2018/12/08

2018年12月8日(土曜)7日、海外市場の動き

2018年12月8日(土曜)7日、海外市場の動き

米株大幅安、米金利下落、米雇用統計は弱くでるも為替相場の動きは複雑。

株安のリスク回避にJPYとCHFは選好、逆に株安に弱いAUD+NZDが下落。11日離脱協定案の議会採決を前にGBP売りは止まらず。強いカナダ雇用統計と原油高にCAD全面高。EURはイタリア議会下院が2019年予算案を可決、上院が否定すれば総辞職になる可能性にもなぜか底堅く推移。

ダウは-558.72(-2.24%)、Nasdaq-3.05%、S&P500-2.33%と大幅安。米10年債利回りは前日2.896→2.856%、2年債も2.76→2.717%へ低下、原油価格は50.60のボトムから、ロシアも合意しOPEC加盟・非加盟国で120万バレル(予想100万バレル)減産合意に一時54.22ドルまで急伸後、52.40台で推移。

市場全体は、ファイウェイCFOの逮捕をめぐり米中通商協議の行方を懸念。トランプ氏、ガドロー氏、ナバロ氏、中国側からも懸念を払しょくすべく発言が多数あるも不安を解消できず。米雇用統計は、非農業部門雇用者数は予想を下回り、平均時給の前月比と週平均労働時間も予想を下回り、ハト派のブラード・セントルイス連銀総裁を含め継続的な米利上げに慎重な意見も多数見られる。

USDJPYは弱い米雇用統計直後に112.80台→112.60台へと下落、その後も112.80台を高値に米金利の低下と米株安の影響を受け円高圧力が続き本日の安値112.56まで値を下げるも、112.50近辺の買い圧力は強く下げ止まっており、以外にも円高方向は限定的。ただし、112.80~00の上値が重くなっていることに変わりなく、徐々に上値が切り下がり円高傾向が続いている。

USDCADはまさに静→動へ。米雇用統計と同時刻に発表となったカナダの雇用統計。 失業率が予想外の低下、雇用者数も予想外に増加、フルタイム雇用者数の増加もありにカナダドル買いが強まり、1.3380台→1.3250台へ急落。終盤にかけては1.3320台へ値を戻すも、OPEC加盟・非加盟国の大幅な減産合意を受けた原油価格の上昇もフォローとなっている。

GBPUSDは離脱協定案の英議会採決の行方次第。弱い米雇用統計直後の1.2790を日中の高値に、続落傾向は止まらず。11日の議会採決の延期との思惑も報道官は否定。とりあえずはすべてが11日の結果次第でGBP売り圧力は変わらず。終盤にかけては1.2711をボトムに1.2730で終了。

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22:30    USD 11月 雇用統計: 失業率=3.7%(予想3.7 前回3.7%)、非農業部門雇用者数=15.5万人(予想19.8万人 10月25.0→23.7、9月11.8→11.9万人)、労働参加率=62.9%(予想62.9 前回62.9%)、時間当たり賃金=予想 前回27.3ドル、平均時給=前月比0.2%(予想0.3% 前回0.2→0.1%)、平均時給=前年比3.1%(予想3.1% 前回3.1%)、平均週間労働時間=34.4時間(予想34.5時間 前回34.5時間)→ 非農業部門雇用者数は予想を下回り、平均時給の前月比と週平均労働時間も予想を下回る。

22:30    CAD 11月 雇用統計: 失業率5.6%(予想5.8% 前回5.8%)、雇用者数=前月比94,100人(予想10,000人 前回11,200人)、労働参加率65.4%(予想65.2 前回65.2)、フルタイム雇用者数=89,900人(予想 前回33,900人)、パートタイム雇用者=4,100人(予想 前回-22,600人)→ 失業率が予想外の低下、雇用者数も予想外に増加、フルタイム雇用者数の増加もありにカナダドル買いが強まる

0:00    USD 12月 ミシガン大学消費者信頼感指数=97.5(予想97.0 前回97.5)

0:00    USD 10月 卸売売上高=前月比-0.2%(予想0.3% 前回)、卸売在庫=前月比0.8%(予想0.7% 前回0.7%)→ 売上高は予想外のマイナス、在庫は予想を上回る。

5:00    USD 10月 消費者信用残高=253.8億ドル(予想170億ドル 前回109.2→115.7億ドル)


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【北米】
ファイウェイCFOの逮捕をめぐり=トランプ大統領はツイッターで「中国との交渉は順調に進んでいる」、ガドローNEC委員長「逮捕による米中通商協商への影響はない」とし進展を楽観視し期間90日の延長の可能性を示唆し、「中国が農産品やエネルギー関連製品の輸入を即時再開し、自動車関税を引き下げることを米政権は期待」と語る。ナバロ通商製造政策局長「米中通商戦争の休戦と逮捕は関連ない」

ケリー米大統領首席補佐官が近く辞任する可能性(CNN)

ブラード・セントルイス連銀総裁=逆イールドが月内に発生する実質的なリスクが存在。市場では利上げは行き過ぎたものだったとの見方が明らかに出ている。利上げあまり急ぐ必要はない。先延ばしにすることは完全に理に適う。近代化されたテイラー・ルルーは金利据え置きを示唆。

ブラード・セントルイス連銀総裁=金利が上下どちらの方向にも動く可能性がある。インフレ動向や経済動静、利上げの効果を見極める中、米金融政策は現在「岐路」に立っている。リスクは今後の成長軌道の両方向にある。全体像はポジティブだが、海外、および国内社債市場におけるリスクは増大。米経済は、世界成長の鈍化、金融情勢の引き締まり、また財政刺激策による押し上げ効果減退の中、追い風が弱まってい

ブレイナードFRB理事=漸進的な利上げが短期的には依然適切。世界経済など一部の追い風は弱まってきている。2019年の米経済が底堅いと見込む適切な理由がある。

【欧州】
メルケル独首相の後継者決まる=ドイツ与党・キリスト教民主同盟(CDU)はメルケル首相の側近で路線継承を掲げるクランプカレンバウアー氏は決選投票で517票を獲得。対立候補メルツ氏の482票を上回る。

メイ英首相報道官は離脱協定案の議会採決は予定通り11日実施、延期の可能性を否定。

イタリア紙=コンテ首相はトリア財務相の辞任を望んでおり、五つ星運動も支持→ トリア財務相は辞任の意向はないと否定(イタリア紙)、ディマイオ・イタリア副首相は、トリア財務相の辞任を求めていないと否定。

イタリア議会下院=EUの財政規律に違反する、赤字額GDP比2.4%の2019年予算案を賛成多数で可決。上院は年末までに可決する必要があるが否定される内閣は総辞職の可能性。

【アジア・その他】
中国の外貨準備は予想外の増加=11月前月比90億ドル増の3兆0620億ドルへ。

黒田日銀総裁=現時点で追加緩和が必要になるとは考えていない。

OPECと非加盟国=ロシアが減産に合意したことで、日量120万バレルの減産で合意→ OPEC加盟国80万バレル、非加盟国40万バレル。直後の原油価格は5%近く上昇するも後に続かず。

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