2017/09/01

2017年9月1日(金曜)昨日31日、海外市場の動き

2017年9月1日(金曜)昨日31日、海外市場の動き

弱い米経済指標「米コアPCE価格指数(個人消費は強いのですが?)+シカゴPMI+NAR中古住宅販売」にドル買いからドル売りへ急変し、強いカナダGDPにUSDCADドル売りが加速(原油価格の急伸も加わる)。

米株は強く米債利回り変わらず。ハリケーン「ハービー」の影響によって連邦債務上限引き上げの期限が前倒しになる可能性はドルにとってプラス材料として残り、市場の目は9月1日の米雇用統計へ集中。

EURUSD、欧州市場序盤の1.1900台を高値に上値は重く、EURロングの巻き戻し+ユーロ高を危惧する声(ルメール仏経済財政相+ロイター報道)が意識される中で、ユーロ圏CPIの伸びも期待に届かず1.1820台まで下落。反転のきっかけは「期待に届かぬ米コアPCE価格指数+USDCADの急落」で「弱い米シカゴPMI+NAR中古住宅販売」も加わり1.19台を回復。

USDCAD、CADは今日のヒーロー! アジア・欧州市場は大枠1.2620~1.2660台で、原油価格の低迷にCAD安の流れが続いく。転機は「強いカナダのGDP」から始まり、原油高にカナダドルは急伸し1.2500を割り込み1.2470台まで下落。USDCAD-1.09%、CADJPY+0.87%。

USDJPY、アジア・欧州市場の序盤にかけては、株高の影響もあり円ロングの巻き戻しが止まらず早朝の110.17を安値に110.67まで上昇。転機は他の主要国通貨と変わらずで、「米コアPCE価格指数+USDCADの急落」で「弱い米シカゴPMI+NAR中古住宅販売」も加わり終盤にかけては109.88まで下落。

〇米債利回りは終盤にかけて低下、10年債は前日比2.131→2.121%へ、2年債は1.326→1.326とほぼ変わらず。
〇米株は上昇、ダウ+55.67(+0.25%)、S&P500 +14.06(+0.57%)、Nasdaq+60.35(+0.95%)。
〇原油価格は急伸、47.09ドルと前日比2.46%(+1.13%)と大幅上昇へ。

◎ユーロ圏CPI速報値H=前年比1.5%(予想1.4% 前回1.3%)、コア前年比=1.2%(予想1.2% 前回1.3%)→ コアが伸びずECBの政策変化ペースの鈍化を予想。
◎米新規失業保険申請件数=23.6万件(予想23.7万件 前回23.4→23.5万件)→ 予想より若干改善へ
◎カナダ月次GDP=0.3%(予想0.1% 前回0.6%)、前年比4.3%(予想4.1% 前回4.6→4.7%)、前期比年換算4.5%(予想3.7% 前回3.7%)→ 予想外に強く、原油高が加わりカナダドル買いが強まる
◎米個人消費支出=前月比0.3%(予想0.4% 前回0.1→0.2%)、PCE価格指数=前年比1.4%(予想1.4% 前回1.4%)、コアPCE価格指数=前年比1.4%(予想1.4% 前回1.5%)→コアPCE価格指数の前年比は前回を下回る。
◎米シカゴ購買部協会景気指数=58.9(予想58.5 前回58.9)と予想を下回る。
◎米NAR中古住宅販売保留件数=前月比-0.8%(予想0.5% 前回1.5→1.3%)、前年比-0.5%(予想0.5% 前回0.7→0.4%)→ 予想外にマイナス幅が拡大

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ECB当局者から急激なユーロ高を懸念する声が増えている(ロイター)=9月7日のECB理事会で政策変更の話し合いで何らかの決定をする可能性は低い。また、ルメール仏経済財政相=ユーロ高は仏経済にとっての懸念材料とも発言。

ムニューシン米財務長官=ハリケーン「ハービー」の影響によって、連邦債務上限引き上げの期限が前倒しになる可能性がある。

中国共産党が5年に1度の党大会10月18日に党大会を開催=党トップ200にあたる中央委員を選出し、大会直後の会議でその中から最高指導部メンバーを選ぶ。前回の2012年党大会で選出された7人の常務委員は、胡錦濤前国家主席や江沢民元国家主席につながる幹部が多かった。習氏は今回の党大会で常務委員の過半数を自らに近い「習派」で固め、2期目の権力基盤を一段と強固にする構えだ。

米議会9月5日に再開=連邦政府債務の上限引き上げが最優先課題で、10月初旬までに上限を上げなければデフォルトに陥る可能性も。2018会計年度の予算審議とあわせ、9月中は喫緊の財政問題を解決する必要がある。

輸入課税を強化する「法人税の国境調整」の頓挫で、法人税率35%→15%に引き下げることは難しくなっているが20%台を目指して審議がされる可能性があり、税率引き下げ幅は9月中にも公表する。トランプ政権は9月中に議会委員会に税制改革案を提示し、10月に下院、11月に上院を通過するシナリオを描いている。

カプラン・ダラス連銀総裁=ハリケーン「ハービー」の影響について「過去の経験は最初の落ち込み後、再建・回復期間を迎えるのを示している。十分な時間をおいて通常の経済成長を再開するのが理想だ」

サンダーズBOE政策委員=英国のEU離脱が困難なものになる事態に備えて金利を過去最低水準に据え置くのは不適切で、直ちに利上げすべき。経済を急減速させるほどブレーキを踏む必要はない。だが、それほど強くアクセルを踏む必要もない。