2018/12/04

2018年12月4日(火曜)3日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2018年12月4日(火曜)3日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

米中貿易戦争の休戦協定は本気? リスク回避の巻き戻しが加速、米株も急騰、米金利急低下。為替相場の反応は通貨間で異なる。

為替相場は週明けからギャップを明け急変し、米国市場では強い米ISMにドル売りに変化がみられるも、一日を通じてみる休戦のメリットを受けるAUD+NZD+CADの上昇が目立つ。

逆に11日の議会投票を前にしてハードブレグジット懸念にGBPは弱く、イタリア予算案では改善期待があるも、フランスのデモ激化・スペイン州議会選挙で極右政党が勝利とリスク顕在にEURは伸び悩み、JPYはUSDJPYで予想外の狭い値動きながら、GBPを除く他通貨で売り圧力が続き円安傾向を維持。

12月5日はブッシュ元米大統領の死去に伴い「国民追悼の日」休日に指定、政府機関はクローズし金融市場も休場となり、パウエルFRB議長の議会証言も延期へ。

トランプ大統領は米中通商交渉でライトハイザーUSTR代表を監督役に任命、ナバロ委員長のほか、ムニューシン長官自身、ロス商務長官、クドローNEC委員長らが参加へ。今後は彼らの発言を注視。

UDJPYは、一日を通じて早朝の113.82を高値に、欧米市場の安値113.38から米国市場の終盤の113.71まで上昇と、米中貿易戦争の停戦合意による株高にも関わらず、米金利の低下に予想外に円安が進まないとの印象は残る。ただし、円はピークから値を戻すも、AUDJPY(前日82.92→本日高値83.89→83.70台)、NZDJPY(前日78.05→本日高値78.81→78.70台)、CADJPYを主に一日を通じて円安傾向を維持しておりリスク回避の巻き戻しが続いていることがわかる。


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23:45    USD 10月 製造業PMI・改定値=55.3(予想55.4 前回55.4)

0:00    USD 11月 ISM製造業景気指数=59.3(予想57.5 前回57.7)→ 予想外となる大幅な上昇へ

0:00    USD 10月 建設支出=前月比-0.1%(予想0.4% 前回0.0→-0.1%)→ 前回が下方修正され予想をも下回るマイナスへ

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【北米】
トランプ大統領(ツイッター)=中国は米国からの輸入車への関税や撤廃で合意した。
ムニューシン米財務長官=中国側から米国の懸念に対応する「実質的な合意」があるとのコミットメントが示された。中国がこうしたコミットメントを示すのは初めて。休戦が実際の通商合意につながる可能性がある。
ムニューシン米財務長官=トランプ大統領が数人の閣僚とともに中国との通商交渉を率いる。同チームは「包括的な」ものになるとして、ライトハイザー代表とナバロ委員長のほか、ムニューシン長官自身、ロス商務長官、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長らが参加すると説明した。トランプ大統領は米中通商交渉で、ライトハイザーUSTR代表を監督役として任命した。ナバロ通商製造政策局長=ライトハイザーUSTR代表が向こう90日間、中国との関税、市場アクセス、知的財産権などを巡る交渉を率いる。ライトハイザー氏は関税、および非関税障壁の引き下げ、市場アクセスを阻んでいる構造的な慣習の撤廃を目指すと述べた。

ムニューシン米財務長官=中国が1.2兆ドルを超える輸入拡大の意向を示した。週末の米中首脳会談で合意した内容に含まれており、中国側は直ちに取り組む考え。

クドローNEC委員長=米中は知的財産の窃盗問題で合意に非常に近づいている。米国車に対する中国の関税はいずれゼロになるだろう。米中の通商交渉は慎重ながらも楽観的。中国が市場を開放すれば輸出は増えるだろう。

クドローNEC委員長=習近平国家主席は、米中貿易関係改善に向けた新たなコミットメントに基づき、早急に行動していくことを確約。これほどまでの前向きな取り組みを示したのは初めて。

ブッシュ元米大統領の死去に伴い「国民追悼の日」休日に指定。政府機関はクローズし金融市場も休場となる

パプラン・ダラス連銀総裁=金融正常化に向け世界経済の減速など一段と課題に直面。世界的な成長減速を注視。米経済は来年の成長鈍化を予測。

カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁=利上げが景気後退を招く。

ブレイナードFRB理事=明確な理由ない米債市場の変動を懸念。インフレは2%の目標付近。バランスシートの正常化は進行中。

クオールズFRB副議長=FRBは指標を注視する一方、方向性が大きく変化した場合のみ対応する。中立金利については、明確ではなく、時間と共に変化する。

クラリダFRB副議長=米金融当局が目標とする2%をわずかに上回るインフレ率は許容される。インフレ抑制と最大雇用の実現というFRBの目標達成に向けた現行の枠組みは上手く機能しているが、今後の見直しでそれを「改良」する方策がみつかる可能性。金融当局は物価上昇率がインフレ目標の上下両方向に外れることがないよう取り組んでいる。急激な相場下落に当局が歯止めをかけると期待するべきではない。

【欧州】
パリ・南仏でデモ、130人超死傷 、デモは3週末連続で収束の気配はみえない。マクロン大統領が、2017年の就任以来最大の危機を迎えている。当初は燃料価格の高騰や19年1月に予定されている燃料税引き上げに反対するデモだった。ただ、今はそれだけでなく、社会保障増税やたばこ値上げなどマクロン改革全体に不満を持つ人が集まっている。

ECBは域内の中銀による出資比率(キャピタルキー)を見直した=イタリア、スペイン、ギリシャの出資比率を低下、ドイツ、フランス、オーストリアが上昇。

バイトマン独連銀総裁=正常化の次のステップはデータ次第。

英議会は今週からブレグジット案を巡り協議をはじめ11日採決する。与党や北アイルランドのDUPも合意案に反対しており、議会が離脱合意案を否定すれば、内閣不信任案に直面する可能性が高まる。

コックス英法務長官(サンデー・タイムズ)=EUと合意した離脱案の下では、英国がEUとの関税同盟からいつまでも抜け出せないと閣僚に警告。

英国のバークレーEU離脱担当相=EU各国との間で合意したメイ首相の離脱案が11日の議会採決で否決された場合、どういう事態になるか分からない

サルビーニ・イタリア副首相=年金に関する予算案は修正しない。

イタリア・レプブリカ紙=2019年の財政赤字の対GDP比目標を、2.0%あるいはそれ以下に引き下げで欧州委員会と交渉中。

コンテ・イタリア首相(イタリア紙)=来年の財政赤字の対GDP比2.0%以下にはしない。

スペイン南部アンダルシア自治州議会選が2日、投開票され、開票率約99.9%の段階で極右政党ボックス(VOX)が12議席を確保する見通しとなった。1970年代後半のスペイン民主化後、州議会で極右政党が議席を得るのは初めて。

【アジア・その他】
武田製薬工業のアイルランド製薬大手シャイアーの買収が最終盤を迎えている。12月5日にそれぞれ予定されている臨時株主総会を乗り切れば、6兆円以上の大型M&A(買収・合併)が成立する。

石油輸出国機構(OPEC)の経済委員会は、来週の総会を控え、10月の産油量水準から日量130万バレルの減産を勧告した。関係筋が30日、明らかにした。

サダ・カタールエネルギー産業相=来年1月1日でOPECを脱退、サウジとの対立によると推測される。

12月6〜7日に開催される石油輸出国機構(OPEC)内外の主要産油国の会合では、イランなどがサウジアラビアに減産の痛みを最大限負うよう迫る見通しだ。このため足元で急落している原油相場の押し上げを狙った取り組みが損なわれる恐れがある。

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