EUの結論を受け、さらなる明確化と討議は実際に可能だと言い(ただし、問題はまだ片付いておらず、英議会が承認に必要)。トゥスクEU大統領は合意案で再交渉はせずと言う。①修正がなければEU離脱協定は危機にさらされ、英国はできるだけ早く合意する必要がある。②EUはこの案を正しいと考えており、バックストップ案が引き起こすことを望んではなく、一時的なものとしている。③1月21日より前に議会で採決する、事態は結末が近付けばより難しくなる。

EU首脳、メイ首相の要求に応じる代わりに姿勢を硬化させ、バックストップ条項に「追加的な保証を付けられるかどうか検討する」という事前の声明草案の一文を削除。これを受けて英ポンドは下落

【アジア・その他】
中国財務省、米自動車と部品への追加関税は、来年1月から3か月間停止。中国と米国がすべての追加関税撤廃に向け交渉を加速させるよう望むと表明。米国から輸入する自動車および部品(144項目)への25%の追加関税と自動車関連製品(67項目)への5%の追加関税を2019年1月1日から3月31日まで停止する。


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