2018/12/30

今週の為替相場を考える(12月31日~1月4日)

今週の為替相場を考える(12月31日~1月4日)

今週から2019年の新年を迎える。「今週の主な材料」の中でも語っていますが、2018年末から引き継いでいる相場変動要因は、今後どのように変化すのか?とりあえずは、今までの相場が変動した材料が、年初から急変するとは考えにくいでは?

例年のパターンに当てはめれば次の通りと思っている。①年始は、年末の相場要因と変動の流れをひとまず受け継ぎ、どこまで行きつくかを試す。②後追いの動きが活発になり、ポジションが一方向に膨らむ。③クリスマス明けの年末から仕込んだ大手投機筋が一斉に利食いに入り、後発組はロスカットを余儀なくされ結局は元の水準に逆戻り。④その後、再び市場が望んでいる、あるいは、テクニカルで示す方向に相場が動く。

材料を掲げるとすれば以下が考えやすい。
①トランプ節が飛び出すのか?(いつもながらツイートには注意!)
②英国のEU離脱案は?(1月2日にメイ首相と閣僚と協議?英議会は1月9日に離脱案の審議を再開し、1月14日に採決へ!)
③一部で閉鎖されている米政府機関は?(メキシコ国境の壁を建設するか、国境を閉鎖するかのどちらかと主張中)
④米中通商協議は?(1月7日に、米財務次官らが北京へ向かい協議再開へ!サプライズがあるのか?)
⑤日米通商交渉は? (USTRは12月22日に、2019年に始まる年間7兆円の対日貿易赤字の削減に向け、日米通商交渉の対日要求事項を正式に発表している。それには、自動車の現地生産拡大を要求、為替相場の抑制、農産物交渉、サービス産業等で、1月下旬から交渉を開始)円高圧力は?
⑥それらを含めた、世界的な株価の下落は? 安全資産としての国債価格の上昇(利回り低下)は? 原油価格の下落は?

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USDJPY

先週は、クリスマス休暇の不確実性が高い中で、株安の影響を大いに受け、リスク回避の円買いに9月中旬から続いた111.50~114.50のレンジの下限を割り込み、110.00~111.50のレンジ相場ながら、終盤にかけては円高で110.00の大台を試さずには終わらない状況で終了している。

「株価と円相場」連動性は投機筋の錦の御旗となっている。「リスク回避の円買い」も引き続き有効と思われ、米中通商協議、日米通商協議、英国のEU離脱案の議採決の1月開始を考えれば、「株価が急反騰する状況を除き」、円買いがどこまで進むのかを試す動きが予想できる。

クリスマス以降の円買いが拡大し、円ロングが極端にたまれば、一時的に111円台前半まで反発する可能性は残るも、円高の方向性に大きな変化は考えにくい。

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EURUSD

先週は、イタリア予算案は無事に鞘に収まり、フランスの大規模デモも収束気味。英国のEU離脱案の審議と1月14日の採決のリスクを意識したのかEURGBPが上昇し、EURUSDは大枠1.1350~1.1475のレンジに収まり、1.1500の大台は非常に重く、1.1300~50以下の買いが強いことが再認識されている。

新年入りの今週も、ブレグジットの材料をきにしながらもこのレンジを抜け出すようなサプライズは期待できにくい。テクニカルでは中期的な上昇、長期的な下落と、相反する方向性に逆張り組が多数存在するのではと考えたいが、このレンジを抜け出した方向に動きが加速しやすいのでは?

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GBPUSD

12月に入り1.2480割れのボトムからゆるやかな反発、ブレグジットを巡る不安材料じゃ十分織り込み済みなのか、先週は大枠1.2600~1.2750のレンジで推移し、年末年始の相場としては予想外に安定。

新年入りの今週は、年始から「1月2日にメイ首相と閣僚と協議(?) 英議会は1月9日に離脱案の審議を再開し、1月14日に採決」へと重要日程が迫っていることもあり、どうしても積極的なGBP買いが期待できるかは疑問で、ネガティブ材料に飛びつき売りから入り、直ぐにクローズする動きになりそう。個人的・長期的には再国民投票でブレグジット中止にでもなれば、それはそれでGBP相場が面白くなるのだが!

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AUDUSD

先週は、米中通商協議の再開で「期待と不安」が混在し、大枠0.7020~0.7080の狭いレンジで推移。原油価格の下げ止まりや米・豪10年債利回り格差が縮小したことによるAUD買に反して、株価の下落によるリスク回避のAUD売りも強く、0.7000の大台を強く意識した流れたとなった。

新年入りの今週は、中国発の経済指標が多くその結果を気にしながらも、米中通商協議の再開に向けた動きや、商品価格の動き、株価との連動性を意識した展開になりそう。10月中旬と先週の安値となる0.7020を強く意識しながら、目先は下値を試しどこまで下げるのかを確認した後の反発を期待するも、戻りが弱ければさらなる下落を意識せざるを得ず。

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