2018/12/20

2018年12月20日(木曜)19日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

FOMCは大方の予想通り利上げを実施。2019年の利上げ予想は2回に低下、GDPとPCEの予想値を下方修正。2020年までに利上げを停止する考えも示唆、2015年末に始まった利上げ路線は転換点を迎えつつある可能性も。ただし、結果を受けドルは急伸、上昇してた米株は急落し、米債利回りは低下し、円は他通貨で全面高。

FOMCを受けダウの変動は止まらず、高値24,057→安値23,162と800ドル超の下げで、5時半近くでは前日比では約380ドル近くの下落となる23,300ドル台で推移中。米10年債利回りは2.83%台に上昇後2.75%近くまで一時下落。原油価格(WTI)は48ドル近くへと急伸。

為替相場は、FOMCを受けた「株大幅安+米債利回りの急低下」にドル全面高へと急変。それまでは、FOMCを前にして「弱気な見通し=ドル売りがリード」する流れで株価も上昇していた。欧州市場でEUはイタリアと2019年の予算案で合意し、制裁手続きをしない方針にイタリア債と株は買われ、主要通貨でドルは全面安の展開となっていた(除く、AUDUSD+NZDUSD)。

USDJPYは、アジア市場の高値112.60台から株価に連動する動きに112.19まで下落するも、112.25~45のレンジで推移、FOMCを前にして112.09まで一時続落。FOMCを受けて112.30→112.60台へ急伸するも、米株急落、米債利回り急低下で、ドルが他の通貨で全面高となる中で、クロスでは逆に円買いが加速。112.20~50のワイドレンジで上下し、変動幅が強まる。

EURUSDは、アジア市場の1.1360をボトムにアジア市場は1.1400台を回復、欧州市場に入ってもEUとイタリアの予算案で合意との報道に1.1440近くまで上昇し、FOMCを前にして1.1420~40のレンジで推移。FOMCを受けて1.1430台→1.1360台まで急落後は、大枠1.1365~00のワイドレンジで上下し、変動幅が強まる。

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注目のFOMCは、メンバー10人の全員一致で、利上げを実施(2.00~2.25%→2.25~2.50%)年内4回目となる利上げを決めた。(いくらかのさらなる緩やかな」利上げが必要になるとし、前回の声明から文言を若干修正。FRBが利上げ休止に向け準備している可能性があることが示唆、20年までに利上げを停止する考えも示唆、15年末に始まった利上げ路線は転換点を迎えつつある可能性も)

2019年の利上げ2回(9月時3回)を示唆。更なる漸進的利上げが適切、リスクは概ね均衡、世界情勢を注視、経済活動や雇用は力強い、支出の伸びは力強い、インフレは全体とコアとも2%付近で推移、長期のインフレ期待は僅かに変化、

ドット・プロット、
中央値2.875%で2019年の2回の利上げを示唆

FOMC経済見通し(9月との比較)、
GDP下方修正、2018年3.1→3.0%、2019年2.5→2.3%
PCE下方修正、2018年2.1→1.9%、2019年2.0→1.9%
コアPCE下方修正、2018年2.0→1.9%、2019年2.1→2.0%
失業率据え置き、2018年3.7→3.7%、2019年3.5→3.5%

パウエルFRB議長の会見
9月のFOMC後から一部で逆流が見られた、経済は過去力強いペースで拡大、賃金は広範囲で上昇、軟化を示す兆候がある、我々は全般的にみて来年は強い見通しを持っている、現時点で緩和策は必要ない、経済の健全性がきょうの利上げを正当化、ドット・プロットは便利な情報を提供、ドット・プロットは見通しのコンセンサスではない、政治的意見は金融政策に一切影響しない金融市場のボラティリティが高まっている、金融市場の状況は引き締まった、ファンダメンタルズ的に情勢は見通しに警告を発していない、利上げ見通しの下方修正は経済をサポート、インフレ基調からFOMCは忍耐強くなれる。

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22:30    USD 第3四半期 経常収支=-1248億ドル(予想-1245億ドル 前回-1015→-1012億ドル)

22:30    CAD 11月 消費者物価指数=前月比-0.4%(予想-0.4% 前回0.3%)、前年比1.7%(予想1.8% 前回2.4%)、コア共通前年比1.9%(予想1.9% 前回1.9%)、コア中央値前年比=1.9%(予想 前回2.0%)、コアトリム前年比=1.9%(予想 前回2.1%)→ 前年比は予想と前回を下回る

0:00    USD 11月 NAR中古中住宅販売件数=前月比1.9%(予想-0.4% 前回1.4%)、532万件(予想520万件 前回522万件)→ 予想を大幅に上回る

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【北米】
ナショナルポスト紙は3人目のカナダ人を拘束と報道。カナダ外務省報道官は3人目の拘束を確認したが、ファーウェイに対する捜査への報復との見方は示しておらず、事件との関連は不明→ 中国外務省報道官は3人目のカナダ人拘束、承知していない。

【欧州】
メイ政権の閣僚は18日に、合意なきEU離脱を想定した計画を「全面」展開することに合意。①緊急事態に備え3500の部隊を待機させ、20億ポンド(約2850億円)の資金を活用できる状態に整える。②今後数週間、市民や企業にさらなる注意喚起が続く見通し。③英当局は合意なき離脱に至る場合、ポンドが25%、住宅価格は30%それぞれ落ち込むなど、大規模な経済的打撃が生じると予測する。

欧州委員会の英国の合意ないEU離脱時の措置を提示、備えは混乱回避の一時的なもの。

ドムブロフスキス・欧州委員会副委員長は、イタリアと2019年予算案について合意に達した。イタリアへの制裁手続き開始しない方針にイタリア債上昇株高へ。

トリア・イタリア財務相=EUとの財政合意に満足、財政赤字2020年1.8%、2021年1.5%、

【アジア・その他】
中国商務省、米中は経済と貿易問題について電話協議を行った。

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