2018/12/16

最新のIMMポジションから見えること、2018年12月15日(日)

最新のIMMポジションから見えること、2018年12月15日(日)

主要7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイス、カナダドル、豪ドル、NZドル)の11月27日集計日では、投機的ポジションは前週比で-315,075→-287,020へと変化し、前週比では+28,055コントラクトと、マイナス幅が減少しているのが特徴です。

この数字ですが、3月20日に米中貿易戦争が激化して円買いが加速し、前週比で104,291と超大幅に通貨の買い越し(ドルの売り越し)が急増した数字にはとうてい及びませんが、6月12日の21,720を上回る大きさになっています。

不思議なことで、為替市場では前週比でスイスを除くドルは全面高となっていますが、IMMポジションでは逆に、ブレグジットで揺れるポンドを除き、円を筆頭に他の通貨全てで前週比でショートが小幅ながら減少しています(ドルの売り)、短期的なポジション調整なのかもしれませんが、これは何を意味するのでしょうか? 

円の上昇幅は12,160と10月16日の14,580 に次ぐ数字となっています。ただ、全体でみれば引き続きネットでの通貨のショートは大きくドル高思考に変化は見られません。

米商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物の公表日は毎週火曜日で、週末とは3日間のずれがあります。そのため、短期的な動きを捉えることはできませんが、市場全体の流れを判断するには利用価値は高いと思います。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


円 前週109,766→-97,606(12,160)(集計日の終値 前週112.776→113.368)
6月19日以降、26週間続けて円の売り越しが続いており、10月以降は9万~11万台で推移と超安定の推移ともいえるでしょう。円換算のドルロングポジションも12週間にわたり100~120億ドル台で安定しており、為替市場でも過去13週間は112~113円台での推移となっています。


ユーロ 前週-60,776→-56,287(4,489)(集計日の終値 前週1.13422→1.13167)
10月2日以降、11週間続けてユーロの売り越しが続いており、今回は前週比で売り越し額が若干減少しています。ただ、過去4週間の推移をみると9月18~12月4日の12週で11週間は前週比で小幅ながら売り越し額が拡大しています。


ポンド 前週-39,750→-42,419(-2,669)(集計日の終値 前週1.27143→1.24860)
6月19日以降、26週続けてポンドの売り越しが続いてますが、ブレグジットで揺れるポンドや先行きの悲観的な見通しにもかかわらず、9月18日の-79.258をピークに売り越し額は伸びず、過去5週間は約4万~5万台の数字にとどまり、為替相場のGBPUSD下落にもポジションがついていけないでいるのか? それとも、そろそろ相場の転換で売り越し額を拡大していないのでしょうか? 多分、どちらに転ぶか先行きが見えず、現行のショートポジションを維持しているだけなのでしょう!


カナダドル 前週-12,936→-11,669(1,267)(集計日の終値 前週1.32618→1.33898)
3月27日以降、38週続けてカナダドルの売り越しが続いています。今回は前週比で若干売り越し額が減少していますが、11月6日から前週まで売り越し額が増加傾向にあり、市場センチメントに大きな変化は見られません。


豪ドル 前週-50,755→-45,531(5,224)(集計日の終値 前週0.73374→0.72042)
4月3日以降、37週続けて豪ドルの売り越しが続いていますが、11月6日の-70,412から6週連続し前週比で売り越し額が減少しており、市場のセンチメントに変化があるのか? 最も中国と債券利回りとの関連性が高くのこの流れ次第の可能性も。


詳細はデータをご覧ください

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
X