2018/12/07

2018年12月7日(金曜)6日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2018年12月7日(金曜)6日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

世界的な株安と金利低下は続くも、米国は休み明け、懸念の米株と米金利の下げ幅は弱まり胸をなでおろす。ただし、ファーウェイCFO逮捕劇、米中貿易戦争の休戦(?)策をめぐり、不安感心理は払しょくできず。

米貿易赤字は拡大し10年ぶりの高水準で、対中赤字は過去最高。米ADP雇用統計は弱く、米製造業新規受注は大幅減少で昨年7月以来のマイナス幅。米耐久財受注も弱く、米単位労働コストから賃金の伸びが弱まる。強いのは米総合PMIと米ISM非製造業景気指数。

為替相場は、株価と債券相場に連動した通貨の変動が続く。欧州株と米株先物の続落や債券利回りの低下に「リスク回避通貨売り・円買い」が続き、米国市場に入り株安と債券利回の低下が収まると「リスク回避通貨買い・円売り」へと変化。

ただし、傾向とした円買いの流れは払しょくできず、AUD+NZD+CAD安の流れも回復しきれず。EURUSDは11日のイタリア予算案の数字待ち、GBPUSDは11日の議会採決待ちで買い戻しが見られるも、トレンドとしては弱く大きな変化は見られず。

USDJPYは、ファーウェイCFO逮捕(トランプ大統領は承知)、米中貿易戦争の休戦への不信感。イタリア予算案をめぐる不安、ハードブレグジットのリスク、日本政府の移民政策の変化を評価する動きも(WSJ紙)。アジア市場の113.10~20を高値に米国市場に入り一時112.24まで続落し、流れは円高。株価連動の円相場は続き、終盤にかけては米株の下げ幅が急速に縮み112.70台まで値を戻して推移している。

欧州株は大幅安で、ユーロストックス50は-3.31%と大幅安で終了。ダウは一時750ドル近く下落から下げ幅を縮め-295ドル近く(-1.2%)で推移。

米10年債利回りは前日2.914%から一時2.82%までの下落から下げ幅を縮め2.87%近辺で推移。2年債は前日2.795%から2.69%まで下げた後、2.75%近くで推移。

OPEC総会は減産で暫定合意とあるも、ロシアが難色し結局は物別れに原油価格は一時50ドル台へ下落し、51.50台まで値を戻す。


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22:15    USD 11月 ADP雇用統計=前月比17.9万人(予想19.5万人 前回22.7→22.5万人)

22:30    USD 10月 貿易収支=-555億ドル(予想-550億ドル 前回-540→-546億ドル)→ 予想より赤字幅が拡大し10年ぶりの高水準で、対中赤字は最高水準。

22:30    USD 週間新規失業保険申請件数=23.1万人(予想22.5 前回23.4→23.5万件)→ 予想を上回り弱い

22:30    USD 第3四半期 非農業部門労働生産性指数・確報値=前期比2.3%(予想2.3% 前回2.2%)、単位労働コスト・確報値=0.9%(予想1.1% 前回1.2)→ 単位労働コストは下方修正され賃金の伸びは弱まる。

22:30    CAD 国際貿易収支=-11.7億カナダドル(予想-7.3 前回-4.2→-8.9億カナダドル)→ 前回が大幅に下方修正され、予想外に赤字額が拡大

0:00    USD 11月 総合PMI・改定値=54.7(予想 前回54.4)、サービス業PMI・改定値=54.7(予想54.4 前回54.4)

0:00    USD 10月 製造業新規受注=前月比-2.1%(予想-2.0% 前回0.7→0.2%)→ 前回より大幅減な減少で2017年7月以来のマイナス幅

0:00    USD 10月 耐久財受注・確報値=前月比-4.3%(予想-2.4% 前回-4.4%)、除輸送機器=前月比0.2%(予想0.1% 前回0.1%)

0:00    USD 11月 ISM非製造業景気指数=60.7(予想59.0 前回60.3)

0:00    CAD 11月 Ivey購買部担当者景況感指数=57.2(予想 前回61.8)

1:00    USD 週間原油在庫=-732.3万バレル(予想 前回357.7万バレル)

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【北米】
6日早朝、米当局者(ロイター)=海兵隊の航空機2機が関わる事故が日本近海で起き、米軍関係者7人が行方不明。海兵隊によると、航空機は岩国基地を離陸後、定期訓練を実施していた際に「事故」に見舞われた。日本時間6日午前2時ごろに起きたという。その他の詳細はほとんど明らかにされていない。航空機はFA18戦闘攻撃機とKC130空中給油機の2機。搭乗者は計7人。

ファーウェイCFOの逮捕は米捜査当局が銀行詐欺の疑いもあるとみて調べを進めている。ボストン大統領補佐官は、大統領を含め事前に知っていたと語る。

米下院つなぎ予算を2週間(21日)延長する法案を可決し、上院承認待ち。

ボスティック・アトランタ連銀総裁=中立水準にほど近い距離にあり到達は望ましい。最近の市場変動や不透明性の増幅でも、マクロ経済指標に大きな変調は見られず。低失業率は将来的に景気の過熱やインフレ圧力を引き起こす恐れがあるもその兆候はほとんど見られず。

カプラン・ダラス連銀総裁=世界経済が減速なら米国も影響免れず。現状は中立金利をやや下回る水準にある。イールドカーブの長めの年限、成長減速見通しを反映。財政出動効果の剥落で来年の経済が非常に異なる様相となる可能性は高いと言えないまでもかなりある。貿易摩擦はまだGDP成長に影響していないが波及する可能性は十分ある。

ポロズカナダ中銀総裁=中銀は原油安と米中通商摩擦の再燃による影響を見極める必要がある

【欧州】
メイ英首相=英国の議員は協定案に賛成票を投じるか、合意なき離脱に直面するか、離脱を撤回するかの選択に直面。議員らの一部がブレグジットを挫折させようとしている。「3つの選択肢がある。1つは合意の下でEUを離脱するものだ。その他の2つは、合意なしに離脱するか、全く離脱しないかだ」、「問題はバックストップを発動するか、実施期間を延長するかだ」

バルニエ首席交渉官=英国の未来は、首相離脱案の11日の議会採決に懸かる。離脱条約がなれば、移行期間はなく、将来の関係について英国との間に必要な信頼の土台もない。

イタリア連立与党、同盟の指導部=2019年予算案の財政赤字目標の小幅な修正しか認めない方針。

【アジア・その他】
6日早朝、華為技術 幹部の逮捕(ファーウェイ CFO逮捕)。取締役会副会長の1人で、創業者の任正非氏の娘。孟晩舟・最高財務責任者(CFO)が米国の対イラン制裁に違反した疑いにより、12月1日にカナダ当局に逮捕されていた。→ 中国大使館はウェブサイトに掲載した声明で、孟氏の即時釈放を求めるとした。

中国商務省報道官=米中首脳会談の成功を受け、90日以内に貿易問題で合意することに自信。「われわれは、農産品、エネルギー、自動車で双方が合意した内容を直ちに実行する」とし「そして、向こう90日間、われわれは明確なタイムテーブルと行程表にしたがって、知的財産権保護、技術協力、市場アクセス、貿易収支などについて交渉する」

黒田日銀総裁(参議院財政金融委員会)=物価2%目標の実現には、現行の大幅な金融緩和を粘り強く続けていくことで現段階では十分。米国市場で生じている逆イールドよりも、米中貿易摩擦の動向が気になる。大規模金融緩和政策の出口戦略を議論するのは「時期尚早」。

デベル豪中銀副総裁=政策金利の次の変更は利下げより利上げとなる公算が大きいが、そうならなかった場合は、政策金利を一段と引き下げる余地はある。

OPEC総会=暫定的な減産で合意。具体的な規模はロシアのコミットメントを得てから決定。総会では4時間半にわたる討議が行われたものの、具体的な数値で合意せず終了した。イラン、リビア、ベネズエラなどが減産からの除外を要請

台湾中銀総裁=米中貿易摩擦は短期的に和らぐ可能性はあるものの、対立の中心にある問題が速やかに解決される可能性は低い

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